アルコール依存症や薬物依存症などにより、日々の生活が成り立たなくなっている人がいます。こうした人は依存・中毒状態からの脱出が必要であり、断酒や断薬をしなければいけません。

そうしたとき、更生施設を利用する人は多いです。アルコール・薬物更生施設としてダルクが知られており、こうした施設を利用することでアルコールやドラッグを断ち切ります。

なお、ダルクを利用するとき料金は高くなりがちです。そのため場合によっては、「通常の障害者グループホーム+精神科デイケア」という組み合わせでも問題ありません。

それではダルクを利用するとき、どのように考えればいいのでしょうか。アルコール依存症や薬物依存症での薬物更生施設の活用法について解説していきます。

更生施設として存在するダルク

アルコール依存症や薬物依存症など、依存性のあるドラッグによって生活が困難な人は多いです。特に麻薬やシンナー、覚せい剤を含め、違法薬物では逮捕されたり、刑務所で過ごしたりする人もいます。

こうしたドラッグは再犯率が高いです。またアルコールの使用は犯罪ではないものの、依存症では再び飲酒してしまいます。そのため自らの意思だけでお酒や麻薬を断ち切るのは難しく、そのために薬物更生施設を活用します。

アルコール依存症や薬物依存症は精神障害者に該当します。こうした中毒状態の精神障害者に対して、集団生活によって更生するための施設がいくつかあります。そうした施設がダルクです。

障害者向けの施設は複数あるものの、依存症患者の更生に特化した施設がダルクと考えましょう。その他の障害者施設を利用するのは何も問題ないものの、ダルクであれば依存症に対する更生プログラムが用意されています。

1~2年の入所により、アルコール・薬物中毒から抜け出す

このとき、精神障害者の中でもアルコール依存症や薬物依存症について、入所期間は短くなりがちです。一般的には、ダルクなどの薬物更生施設を利用する場合、入所期間は1~2年ほどになると考えましょう。

お酒やドラッグに対して依存状態であることを除けば、中毒状態であってもその他の機能は健常者と同じです。確かに再犯率は圧倒的に高いものの、アルコールや薬物から適切に遠ざかることができれば、更生の可能性が高いというわけです。

そこでアルコール依存症や薬物依存症の人が施設を利用するとき、他の障害者よりも短い期間にてプログラムを終え、退所するというわけです。

なお当然ながら、施設内にお酒や薬物を持ち込むと強制退所になります。薬物更生施設であり、さらには他の利用者も一緒に住んでいるため、禁止された物を持ち込んではいけません。

昼間は活動を行い、金銭管理をしてもらう

なおダルクでは昼間に活動を行います。ミーティングをしたり、スポーツレクリエーション、ゲームをしたりすることで、アルコール・薬物依存の状態から脱するようにするのです。こうした日中活動を行い、さらには集団生活をすることで、規則正しい生活を送るようにします。

なお薬物更生施設であるため、それなりに制限は多くなります。例えば、以下の状態になることは理解しましょう。

  • 金銭管理をしてもらう
  • 異性との交際禁止
  • 門限を守る

お金があると、再びお酒やドラッグを買ってしまうかもしれません。そのため、金銭管理は施設側が行います。また異性と交際する場合、異性を通して再び違法薬物に手を出してしまうかもしれません。

また規則正しい生活を通して中毒状態から抜け出すようにするため、門限を守るのも必須です。これらの制限があるからこそ、アルコールや薬物(ドラッグ)から抜け出せるのです。

・逮捕歴・刑務所の退所後でも利用できる

なお麻薬を含め、薬物中毒者の中には逮捕歴があり、刑務所で過ごした人もいます。通常、犯罪者は住む場所を見つけるのが難しいです。ただ障害者施設であれば、たとえ過去に逮捕歴があり、刑務所で過ごした経歴があっても問題なく受け入れてくれます。

これはダルクも同様であり、重度の中毒状態であっても受け入れ可能です。そのため、頼れる人がいないアルコール・薬物依存の人であっても障害者施設を利用できます。

共同生活援助は費用が格安

なおダルクについて、障害者グループホーム(共同生活援助)として運営されているケースがよくあります。障害福祉サービスの一つが障害者グループホームであり、この場合は料金が格安になります。

アルコール依存症や薬物依存症で薬物更生施設の利用が必要なほど症状が重い場合、多くの場合で性所得者に該当します。こうした住民税の非課税世帯や生活保護では、サービス料が無料です。障害福祉サービスについて、月の負担上限額が以下のように設定されているからです。

状態負担上限額
生活保護0円
住民税の非課税世帯0円
世帯年収600万円以下9,300円
世帯年収600万円超37,200円

なお、ある程度の年収があっても負担上限額によってサービス料が格安である事実は同じです。

また家賃支払いはあるものの、国や自治体からの補助を利用すれば、通常よりも低い負担金額で済みます。障害者グループホーム(共同生活援助)であれば、たとえダルクであっても費用負担は少ないです。

・昼間の活動は自立訓練(生活訓練)として行う

なお日中の活動としては、障害福祉サービスを利用する施設(ダルク)の場合、自立訓練(生活訓練)としてプログラムが提供されます。

自立訓練(生活訓練)は障害福祉サービスの一つであり、先ほど記したように月の負担上限額があります。そのため、ダルクで過ごすときの日中活動の費用(自立訓練の料金)についても非常に安いです。また住民税の非課税世帯や生活保護では、自立訓練(生活訓練)のサービス料は無料です。

精神障害者ではこれらの補助を利用できるため、ダルクを利用するにしても、障害福祉サービスを活用している施設であれば費用の心配をする必要はありません。

自費型の場合、費用は高額

ただ中には、障害福祉サービスを利用するのではなく、自費型の薬物更生施設も存在します。この場合、費用は高額になります。

施設によって利用料金は異なるものの、自費型の場合は月15~18万円ほどの金額になると考えましょう。そのため低所得のアルコール依存症・薬物依存症の人は現実的に利用できません。また、それなりにお金をもっている人のみ活用できる施設となります。

そのためダルクを利用するにしても、障害福祉サービスに対応しているかどうかの確認は重要です。多くの場合、1~2年の期間限定であっても、月の費用が高額だと利用が難しいです。また退所後に貯金がない状態だと、社会復帰がスムーズではありません。

またダルクについて、障害福祉サービスに対応して施設に加えて、自費型も利用できるケースがあります。この場合、障害者グループホームや自立訓練(生活訓練)によって依存症へ対応している施設を利用するほうが金銭面では圧倒的に優れます。

通常の共同生活援助と精神科デイケアでも問題ない

なお断酒や断薬を目指すとき、必ずしもダルクを選択する必要はありません。ダルクだけに限定すると、日本全国で数が非常に少ないからです。また「障害福祉サービスに対応しているダルク」となるとさらに限定され、空きがなければ入居できません。

実際のところ、アルコール依存症・薬物依存症の回復プログラムという意味では、精神科病院・クリニックが実施している精神科デイケアでも対応できるケースがよくあります。つまり平日の昼間に筆誅活動をするとき、ダルクのように施設内で更生プログラムを受ける必要はなく、精神科病院へ行けば問題ありません。

また日本全国には、一般的な障害者グループホーム(共同生活援助)があります。依存症患者や薬物中毒者のみが入居する施設ではなく、知的障害者や身体障害者など、その他の障害者も一緒に住むことになるものの、こうした通常の障害者グループホームを利用するのです。

障害者グループホームについても金銭管理が行われ、門限があり、介護スタッフが常駐しているので規則正しい生活を送れるようになります。

また住民税の非課税世帯などの低所得者であり、さらには精神障害者の場合、多くの自治体で医療費の負担上限額が非常に低く設定されています。また生活保護であれば医療費負担はゼロです。そのため精神科デイケアへ通うにしても、料金を気にする必要はありません。

アルコール・薬物中毒について、社会復帰を目指すときはダルク以外にも「通常の障害者グループホーム+精神科デイケア」という方法もあります。これにより、公的施設の活用によって社会復帰を目指すときの選択肢が増えます。

薬物更生施設を利用し、社会復帰を行う

アルコールや麻薬、シンナー、覚せい剤などによって依存症に陥ってしまった場合、中毒状態から回復しなければいけません。依存症の場合、完全な回復は不可能であり、再犯率は高いものの、社会復帰する人もいます。

そうしたとき、自宅で過ごすのではなく施設にて規則正しい生活を送ることを考えましょう。特にアルコールや薬物中毒者に対する更生施設としてダルクがあります。障害福祉サービスとして運営されているダルクであれば、費用負担はほとんどありません。一方で自費の場合、月に利用料金は高額です。

なおダルクの利用を検討する人について、通常の障害者グループホームに加えて、精神科デイケアを併用するという方法もあります。これであれば選択肢が広がり、格安にて施設で過ごせるようになります。そうして、1~2年後の社会復帰を目指します。

再犯率が高いからこそ、依存症の人にとって更生施設の利用は重要です。そこでダルクを含め、公的施設を利用することで社会復帰を目指しましょう。

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