多くの障害者が利用する障害福祉サービスが短期入所(ショートステイ)です。ショートステイを利用することで、障害者は施設にて過ごすことができます。

ただ、障害者施設でショートステイを利用するには料金が発生します。たとえ生活保護のような低所得者であっても、短期入所の利用によってお金を支払わなければいけません。これにはサービス料に加えて食事代や水道光熱費、その他の雑費などがあります。

それではショートステイを障害者が利用するとき、費用をどのように考えればいいのでしょうか。短期入所での利用料金について解説していきます。

短期入所で必要なサービス料金は1割負担

障害福祉サービスの一つが短期入所(ショートステイ)です。障害者が障害福祉サービスを利用するとき、利用料金は1割になるので格安です。つまり、すべての障害者は大きな支払いなしに利用できるようになっています。

・障害支援区分によって費用は異なる

それでは、どのような利用料金(サービス料)になっているかというと、障害の重症度によって異なります。障害福祉サービスを利用するときは障害支援区分を取得する必要があり、区分は1~6まであります。数字が大きいほど重度を表します。

ショートステイは区分1以上で利用できるため、軽度の障害者であっても問題ありません。このとき区分によって異なりますが、ショートステイ一回のサービス料金(自己負担分)は500~900円ほどになります。

・医療型短期入所は費用が高額

なお一般的なショートステイではなく、医療面でのケアがメインになる医療型短期入所の場合、その分だけサービス料の費用負担は大きくなります。医療型ショートステイでは、1割負担であっても自己負担額は一日あたり1600~2700円になります。

低所得者はサービス料が無料

それでは、障害者でこうしたサービス料金の支払いが必要かというと、収入の少ない障害者は無料になっています。障害福祉サービスでは月の負担上限額が以下のように設定されています。

状態負担上限額
生活保護0円
住民税の非課税世帯0円
世帯年収600万円以下9,300円
世帯年収600万円超37,200円

このように、住民税の非課税世帯や生活保護ではサービス料がゼロです。

また世帯年収がある場合であっても、年収600万円以下では月9300円が上限であるため、やはり格安にて短期入所(ショートステイ)を利用できます。そのためサービス料の支払いはあるものの、年収がそこまで高くないのであれば、サービス料の負担を気にする必要はありません。

食事代・水道光熱費(電気代・水道代)は別に必要

一方で重要になるのがその他の費用です。サービス料は確かに月の負担上限額があるものの、食事代や電気代、水道代は実費負担になります。

食事代は利用する施設によって異なります。食事代を一食300円としている施設があれば、一食400円としている施設もあります。これについては、施設によって値段が違うので確認してみるといいです。

また、食事代に加えて水道光熱費が必要になります。電気代・水道代についても、1日の利用料金は利用する障害者施設によって異なります。

・住民税の非課税世帯や生活保護でも実費は必須

なお食事代や水道光熱費の支払いが必要なのは、住民税の非課税世帯や生活保護であっても同様です。サービス料は無料であっても、食事代や電気代、水道代はすべてを実費負担しなければいけません。障害者が短期入所を利用するとき、たとえ低所得者であっても完全無料とはなりません。

・その他の雑費が金額として加わる

それに加えて、その他の雑費もショートステイを利用するときに必要になります。例えば娯楽費や洗濯代など施設によってさまざまです。娯楽費や洗濯代、その他の日用品費を含めて、どのような雑費が他に必要になるのか施設に確認するといいです。

一日・一泊での滞在費用・値段

それでは、実際のところ障害者が短期入所を利用するときはどれくらいの費用が必要になるのでしょうか。これについて、一般的な滞在費用は一日あたり2000~3000円ほどになります。例えば、1泊2日の場合、二日の利用なのでこの倍の費用(4000~6000円ほど)になると考えましょう。

そのため、ホテルに比べると値段は圧倒的に安いです。またホテルとは異なり、専門の介護スタッフが常に障害者の介助をしてくれます。

また前述の通り、低所得者の場合はサービス料が無料です。そのため1割負担のサービス料がない場合、必要な支払い金額はさらに少なくなります。

なお施設によって食事代や水道光熱費が異なるため、具体的な一日・一泊あたりの居住費はそれぞれ異なります。そのため具体的な値段については、利用したいショートステイ先に問い合わせてみるといいです。

1ヶ月の利用料金:居住費での部屋代の徴収はない

なお中には、月30日など長めにショートステイを利用したいと考える障害者もいます。この場合、月の利用金額は6~9万円などになります(低所得者でサービス料の支払いがない場合、費用はより低くなる)。

他の入居系の障害福祉サービスに障害者グループホーム(共同生活援助)があります。ただ障害者グループホームとは異なり、短期入所(ショートステイ)では家賃が存在しません。ショートステイでは、家賃(部屋代)を徴収してはいけないルールになっています。部屋代が存在しない分、障害者グループホームに1か月滞在するよりは費用が低くなります。

ただ障害者グループホームとは異なり、短期入所では滞在日数が月30日以下と決まっています。同じ施設にずっと住めるわけではないため、確かに部屋代の徴収はないものの、必ずしもショートステイのほうが優れるわけではありません。

キャンセル料は食事代の実費相当額が必要

それでは、他にどのような費用が必要になるかというとキャンセル料になります。予約日に短期入所施設へ入居すれば何も問題ありませんが、場合によっては直前になってキャンセルしなければいけなくなることもあります。

キャンセルするとき、ホテルのように「滞在費用の全額を徴収される」ことはありません。たとえ直前にキャンセルしたとしても、サービス料についてのキャンセル料金は発生しません。

ただショートステイを利用するとき、施設側は事前に食事の準備をする必要があります。食事代はすべて障害者側が全額負担する必要があり、直前のキャンセルでは食材費用がすべて無駄になってしまいます。そのため直前のキャンセルをする場合、食事代と同額費用を徴収する施設は多いです。

施設によって食事代は異なるため、キャンセル費用も変わります。そこで、キャンセル費用の有無や金額などを確認しましょう。

必要な値段・金額を把握して短期入所を利用する

障害者であっても公的サービスの利用で費用が発生します。ただ障害福祉サービスは1割負担であるため、格安にて利用できます。このとき、住民税の非課税世帯や生活保護などの低所得者ではサービス料が無料です。

なお実際には、食事代や水道光熱費、その他の雑費(日用品費、洗濯代など)は実費負担となります。こうしたサービス料や食事代、電気代、水道代などを考慮すると、一日の滞在費は2000~3000円ほどになります。そのため、金額は非常に少ないです。

滞在費用については、部屋代がない分だけ障害者グループホーム(共同生活援助)よりも値段は低くなります。

障害者がショートステイを利用するとき、こうした利用料金が必要になります。具体的な費用は施設によって変動するため、どれくらいの金額になるのか施設側へ事前に問い合わせするといいです。

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