障害福祉サービスで居宅介護や重度訪問介護は多くの人が利用しています。このとき、同居家族がいてもホームヘルプを利用できるのか気になる人は多いです。
結論を先にいうと、居宅介護や重度訪問介護は同居家族がいても問題なく依頼できます。同居家族に若い健常者がいても、障害福祉サービスでホームヘルプを依頼できるのです。
ただホームヘルプを依頼するとき、ルールがあります。同居家族に関しての援助は対象外であるため、あくまでも障害者本人に対する援助となります。
それでは同居家族がいる場合について、居宅介護や重度訪問介護はどのように活用すればいいのでしょうか。親や兄弟、配偶者、その他の親族と一緒に暮らしている場合について、ホームヘルプの活用法を解説していきます。
もくじ
同居家族がいてもホームヘルプは利用可能
障害者が家に住んでいる場合、ホームヘルプを依頼することで身体介護や家事援助をしてもらうことができます。重度の障害者に関わらず、軽度の障害者であってもホームヘルプによる援助が可能です。
このとき重要なのは、たとえ同居家族がいても何も問題なくホームヘルプを依頼できることです。以下の場合、ホームヘルプを依頼できます。
- 同居家族にも障害がある
- 同居の親や配偶者が高齢
- 家族が介護疲れを起こしている
- 配偶者などが昼に働いて不在となるが、本人の見守りが必要
人によって理由はさまざまですが、家族が障害者の介護をそれ以上、付きっきりで見れない場合はホームヘルプの依頼が可能と考えましょう。
例えば発達障害によって部屋の片づけができない場合、ゴミ屋敷になってしまいます。この状態では障害者本人だけでなく、一緒に住む家族についても健康被害を生じてしまうため、障害者の部屋のそうじ・片付けをするのは重要です。いずれにしても、障害者は一人暮らしや家族などとの同居に関係なく居宅介護を利用可能です。
特に重度訪問介護は家族の健康・安全にもつながる
なお重度訪問介護については、同居家族にとって特に重要な障害福祉サービスとなります。重度訪問介護を利用することにより、家族の健康や安全につながるからです。
特に重度の障害者に対する障害福祉サービスが重度訪問介護です。例えばALSなどの難病患者では、夜間を含めて数時間おきに吸引が必要になるのは普通です。これを家族が行うとなると、夜に寝ることができず介護疲れを起こし、家庭崩壊を起こしてしまいます。
そこで重度訪問介護であれば、24時間体制での介護を含めて依頼できます。これにより、家族は夜に眠ることができますし、健康面でも安心です。
また知的障害・精神障害を有している人で強度行動障害がある場合、突発的な行動によって物損や他害・暴力を生じる可能性があります。こうした場合であっても、重度訪問介護によって障害者の見守りをしていれば、家族の安全は守られます。
ホームヘルプの対象は障害者本人のみ
それでは、ホームヘルプで同居家族がいる場合に理解しなければいけないルールとしては何があるのでしょうか。居宅介護・重度訪問介護はあくまでも、障害者本人に対する身体介護や家事援助が対象になります。
言い換えると、同居家族や来客に対するホームヘルプは援助対象の範囲ではありません。そのため、例えば以下はホームヘルプを利用できません。
- 同居家族の部屋のそうじ
- 来客用の買い物
いずれにしても、障害者本人以外の支援項目はホームヘルプの対象外になると考えましょう。
・自立支援での援助なら問題ない
なお実際には、同居家族がいる場合、そのままだと本人以外の援助(ゴミ出しやトイレ‣キッチンなど共用部のそうじを含め、実質的に同居家族への援助)が含まれるケースはよくあります。このとき、障害者の自立支援であればさまざまなホームヘルプを積極的に利用して問題ありません。
例えばゴミ出しであれば、同居している家族がゴミ出しをすればいいです。ただ、障害者が自らゴミ出しを行えるようになると優れます。そこでホームヘルプを依頼して、一緒にゴミ出しの方法を学ぶことにより、行えることを増やすのは効果的です。
以下の写真であれば、発達障害を抱えている障害者が玄関をそうじしている様子です。
障害福祉サービスは自立支援の場でもあります。そこで、ホームヘルプを活用してゴミ出しや共用部分のそうじ、家族分を含めての買い物の方法などを指導してもらうのは問題ありません。
日常生活に関係ない項目も支援対象外
他には、たとえ本人に関する援助内容であったとしても、障害者の日常生活に関係ない項目はホームヘルプの支援対象外になります。例えば、以下の項目が該当します。
- 正月のおせち料理作り
- 家の大掃除
- 庭の手入れ
これらの作業をしなくても、障害者本人の日常生活に影響はありません。あくまでも、障害者の日常的な生活援助に関係ある項目について居宅介護・重度訪問介護で支援されるようになります。
育児支援の場合、例外的に子供も支援対象
なお他人の援助ではあるものの、ホームヘルプでは例外的に障害者の子供に対する育児支援は家事援助の範囲になっています。
子供は障害者とは異なる別人です。ただ本来、子供の世話は障害者本人が行わなければいけません。そこで、ホームヘルプによる育児支援が対象範囲になっているのです。ホームヘルプでの育児支援としては、例えば以下を依頼できます。
- 沐浴・授乳
- 乳児の健康把握の補助
- 児童の健康な発達(特に言語発達を促進する視点)の支援
- 保育園・学校などへの連絡
- 子供分の料理、洗濯、そうじ
- 子供が医療機関へ通院する場合の付き添い
- 子供が保育園・幼稚園へ通園するときの送迎
- その他、子供に関する家事・育児
子供の送迎や料理など、さまざまな育児支援を活用できます。利用者以外であっても、子供は例外的にホームヘルプの対象になるため、障害者に子供がいる場合は積極的に家事を頼って問題ありません。
同居家族がいても居宅介護・重度訪問介護を依頼できる
障害者が同居家族と一緒に住んでいるのは普通です。ただ親や兄弟、配偶者などと一緒に住んでいる場合であっても、居宅介護や重度訪問介護を依頼できます。特に重度訪問介護については、利用することで家族の健康や安全にもつながります。
なお、障害福祉サービスでホームヘルプを利用するとき、あくまでも障害者本人に対するサービスになることを理解しましょう。そのため、同居家族や来客のためにホームヘルプを利用することはできません。
もちろん、自立支援の場としてホームヘルプを活用するのは問題ありません。例えば本来、ゴミ出しは家族が行えばいいものの、居宅介護を利用して障害者がゴミ出しの方法を学ぶのは優れます。
居宅介護や重度訪問介護について、同居家族がいる状態で利用している障害者はたくさんいます。そこで、こうした障害福祉サービスを活用することで生活を支援してもらいましょう。
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