知的障害者や身体障害者、精神障害者、難病患者であれば障害者手帳を保有するのが一般的です。障害者手帳をもつことにより、減税や割引、助成など多くの金銭的なメリットを得られます。また、障害者向けのサービスを受けることもできます。
それでは、何歳から何歳まで障害者手帳の申請が可能なのでしょうか。これについて、年齢制限は特にありません。
例えば、0歳の小児が障害者手帳を保有するのは普通です。また、高齢者が新たに障害者手帳を申請・保有するのもよくあります。年齢という意味では、年齢制限なくあらゆる人が障害者手帳へ申請・保有できるのです。
こうした事実を理解して、どのように障害者手帳を活用すればいいのか学ばなければいけません。そこで、障害者手帳と年齢の関係を解説していきます。
もくじ
何歳から申請できる?身体障害者手帳は0歳でも可能
まず、障害者手帳は何歳から申請できるのでしょうか。障害者手帳には以下の3種類があります。
- 身体障害者手帳:体の機能に障害のある人
- 療育手帳:知的障害のある人
- 精神障害者保健福祉手帳:精神障害のある人
すべての障害者手帳について年齢は関係ないですが、特に身体障害者手帳は0歳児であっても問題なく手帳の入手が可能です。
身体障害者の判断基準は肢体不自由や臓器障害であるため、見た目や検査内容から0歳児であっても身体障害者であると明確にわかります。そのため、医師による診断書を役所に提出することで身体障害者手帳を入手できるのです。
精神疾患や発達障害など、小児からの申請もよくある
もちろん、0歳児を含めて生まれてすぐに判断が難しい障害もあります。例えば知的障害者や精神障害者(発達障害やてんかんを含む)がこれに該当します。
ダウン症などの遺伝子疾患のように、生まれた時点から明確に障害がわかる場合を除き、幼い子供が知的障害や精神障害をもつかどうかの判断は困難です。すべての小児について、0~2歳では言葉の発達が遅いからです。
ただ、ある程度の年齢まで成長したら知的障害者や精神障害者(発達障害やてんかんを含む)について、さまざまな傾向が現れるようになります。この場合、医師に診断書を書いてもらうことによって療育手帳や精神障害者保健福祉手帳の入手が可能です。
なお精神障害者保健福祉手帳であれば、例えば以下の精神疾患が対象になります。
- 統合失調症
- うつ病、双極性障害(躁うつ病)
- てんかん
- 薬物依存症・アルコール依存症
- 高次脳機能障害
- 発達障害
- 不安障害(パニック障害)、PTSD
- その他の精神疾患
もちろん小学校に上がる前に障害者手帳へ申請し、療育手帳や精神障害者保健福祉手帳を入手しても問題ありません。いずれにしても、「何歳から」という年齢に関係なく小児であっても障害者手帳を保有できます。
子供・大人の障害者向けサービスを利用する
これら障害者手帳を利用することにより、子供(障害児)でも大人でもさまざまな場面でメリットを得られます。例えば以下のようになります。
・所得税、住民税、自動車税などの減税
障害者手帳をもつ場合、本人に限らず、扶養者であっても所得税・住民税の減税が可能です。また障害の程度が重い場合、自動車税の減免も可能です。
・補助具の助成
車いすや歩行器、補聴器など、身体障害者の場合は生活をサポートするために補装具の購入や修理が必要になります。これらは原則1割負担にて購入・修理をすることができ、多くを助成してもらうことができます。
・医療費助成
子供については、医療費無料のケースがよくあります。ただ成人・大人であっても、障害者であれば医療費助成の仕組みが複数あり、これによって医療費を通常よりも大幅に低くできます。
・公共料金の割引
電車・新幹線や飛行機、バス、タクシー、高速道路など、さまざまな割引があります。
・就労支援、障害者雇用
障害者であっても昼に働くのは普通です。そこで、障害者手帳があれば障害者雇用を利用して一般企業へ勤務できます。なお、一般企業への就職が難しい場合であっても作業所で働けます。
・各種、割引や特典
美術館や水族館、映画館、テーマパークなど、障害者手帳(またはアプリ)を提示することによって障害者割引を利用できます。また自治体によってはおむつ代の助成があり、障害者手帳によってさまざまな割引・助成が可能です。
年齢制限はなく、高齢者でも身体障害者手帳を取得可能
それでは、こうした障害者手帳の入手について何歳まで可能なのでしょうか。障害者というと、児童(障害児)や65歳未満の大人を想像しがちです。ただ65歳以上の高齢者になった段階で、病気やケガによって障害者になる人もいます。
例えば高齢者は多くの人で病気をもちますが、脳梗塞によって体の動きが不自由になったり、糖尿病によって腎機能が失われたりするのは普通です。
こうした高齢者について、肢体不自由や内臓機能の低下がメインとなるため身体障害者となりますが、高齢者であっても年齢に関係なく身体障害者手帳の保有が可能です。例えば以下は、「呼吸器に関して身体障害者手帳を取得するための医師の診断書」の一部です。
このように日常生活で困る点や医学的所見を含めた内容を医師が記載することになります。こうした診断書をもとに障害者手帳が交付されることになり、特に年齢は関係ないというわけです。
加齢による原因であっても障害者手帳を利用できる
なお場合によっては、病気などは関係なく、単なる加齢によって日々の生活に支障が現れているケースもあります。加齢が原因で足腰が弱くなり、体の動きが悪くなったり、寝たきりに近い状態になったりするのは普通です。
これについて、「老衰により歩行が不可能となった場合でも、歩行障害と認定してよいか」という質問について、厚生労働省は以下のような見解を出しています。
加齢のみを理由に身体障害者手帳を交付しないことは適当ではなく、身体障害者の自立と社会経済活動への参加の促進を謳った身体障害者福祉法の理念から、近い将来において生命の維持が困難となるような場合を除き、認定基準に合致する永続する機能障害がある場合は、認定できる可能性がある。 |
このように、特に病気がなく老衰による原因であっても身体障害者の認定が可能です。
例えば高齢者の場合、転倒によって足の骨(大腿骨など)を骨折し、歩行障害に陥ることはよくあります。こうしたよくあるケースであっても、申請すれば身体障害者手帳を発行できるのです。
医療費助成や割引を考えると、病気による障害での申請は重要
障害者手帳を入手できれば、高齢者であっても障害者独自の特典を得られます。高齢者だと就労は無理ですし、65歳未満向けの障害福祉サービスの利用も難しいです。ただ、以下の特典は問題なく利用できます。
- 所得税、住民税、自動車税などの減税
- 医療費助成
- 公共料金の割引
- その他の割引や特典
高齢者であっても電車や飛行機、バスに乗るのは普通です。また映画館や美術館へ行くこともよくあります。このとき、障害者手帳があれば割引となります。また誰かの扶養者になっているのであれば、扶養者の所得税・住民税を減らすことができます。
以前は健常者であっても、高齢者で障害者手帳を発行できるようになるのは普通です。年齢制限なしに申請・取得できるため、高齢者であっても積極的に身体障害者手帳の申請をするといいです。
障害者手帳は何歳でも申請できる
多くの障害者で申請・保有するのが障害者手帳です。障害者手帳には主に3つの種類があり、医師の診断書によって手帳保有が可能です。こうした障害者手帳について、「何歳から何歳まで持てる」などの年齢制限は特にありません。
例えば身体障害者であれば、0歳であっても障害者であることが明確であるため、何歳からであっても身体障害者手帳を取得できます。
高齢者についても、老衰など年齢が理由による障害であっても申請・取得が可能です。高齢者は主に身体障害者手帳を新規取得することになります。ほとんどの高齢者で年齢や病気を理由に日常生活の動作が困難になるものの、こうした人であっても年齢に関係なく障害者手帳の取得が可能なのです。
障害者手帳を利用することで多くの優遇措置を得られます。こうしたメリットを利用するため、障害者は年齢に関係なく早めに申請しましょう。
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