脳性麻痺により、生まれつき体の動きに制限をもつ人がいます。こうした運動麻痺を生じている身体障害者は障害者グループホーム(共同生活援助)や入所施設(障害者支援施設)を利用できます。
格安で住むことができるため、収入がほぼない人であっても障害者施設を利用できます。いきなり一人暮らしは現実的に厳しいため、障害者グループホームを利用して生活するというわけです。
また、障害者グループホームや入所施設は利用者の自立を促します。そこで、最終的には完全なる単独生活を目指しても問題ありません。居宅介護(ホームヘルプ)を利用して一人暮らしをしている脳性麻痺の人はたくさんいます。
それでは、脳性麻痺の人はどのように障害者施設を利用すればいいのでしょうか。脳性麻痺での障害者グループホームの利用法を解説していきます。
もくじ
大人になった後の脳性麻痺で障害者グループホームは有効
知的障害者や精神障害者、身体障害者、難病患者で利用できる施設が障害者グループホーム(共同生活援助)や入所施設(障害者支援施設)です。
脳性麻痺には必ずしも知的障害があるとは限らず、知能が正常であることもよくあります。つまり、脳性麻痺は身体障害者に該当します。こうした障害者であれば、障害者手帳を保有していると思います。以下が障害者手帳の種類です。
- 身体障害者手帳:体の機能に障害のある人
- 療育手帳:知的障害のある人
- 精神障害者保健福祉手帳:精神障害のある人
障害者グループホームでも入所施設でも、入居のときに障害者手帳の提示が必要になります。いずれにしても、脳性麻痺によって体の動きが制限されている場合は障害者施設を利用可能です。
仕事のない低所得者であっても生活できる
なぜ多くの障害者がこれら障害者施設を利用するかというと、たとえ仕事をしていない低所得者の状態であっても問題なく生活できるからです。
そのため、既に一般企業などに勤めていて収入に問題のない障害者であれば障害者グループホームを利用する意味はありません。ただ脳性麻痺を含め知的障害者や身体障害者の場合、一般的には低所得者が多く、満足に働けないというわけです。
このとき障害者グループホームや入所施設であれば、家賃を含めて月6万円ほどの支出で生活できます。低所得者では障害福祉サービスが無料であり、国や自治体から高額な家賃補助があるからです。そのため、実質的な負担は食費や水道光熱費、日用品代などの必要最低限のみです。
たとえ重度の脳性麻痺で知的障害があっても、障害年金だけで生活できるのが障害者グループホームや入所施設です。こうしたセーフティーネットを利用すれば、ひとまず生活は守られます。
また障害者グループホームには介護職員が常に常駐しています。そのため入浴や排せつ、食事の介助は特に問題ありません。
区分認定を受け、障害福祉サービス受給者証を受け取る
なお障害者手帳を保有していることについて、正確には、障害者グループホーム利用の必須条件ではありません。一方、障害者グループホーム(共同生活援助)や入所施設(障害者支援施設)を利用するためには、区分認定を受ける必要があります。
区分は1~6まであり、数字が大きいほど重度になります。障害支援区分があれば、障害者グループホームを利用できます。
その後、サービス利用の決定を受け、以下のように障害福祉サービス受給者証へ「共同生活援助(グループホーム)」と記載してもらいましょう。
区分認定と障害福祉サービス受給者証の交付により、障害者施設へ入居するための準備が整います。
身体障害者の障害支援区分の割合
なお脳性麻痺のような身体障害者については、見た目でも障害をもっており、日常生活の動作が困難になっているとわかりやすいです。そのため、よほどの軽度でない限り区分認定を得ることができます。
言い換えると、ほぼ100%に近い確率で障害支援区分をもらい、障害者施設を利用できるのが身体障害者です。参考までに、以下は身体障害者での区分認定の内訳です。
区分認定 | 割合 |
非該当 | 0.0% |
区分1 | 1.3% |
区分2 | 7.8% |
区分3 | 17.2% |
区分4 | 14.3% |
区分5 | 15.1% |
区分6 | 44.2% |
※障害支援区分の審査判定実績:2020年
非該当(区分なし)は人数が少なすぎるため、0%となっています。また区分6と最も重度の人が多くなっているのが身体障害者です。また脳性麻痺の場合、常に医療的ケアが必要な人は少ないです。そのため、問題なく障害者施設を利用できます。
なお入所施設は区分4以上の重症者向けとなっています。ただ身体障害者は区分の数字が大きくなりやすいため、障害者グループホームでも入所施設でも多くの人が利用できるのです。
共同生活援助や入所施設(障害者支援施設)を見つける
こうして区分認定を受け、障害福祉サービス受給者証を交付されると、後は入居可能な障害者グループホームを見つけるだけです。
なお障害者グループホームも入所施設も数が多いわけではありません。そのため入居可能な施設を探すとき、ほかの自治体も含めるのがコツです。一つの自治体だけに絞ると、本当の意味で入居可能な施設の空きがなくなります。
障害の程度が軽度であり、自分の住みたい場所があるのであれば、仕事を見つけたり一人暮らしの準備ができたりする段階で一般的な賃貸住宅を探せばいいです。それまでは、他の自治体を含めて施設を探すというわけです。
・仕事探しの支援を得られる
なお障害の程度が軽度であれ重度であれ、障害者グループホームへ入居している人は平日の昼間に働きます。仕事探しについて、提携している障害者施設との調整を含めて障害者グループホームの仕事であるため、心配する必要はありません。
障害の程度によって一般企業や作業所など、働く場所は異なるものの、こうした場所で仕事をすることになります。
将来、居宅介護(ホームヘルプ)を利用して一人暮らしをしてもいい
なお脳性麻痺では必ずしも知的障害をもつわけではなく、知能が正常な人もたくさんいることから、こうした人では完全なる一人暮らしをすることで自分らしい生活をしたいと考える人も多いです。
実際のところ、脳性麻痺で一般的な賃貸住宅に住み、生活している人はたくさんいます。ただ自分一人だけで生活するのは現実的に無理なので、こうした人は居宅介護(ホームヘルプ)を利用します。朝や夜など、食事介助や洗濯などの手伝いをしてもらうのです。
障害者グループホームとは異なり、毎回同じ人が手伝いをしてくれるわけではありません。そのため意思疎通は少し難しくなりますが、居宅介護を利用することで一人暮らしをしている脳性麻痺の人はそれなりにいます。
しかし単独生活をするとはいっても、低収入であったり準備ができていなかったりする段階では難しいため、障害者グループホームを利用することで、一人暮らしをするための前準備を徐々に進めていくのです。
脳性麻痺で障害者施設は格安で住める
既に一般企業で働いている人には不要ですが、脳性麻痺で障害者グループホーム(共同生活援助)や入所施設(障害者支援施設)を利用するのは普通です。実家に住む人も多いですが、こうした施設の利用ではほとんど支出なしに入居可能です。
身体障害者であれば施設利用が可能であるため、当然ながら脳性麻痺の人は利用の条件を満たしています。そこで障害者手帳に加えて、区分認定と障害福祉サービス受給者証を交付してもらいましょう。
なお利用者の自立を促すのが障害者施設です。そのため将来的には、居宅介護(ホームヘルプ)を利用しつつ完全なる一人暮らしを目指しても問題ありません。
収入ゼロであっても、障害年金だけで生活できる施設が障害者グループホームです。こうした障害者施設を利用して、大人になった後に親元を離れて生活できるようになりましょう。
家賃のほとんどが自治体から助成され、食費や水道光熱費など、必要最低限の出費で住めるシェアハウス形式の施設が障害者グループホームです。介護スタッフが常駐しているため家族の負担はゼロになり、親亡き後問題も解決できる施設となります。
障害者グループホームは一般的に「空きが少ない」といわれています。ただ、それは「担当者が知っている範囲で空きがない」というだけであり、実際には多くの空きがあります。近隣の自治体まで含めれば、すぐに入居可能な障害者グループホームはいくつも存在します。
ただ障害者グループホームによって居住に関するルールは大きく異なり、利用者(障害者)にとって最適な施設を選ばなければいけません。
そこで、当サイトでは完全無料で障害者グループホームを紹介するサービスを日本全国にて実施しています。「いますぐ入居したい」「いまの障害者グループホームから他の施設へ移りたい」「強制退去となり、新たな施設を探している」など、軽度から重度の障害者を含めてあらゆる方に対応しています。