障害者や難病患者について、障害者グループホームを利用するためには、障害支援区分の認定が必要になります。区分認定されることにより、格安にて障害者施設で生活できます。
厳密には、区分認定なしでもグループホームを利用できます。ただその場合、高額な費用支払いが必要になるため、利用する人はほぼいません。または、利用を断られます。
それでは、区分認定を受けるときはどのような申請内容になるのでしょうか。また、どのような区分の人が多いのでしょうか。区分と障害の程度はどのようになっているのでしょうか。
障害支援区分は障害者グループホームを利用するときに非常に重要な内容です。そこで、区分の概要や取得の流れを含めて解説していきます。
もくじ
障害者グループホームの利用で障害支援区分が必要
すべての知的障害者や精神障害者、身体障害者、難病患者について、障害者グループホームを利用するときは障害支援区分を取得しましょう。
入居先となる障害者グループホームを探す前にやるべきことが複数あります。その中に障害者手帳の発行や障害福祉サービス受給者証の受け取り、区分認定などがあります。区分認定を受けることにより、以下のように書類へ記されます。
このケースでは区分3であり、障害区分の種類は1~6まであります。区分1が最も軽く、区分6が最も重症です。
障害者グループホームはあくまでも、介護・福祉施設の一つです。そのため健常者は利用できず、障害者のみ利用できます。その基準として、障害支援区分が存在するのです。区分認定を受けている場合、障害者であると客観的に判断できるのです。
区分が低いと入居を断られるケースがある
そのため区分認定を受けていなかったり、非該当だったりする場合、入居を断られます。これは、グループホームの運営が国からの報酬支払いによって成り立っているからです。非該当の場合は報酬支払いがないため、こうした人は入居できないというわけです。
また、区分1など障害の程度が低い場合についても、入居を断られることがあります。障害の程度が大きいほど必要な補助も増えるため、国から支払われる報酬額が大きくなります。区分1は障害の程度が最も軽く、グループホームに支払われる報酬額も低いのです。
実際のところ、グループホームにはさまざまな障害者が暮らすため、障害の程度が重い人が一人増えても介護職員の負担がものすごく増えるわけではありません。つまり区分1の人を受け入れるよりは、区分3~6の人を受け入れるほうがグループホームの経営は安定します。
障害者グループホームはものすごく儲かるわけではなく、さらには受け入れ数が限られているため、グループホームによっては「区分〇以上の人でないと受け入れていない」などの規定が存在するのは理解しましょう。
・常時医療が必要な場合で断られることもある
参考までに、区分6の人について、常時医療が必要ないなら入居を断られることはほぼありません。グループホームとしては、多くの報酬支払いを受けることができるからです。
一方で常に医療的ケアが必要な重症心身障害者の場合、看護師を雇っていたり、施設の設備が整っていたりする必要があります。この場合は例外的に、断られることがあります。そのため、この場合は医療的ケアが可能なグループホームを選ばなければいけません。
区分認定なしでも利用可能だが高額
なお厳密にいうと、障害支援区分の指定を受けていない場合であっても障害者グループホームを利用できます。障害者の認定を受けているものの、障害区分が非該当の人は存在します。ただこの場合、毎月の利用料金が高額になります。
区分認定を受け、障害福祉サービス受給者証が発行される場合、障害者グループホームを利用するときの障害福祉サービスは基本的に0円です。これについては、以下のように厚生労働省が公開しています。
多くの場合、障害者グループホームに生活する人は生活保護受給者または住民税の非課税世帯です。そのためグループホームのサービス料金は発生せず、必要なのは家賃や食費、水道光熱費などの実費のみです。
ただ区分なしだと、障害者グループホームは国から報酬支払いを受け取れないため、サービスに相当する費用を利用者へ請求することになります。こうして毎月の支払額が数十万円になるため、区分認定なしでもグループホームへ住めるものの、実際のところそのような利用者はほぼいないのが現状です。
どの区分で認定される人が多いのか?
それでは役所で障害支援区分の申請をするとき、どの区分で認定される人が多いのでしょうか。区分1のように障害の程度が小さいと、前述の通りグループホームによっては拒否されることもあるため、どのような区分認定となるのか割合を知っておきましょう。
厚生労働省は障害支援区分の審査判定実績を公開しています。この資料によると、以下のようになります。
区分認定 | 割合 |
非該当 | 0.0% |
区分1 | 1.8% |
区分2 | 19.0% |
区分3 | 21.3% |
区分4 | 18.7% |
区分5 | 14.8% |
区分6 | 24.4% |
※障害支援区分の審査判定実績:2020年
ほかの年もほぼ同じ割合です。そのため知的障害者や精神障害者、身体障害者、難病患者が申請する場合、こうした区分割合になります。
なお非該当と判定される人はいるものの、全体の数からすると非常に少ないため、割合は0.0%となっています。そのため、ある程度の障害を抱えて生活している人であれば、ほとんどの確率で区分認定を受けることができます。
また区分1の認定を受ける人もほとんどいません。障害の程度が低くても区分2や区分3となります。そのため、実際のところ区分が低いことが理由で障害者グループホームの入居を断られるケースはほとんどありません。
ちなみに区分1の人であっても、問題なく国から助成されますし、障害者グループホームは報酬支払いを受け取れます。そのため区分認定を受けたのであれば、過度の心配をする必要はありません。
区分によって障害の程度はどう異なる?
それでは区分の種類により、どれくらい障害の重さが異なるのでしょうか。これについては、実は明確な基準がありません。つまり、「〇〇ができない人は区分4」などのようにはなっていないのです。
言い換えると、障害支援区分は認定調査員による独断や偏見、そのときの気分によって決まります。非常にいい加減な認定なのですが、現状ではそのようになっているのです。
「この人の場合、過去に同じような障害の人ではだいたい区分3なので、今回についても区分3にしよう」というのが実際の判断基準です。そのため認定する調査員が違えば、区分3になることがあれば、区分5になることもあります。
そのため場合によっては、「区分3のAさんよりも、区分4の指定を受けているBさんのほうが障害の程度が軽い」というケースは普通です。
明確な基準が存在せず、人によって判断が異なるケースは行政にありがちですが、区分というのは認定調査員の独断と偏見によって決められていると理解しましょう。
区分認定と障害者施設へ入居する流れ
そこで障害者グループホームへ入居するため、まずは役所へ出向きましょう。障害者施設を利用するためには「区分認定を受ける」「障害福祉サービス受給者証を発行してもらう」という2つが必要になります。
これらの手続きは役所で行うことになるため、まずは近くの役所へ出向くのです。その後、区分認定され、障害福祉サービス受給者証を利用できるようになれば、入居する障害者グループホームを探しましょう。
このときは担当者任せにすると、何年も入所できないのが普通です。そこで、自ら空きのあるグループホームを探すとすぐに見つけることができるのでおすすめです。
こうした流れにより、障害者はグループホームで格安にて生活できるようになります。ただ区分認定を受けるとき、2か月ほどの時間がかかることもあるため、すぐに障害者施設で生活できるわけではありません。そこで早めに申請し、区分認定を受ける必要があります。
区分認定は障害者グループホームの利用で必須
障害者にとって格安で住める障害者グループホームですが、空きのあるグループホームを探す前に必ず区分認定を受けなければいけません。
障害区分が存在する人を受け入れることにより、グループホームは国から報酬支払いを受けることができ、運営を成り立たせることができます。そのため、まずは役所へ出向いて障害支援区分の申請をしましょう。
なお障害が軽く、区分が低いとグループホームによっては断られることがあります。ただ実際のところ、非該当や区分1となるケースは非常に少ないため、ある程度の障害がある人であれば、問題なくグループホームを利用できます。
グループホームの利用で障害区分は非常に重要です。区分認定を受けるには2か月ほどの時間がかかることもあるため、グループホームの利用を考えている場合、早めに申請しましょう。
家賃のほとんどが自治体から助成され、食費や水道光熱費など、必要最低限の出費で住めるシェアハウス形式の施設が障害者グループホームです。介護スタッフが常駐しているため家族の負担はゼロになり、親亡き後問題も解決できる施設となります。
障害者グループホームは一般的に「空きが少ない」といわれています。ただ、それは「担当者が知っている範囲で空きがない」というだけであり、実際には多くの空きがあります。近隣の自治体まで含めれば、すぐに入居可能な障害者グループホームはいくつも存在します。
ただ障害者グループホームによって居住に関するルールは大きく異なり、利用者(障害者)にとって最適な施設を選ばなければいけません。
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