知的障害者や精神障害者、身体障害者、難病患者がグループホームを利用するとき、気になるのが外出です。自由に外出できないとなると、非常に息苦しくなります。

これについては、すべての障害者について自由に外出できます。障害者を施設内に閉じ込めるのは虐待であるため、すべてのグループホームについて外出は可能です。逆にいえば、いつでも脱走可能な状態ともいえます。

なお障害者によっては、自分だけの力で外出できないこともあります。この場合は外出支援を利用できますし、グループホームが開催するイベントへの参加によって外出することも可能です。

それでは、障害者グループホームでの外出はどのようになっているのでしょうか。外出するときのルールや内容を確認していきます。

すべてのグループホームで外出は自由

日中を含めて玄関に鍵をかけ、障害者が外に出られないようにしているグループホームは通常だと存在しません。理由なしの外出禁止は虐待と同じであり、最悪のグループホームといえます。

要は、法令を無視しているグループホームを除き、すべてのグループホームで外出は自由です。もちろん、一人で外出して問題ありません。グループホームは自分の家と同じであるため、外出禁止とはならないのです。家族や友人がグループホームに来ても問題ありません。

もちろん認知症の症状があったり、重度の障害があったりする場合、一人で自由に外出するのは現実的ではありません。ただ軽度の知的障害者・精神障害者であれば、外出で制限なしなのが当然です。

このとき、以下のように外出先は人によってバラバラです。

  • コンビニ
  • スーパー
  • 公園
  • 映画館

以下はグループホームの利用者が外出するときの様子ですが、このように自転車へ乗ってどこかへ行く光景はよくあります。

参考までに、男性の利用者であれば、風俗店へ行く人もいます。ピンクチラシを持って帰ってきたため、こうした店へ行っていたことが判明したわけですが、いずれにしてもグループホームのスタッフが障害者の行動を制限することはできません。

もちろん前述の通り、認知症が進行しているなど、一人での外出が危険なケースもあります。この場合はスタッフと一緒の外出になりますが、そうでない場合、外出は自由です。

グループホームには食事や門限の時間がある

ただグループホームが自宅とはいっても、障害者施設ではルールがあります。どのグループホームも食事の時間がありますし、門限を設けているのが普通です。例えば、以下のようになります。

  • 昼食:12:00
  • おやつ:15:00
  • 夕食:18:00
  • 門限:22:00

基本的には、どの利用者も食事や門限までには戻ることになります。またグループホームは障害者たちで共同生活を送る場所であり、以下のように全員で食事をすることがひんぱんにあります。

もちろん、「特殊なインフルエンザが蔓延している」「感染症で非常事態宣言が出されている」などの場合は外出禁止になります。ただ、そうした特殊なケースを除き、時間を守れば、障害者の意思で外出するのは自由というわけです。

外出の事実がわかるようにする必要がある

なお障害者施設では介護職員が24時間体制で支援することになります。そのため、スタッフが利用者の状況を把握しなければいけません。

そのため多くの場合、障害者グループホームでは「利用者が外出していることがわかる仕組み」を導入しています。例えば以下は、「何時にどこへ外出し、何時くらいに戻ってくるのか」を記入するホワイトボードです。

部屋に障害者がいなくても、ホワイトボードを見れば誰がどこに外出しているのかわかります。

なお人によっては、スタッフに行き先や帰る時間を伝えて外出する障害者もいます。これについては、どちらの方法であっても問題ありません。

戻ってこない場合、事態が深刻になる

ただ自由に外出できるため、場合によっては時間になっても戻ってこないケースがあります。よく言えば外出自由ですが、悪くいえば、いつでも脱走可能なのです。

外出なのか脱走なのかについては、利用者本人の状況にもよるため、判断は難しいです。ただいずれにしても、時間になっても戻ってこないケースは存在します。

次の食事時間や門限までに戻ってこない場合、職員が近隣を探すことになります。近くの公園や川辺などに利用者が出向いていることはよくあるからです。

ただ見つからない場合、親など家族へ連絡することになります。場合によっては、警察に依頼することで捜索してもらうこともあります。知的障害者や精神障害者、身体障害者、難病患者は自由に外出できるものの、門限を守らなければ事態は非常に深刻になってしまうのです。

外出時は気分が穏やかであっても、外出先で急に気分の落ち込みがあって動けなくなっているかもしれません。これについては状況によって異なりますが、いずれにしても食事前や門限までに戻らない場合は職員が探しに出ることになります。

なお時間までに戻らない場合、スタッフが捜索しなければいけないのでほかの利用者のケアができなくなりますし、浴室が共同利用の場合はお風呂の順番が崩れます。行方不明になると多大な迷惑がかかるため、外出は自由でも身勝手な行動な禁止されています。

外出困難な場合、移動支援サービスを利用可能

なお場合によっては、自分の意思で自由に動くのが難しいケースもあります。要介護度が大きい方や難病患者など、人によっては自分の意思で外出するのは厳しいです。

そうしたとき、移動支援サービスを利用できます。移動支援サービスを利用することにより、以下が可能になります。

  • 外食へ行く
  • 冠婚葬祭への出席
  • 美容院の利用
  • イベントや講演への出席

行政から「一人での外出が困難」と認定されれば、障害福祉サービスの受給者証に移動支援サービスが記されることになります。

ただ原則、移動手段は公共交通機関が想定されています。「移動支援のヘルパーが車を運転し、目的の場所に連れて行ってくれる」ということはできません。また、ヘルパーの交通費は利用者の全額自費での負担になります。

金銭面の負担により、月に何度も利用できる制度ではありません。経済的に余裕があるならいいですが、そうでない場合は「どうしても必要なときに利用する」というサービスになります。

障害者施設の利用者全員での外出は普通

なお外出支援という意味では、イベント時にグループホームの介護スタッフによって、外に連れ出してもらうのは普通です。こうした外出はレクリエーションや行事イベントの一環として行われます。例えば以下は、グループホームの利用者全員で出かけ、ボール蹴りをしている様子です。

なお、たとえ障害が重く区分5〜6であっても、スタッフの力を借りて出かけることはよくあります。以下は近くの公園へ出向いたときの様子です。

買い物同行などはグループホームの職員の支援内容ではありません。ただイベントとして障害者施設の外へ出向くことはよくあるのです。

毎週、こうした外出支援やイベントがあるわけではありません。また、グループホームによって行われるイベントは異なります。そのため外出支援を気にする場合、どのようなレクリエーションや行事イベントがあるのか確認するのは重要です。

家族や友人との外出や外泊は好きにすればいい

なお場合によっては、家族と一緒に外出または外泊をするケースもあります。前述の通り、グループホームは障害者にとって家と同じです。そのため介護職員に対して事前に伝えているのであれば、自由に外出や外泊をして問題ありません。

これは友人についても同様です。友人の付き添いのもと、旅行・外泊するのであれば可能です。連絡なしに外泊をすると、事件・事故に巻き込まれたと考え、介護職員は慌てます。ただ事前に連絡するのであれば、一緒の外出・外泊が可能なのは家族だけでなく、友人も同様です。

なおグループホームという性質上、単独での外泊はほぼ認められません。またルールを超えての長期外泊も認められません。

ただグループホームによっては、長期の外泊を含めて認めているケースがあります。これについては障害者施設によって対応が異なるため、入居を希望する場合は事前に確認するといいです。

・外食をする場合は事前に連絡するべき

家族や友人と一緒に外出するとき、場合によっては外食をします。外食をすると事前にわかっているのであれば、障害者施設のスタッフへ連絡しましょう。

グループホームでは、どこも昼食代や夕食代が必要になります。介護職員は「食事が必要」と考えて用意しているため、事前に伝えていない場合は当日分を用意することになります。つまり、食事していないにも関わらず食費が加わります。

いずれにしても、外泊は当然として、外食を伴うときは外出日よりも前にスタッフへ伝えておく必要があります。

障害者施設の利用者は自由に外出できる

障害者グループホームの利用者はすべて、自由に外出できます。外出できないように閉じ込める場合、それは最悪な障害者施設であり、通常はそういう施設は存在しません。

ただルールなしに自由に外出できるわけではありません。外出時は介護職員へ知らせる必要があり、例えばホワイトボードを利用したり、直接伝えたりする必要があります。

連絡なしに食事の時間に現れなかったり、門限の時間を過ぎてしまったりすると、スタッフは慌てます。連絡は家族に行きますし、場合によっては警察を巻き込む騒動になります。そのため、時間を守るのは重要です。

知的障害者や精神障害者、身体障害者、難病患者にとってグループホームは家であるものの、ルールがあります。こうしたルールを守る必要があり、ルールを守っているうえでは自由に外出可能です。

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