知的障害者や精神障害者であれば、グループホームを利用することにより、低価格にて住むことができます。

ただ障害者や家族にとって、気になるのは「どのような部屋に住むことになるのか?」です。グループホームによって間取りは異なるものの、ワンルームまたはシェアルームの一室に住むことになります。部屋の面積は7.43m2以上と小さいですが、プライベートは確保されます。

なおトイレやお風呂が共同であることは多いです。また、それぞれの部屋に鍵があるかどうかもグループホームによって異なります。

それでは、グループホームの個室の内部はどのような様子なのでしょうか。実際の障害者グループホームについて、さまざまな部屋の内部を提示しながら解説していきます。

大部屋ではなく、普通のグループホームは個室

病院の病室であれば、大きなエリアに何人もの患者が入っており、カーテンだけで仕切られている状態となるのが普通です。病院で個室を利用する人はほぼ存在しません。病院では個室利用料がかかり、その分だけ大幅に値段が高くなるからです。

一方でグループホームでは、病院と同様に大部屋となっていることはほぼありません。原則、グループホームは個室です。以下は実際のグループホームの一室です。

知的障害者や精神障害者が入居するグループホームというのは、それぞれの障害者のプライベートがほぼ守られると理解しましょう。

一戸建てやアパートなど、タイプによって間取りが異なる

それでは、障害者グループホームはどのような部屋になるのでしょうか。入居する個室については、一戸建てなのか、それともアパート・マンションなのかによって間取りが大きく異なります。

グループホームでよくあるパターンは一戸建てです。以下は実際の障害者グループホームですが、見た目は普通の一軒家です。

また、玄関は以下のようになっています。

シェアハウスと同じであり、一戸建ての家に存在する一つの部屋に障害者が住むことになります。

それに対して、アパートやマンションが障害者グループホームとして運営されているケースもあります。例えば、以下はアパートタイプの障害者グループホームです。

参考までに、入り口は以下のようになっています。

グループホームで障害者が住む個室については、一戸建てもアパート・マンションも大きな違いはありません。ただ、こうしたタイプの違いがあることを理解しましょう。

障害者が住む部屋は普通の個室やワンルーム

このとき一戸建てであれば、前述の通りシェアハウスと同じであるため、障害者は複数ある部屋の一つに入居することになります。和室や洋室などの違いはありますが、以下のような普通の部屋です。

すべての個室について、面積は大きくなく普通です。障害者が国や自治体から補助を受けて格安で生活できる施設がグループホームであるため、当然ながら面積の大きい部屋を期待することはできません。具体的には、一つの居室について7.43m2以上と定められています。

このとき一戸建てであれば、例えば以下のような間取りになります。

このように、シェアハウスの一室に住むのと同じ状況になります。なお一戸建てではなく、アパート・マンションであれば、専用のトイレやお風呂がついたワンルームに住むことになるケースがあります。この場合、例えば以下のような構造になります。

なおアパート・マンションであっても、戸建てと同様にシェアハウス形式になっているケースは多いです。この場合、一人でワンルームを利用するわけではなく、さまざまな人が共同で生活する空間の一室を利用することになります。

ワンルーム以外だと、トイレやお風呂は共同利用が多い

なおアパートやマンションでワンルームに住む場合、前述のようにそれぞれの部屋にトイレやお風呂が存在します。この場合はほかの人が利用するお風呂の時間を待つ必要はありませんし、トイレが混むこともありません。

ただ一戸建てでは先ほど解説した通り、シェアハウスと同じ形式になります。またアパート・マンション形式であっても、トイレやお風呂が共同利用となるケースが多いです。

共同利用の場合、基本的には決められた順番通りにお風呂へ入ることになります。なお以下は障害者グループホームの浴室であり、見ての通り設備は普通です。

参考までに、以下は障害者グループホームのトイレです。

多くの場合はワンルームではないため、こうした共同施設を利用します。

鍵の存在はグループホームによって異なる

このとき、個室の鍵はどうなるのでしょうか。ワンルームであれば当然ながら鍵付きです。一方でシェアハウスと同じ形式の場合、それぞれの部屋に鍵があるかどうかはグループホームによって異なります。

鍵があるグループホームの場合、利用者は内からも外からも鍵をかけることができます。そのためプライバシーは守られますし、ほかの利用者が部屋に入ってくることはありません。同じ鍵を施設の管理者も持っているため、鍵付きであれば緊急時であっても部屋に入ることで対応できます。

夜に利用者の部屋の鍵を閉めることについて、見方によっては「部屋に閉じ込めて外に出さないようにしている」と感じる人がいるかもしれません。ただ利用者は内から自由に鍵を開けることができるため、これについては大きな問題ではありません。

一方、個室に鍵のないグループホームもあります。この場合、管理者が自由に入れるので緊急時により対応しやすいです。ただ、ほかの利用者が入ってくるリスクもあります。

リビング(交流スペース)やスタッフの事務室がある

これら障害者グループホームの特徴として、リビング(交流スペース)やスタッフの事務室があります。グループホームには複数の障害者が共同生活をします。そのため、例えば食事のときはリビングに全員が集まります。

軽度の知的障害者や精神障害者でワンルームを利用して生活している場合、自分で食事を作り、ひとりで食べるケースもあります。ただ共同生活を送るとき、一緒に食事をすることはよくあります。

なお場合によっては、スタッフに食事を作ってもらうだけでなく、レクリエーションの一環として障害者たちでリビングに集まり、一緒に食事を作ることもあります。以下は昼ご飯を利用者で作成したときの様子です。

どのグループホームにも交流スペースとしてリビングがあります。リビングを利用することにより、障害者はほかの人と交流を深めることができます。

またグループホームの間取りの特徴として、事務室があります。介護職員や夜勤対応の人が事務室を利用することにより、いつでも対応できるようにするのです。

グループホームの外でも交流し、自立した生活を送るのは重要

障害者グループホームで重要なのは部屋の中だけではありません。部屋の外も重要です。共同生活を送る施設がグループホームであるため、ほかの人とどのような交流ができるのか確認しましょう。

例えば以下は、一戸建てのグループホームについて、全員で庭のそうじをしている様子です。

職員がすべてそうじをするのではなく、障害者がそうじをすることにより、自立を図ることができます。また以下は、グループホームの利用者で近くの公園へ出向いたときの様子です。

グループホームを選ぶとき、どうしても間取りや部屋の面積、設備などに着目しがちです。ただそれだけでなく、庭や近くの公園も確認するといいです。

一般的なグループホームの部屋・個室を学ぶ

グループホームによって間取りは大きく異なります。このとき、グループホームのタイプには一戸建てとアパート・マンションがあります。

通常、グループホームはシェアハウスと同じ形式で住居が提供されます。つまり、グループホーム内に存在する個室の一つに寝泊まりすることになります。稀に専用のトイレやお風呂がついたワンルーム形式は存在するものの、通常はシェアハウス形式が多いです。

なお、どのグループホームも部屋は大きくなく、面積は当然ながら小さいです。ただ、一人で生活するには十分な広さです。このとき、鍵の有無はグループホームによって違ってきます。

グループホームは知的障害者や精神障害者が共同生活する施設です。こうした施設への入居を考える場合、部屋のタイプを学び、どのような部屋で生活することになるのか事前に確認しましょう。

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家賃のほとんどが自治体から助成され、食費や水道光熱費など、必要最低限の出費で住めるシェアハウス形式の施設が障害者グループホームです。介護スタッフが常駐しているため家族の負担はゼロになり、親亡き後問題も解決できる施設となります。

障害者グループホームは一般的に「空きが少ない」といわれています。ただ、それは「担当者が知っている範囲で空きがない」というだけであり、実際には多くの空きがあります。近隣の自治体まで含めれば、すぐに入居可能な障害者グループホームはいくつも存在します。

ただ障害者グループホームによって居住に関するルールは大きく異なり、利用者(障害者)にとって最適な施設を選ばなければいけません。

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