障害者グループホーム(共同生活援助)の経営では、定員やユニットについて理解しなければいけません。開業した後は関係ないですが、開業前や棟数拡大を考えるとき、定員やユニットを理解するのは重要です。
建物の構造によってユニットが異なります。またユニットが違えば、必要な人員配置や得られる報酬も違います。
それでは、障害者グループホームの定員やユニットはどのようになっているのでしょうか。共同生活援助での開業や増設で重要になる定員・ユニットについて解説していきます。
もくじ
障害者グループホームのユニットとは
まず、ユニットとは何でしょうか。ユニットとは、「利用者が生活するために必要な設備が整っている建物の単位」を指します。
人が生活するためには、居室だけでなくトイレや浴槽、洗面所、台所、食堂などが必要です。これらは共有スペースであることはよくあるものの、共有でもいいのでこれらの場所がないと人は生活できません。
そこで、リビング・キッチン・トイレ・浴室を有する生活単位をユニットといいます。
例えば4人定員の一軒家を用いて共同生活援助を運営する場合、その一軒家が1ユニットになります。一軒家にはリビング・キッチン・トイレ・浴室が必ず1つ以上あるため、障害者は施設内で生活可能です。
共同生活援助の定員は決まっている
このとき、ユニットごとの定員は決まっています。1ユニットあたりの定員は2~10人です。障害者グループホームは少人数の障害者を支援する形態であるため、大人数を一つの施設に入れることはできません。
なお、事業所の定員は4人以上にしなければいけません。同じ建物ではあるものの、複数のユニットが存在するのは一般的であり、例えば「3LDKのアパートを3部屋利用して共同生活援助を運営する」などになります。
もちろん、他にも「部屋の広さは7.43m2以上」「利用者たちで交流できる設備を設ける」などは必要です。ただ、いずれにしても障害者グループホームの定員とユニットはこのようになっています。
建物の形態で異なるユニットの数
一軒家や2~3のアパートを利用して障害者グループホームを運営する場合、ユニット数をあまり気にする必要はありません。一方で大きめの建物を活用して共同生活援助を運営する場合、ユニット数の考え方を理解する必要があります。
例えば定員10人の建物(2階建て)は共同生活援助の中では大きいです。このとき、建物の構造によってユニット数が異なります。以下のようになります。
- 共有スペースが1つ:ユニット1つ
- 1階と2階が独立し、それぞれに共有スペース:ユニット2つ
建物で利用者の人数が多い場合、どのようにユニットの数を把握すればいいのか理解しましょう。
人員配置や報酬などはユニットで異なる
なぜユニット数が重要かというと、人員配置や報酬がユニット数で異なるからです。そのため開業時や棟数拡大のとき、ユニット数を聞かれるのは一般的です。
【人員配置】
それぞれのユニットごとに世話人や生活支援員の配置が必要となります。そのためユニットが異なる場合、職員の配置を考えなければいけません。
【報酬】
夜間支援体制加算では、ユニットごとに平均利用者を算定します。そのためユニットごとに算定額が異なるケースがあります。
【施設基準】
障害者グループホームの運営では、消防法などの法律を守らなければいけません。そうしたとき、ユニットが違えば災害時の避難経路なども変わり、そうした確認が必要になります。
定員とユニットを学び、共同生活援助を運営する
開業時や増設のとき、役所で申請することで許可を得なければいけません。そうしたとき、障害者グループホームの定員やユニットの概念を学ぶといいです。
障害者が生活するための単位がユニットです。そのため居室が複数あるとはいっても、ユニットにははリビング・キッチン・トイレ・浴室が必ず存在しなければいけません。なお、ユニットの定員は2~10人となります。
同じ建物であってもユニットが異なるのは普通です。ユニットが違うと人員配置や報酬が変わるため、明確に認識しなければいけません。
開業や棟数拡大では、行うことが非常に多いです。また、定員やユニットの概念を知っていないとうまくオープンできないケースもあります。そこで、共同生活援助のルールを理解してグループホーム経営をしましょう。