障害者グループホーム(共同生活援助)を運営しているとき、利用者の入居や退去があるのは一般的です。場合によっては、他のグループホームから利用者が移ってくることもあります。反対に、他のグループホームへ引越しすることもあります。
そうしたとき、気になるのは国保連への請求方法です。利用者(障害者)の引越し日について、どのように請求すればいいのか理解しなければいけません。
共同生活援助では、引越し日であっても国保連へ請求して問題ありません。そこで、どのように考えて請求すればいいのか解説していきます。
もくじ
引越し日(入居日・退去日)も算定可能
主に夜間から朝まで利用者(障害者)の支援をする施設が障害者グループホームです。このとき、利用者の入居日や退去日についても、国保連へ請求して問題ありません。
入居日や退去日では、他の利用者に比べて支援する時間が少ないです。ただ、たとえ支援する時間数が少なかったとしても、時間数に関係なく入居日や退去日について報酬を算定可能です。
支援する時間が短いため、入居日や退去日に報酬算定してもいいのか悩む経営者は多いです。ただ、障害者グループホームで引越し日に請求するのは問題ありません。
家賃は日割り計算となる
なお多くの場合、月の途中に引越しすることになります。このとき、入居でも退去でも家賃は日割り計算にしましょう。
障害者グループホームでは、食費や家賃を含めて過大請求が禁止されています。そのため、月の途中に入居(または退去)となったにも関わらず、ひと月分の家賃を請求するとなると、明らかな過大請求となって問題です。
一方で過大請求でなければ、利用者に食費や家賃を請求するのは何も問題ありません。そのため、家賃支払いは日割り計算するのです。例えば月の途中に入居し、その月は20日を障害者グループホームで過ごすのであれば、家賃3万円の施設は2万円を請求します。
- 3万円 ÷ 30日(月の日数) × 20日(利用日数) = 2万円
こうして、過大請求なしにて障害者へ家賃を請求できます。
グループホーム間の転居でも算定可能
なお場合によっては、他の障害者グループホームから利用者が移ってくることがあります。反対に他の障害者グループホームへ転居することもあります。この場合、どのように考えればいいのでしょうか。
グループホーム間の転居についても、基本報酬などは請求可能です。つまり、両方の障害者グループホームで請求して問題ありません。一方の事業所は入居日となり、もう一方の事業所は退去日となりますが、両事業所で請求できるのです。
例えば、以下は古河市が公表している内容です。
このように、他のグループホームへ引越しした場合であっても両事務所で請求可能と記されています。
ただ引越し先の障害者グループホームが同一敷地内や隣接地などであるケースがあります。子の場合、移動後の共同生活援助でのみ報酬の請求が可能になります。
特定障害者特別給付費(補足給付)の家賃補助はどうなる?
なお障害者グループホームの引越しで考えるべき項目に家賃補助もあります。共同生活援助を利用する障害者の多くは低所得者であり、住民税の非課税世帯(または生活保護)です。この場合、特定障害者特別給付費(補足給付)として家賃補助を得られます。
たとえ途中で障害者グループホームを移動したとしても、国から支給される家賃補助は月1万円までとなります。
なお一般的には、先に入居していた障害者グループホームに対して優先的に補足給付1万円が支払われます。もし残額があれば、残りについて転居先の障害者グループホームに家賃補助の分が支給されます。
ただ利用者にとってみると、家賃負担は日割り計算になるし、国からの家賃補助の金額も同じであるため、負担金額は変わりません。さらに補足給付は共同生活援助へ支払われるため、グループホーム間で補足給付の受け取りについて利用者の転居時に話し合いましょう。
利用者の引越し時の請求方法を学ぶ
障害者が入居するときは退去するときなど、引越し時であっても障害者グループホームは国保連へ請求できます。時間数に関係なく、入居日や退去日についても請求して問題ないのです。
これは、障害者グループホーム間で引越しをする場合も同様です。他の共同生活援助へ移るのは一般的であり、このときは両事業所で入居日と退去日について基本報酬を請求できます。ただ、同じ敷地や隣接事務所では、引越し先の事業所のみで請求となります。
また家賃については、過大請求を避けるために日割り計算での請求になります。このとき、補足級による家賃補助も考慮して請求しましょう。
障害者グループホームで利用者の受け入れや退去により、引越しをするときは適切な請求方法があります。そこで、正しい請求方法を理解して報酬算定しましょう。