障害者グループホーム(共同生活援助)で必須となる資格者がサービス管理責任者(サビ管)です。サービス管理責任者を配置しないと、障害者グループホームをオープンできません。

サービス管理責任者について、1人が見れる利用者の人数は決まっています。ただ世話人・生活支援員との兼務は可能であり、サービス管理責任者が現場に入って実際に利用者を密に支援しているのは普通です。

それではサービス管理責任者について、配置基準や兼務の内容、勤務時間はどのようになっているのでしょうか。共同生活援助で必須となるサービス管理責任者の内容について確認していきます。

必須となるサービス管理責任者

障害者グループホームで働く介護スタッフは通常、資格は不要です。事実、無資格にて障害者グループホームで働いている人は非常にたくさんいます。

ただ障害者グループホームで唯一、必要になる資格にサービス管理責任者がいます。サービス管理責任者(サビ管)がいないと障害者グループホームを開業できません。障害者グループホームの運営を行うとき、開業や棟数拡大で最も難しい事柄の一つがサービス管理責任者の確保です。

経営者がサービス管理責任者の資格を保有している場合、わりとスムーズに開業できます。ただ、そうでない場合はサービス管理責任者の確保に苦労しやすいです。

利用者30人につき1人のサビ管が必要:非常勤でも可

なお障害者グループホームは配置基準を必ず守らなければいけません。共同生活援助では、1人のサービス管理責任者につき、利用者(障害者)を30人まで見れます。仮に定員5人の棟を作る場合、6棟目までは1人のサビ管で十分です。

  • 定員5人 × 6棟 = 30人

ただ棟数拡大を行い、利用者の人数が増えて31~60人となった場合、サービス管理責任者は2人必要になります。

なお必ずしも常勤である必要はなく、サービス管理責任者は非常勤(パート・アルバイト)であっても可能です。サービス管理責任者のみ可能な仕事は多いものの、パートとして週1~2日の勤務であっても問題ありません。

配置がないと大きな減算となる

ただ実際に開業した後、サービス管理責任者が辞めてしまうケースがあります。サービス管理責任者が不在となっても、1か月以内に新たに採用するなど、すぐに補充できるのであれば特に影響はありません。

しかし、長期間にわたってサビ管不在の状況が続くと減算になります。具体的には、サビ管不足の翌々月から減算です。例えば4月にサビ管が辞めて不足状態となった場合、6月(不足の翌々月)からら減算であり、サビ管不足が解消されるまで減算が続きます。

サビ管不足による減算の内容は以下になります。

  • 減算適用から4か月目まで:全体報酬の30%減算
  • 減算適用から5か月以上:全体報酬の50%減算

実際のところ、障害者グループホームは利益率が高くありません。そのため減算30%となると、ほぼ確実に赤字経営となります。そのためサービス管理責任者の継続した配置は必須であり、開業後もサビ管の配置基準を満たす必要があります。

サビ管は世話人や生活支援員と兼務可能

なお障害者グループホーム(共同生活援助)の運営では、サビ管だけでなく世話人や生活支援員についても配置しなければいけません。そうしたとき、サービス管理責任者は業務に支障がない限り、世話人や生活支援員との兼務が可能です。

むしろ、多くのケースでサービス管理責任者は利用者(障害者)と積極的に関わり、現場で支援を行います。そのため、サビ管が世話人・生活支援員を兼務するのは普通です。

特に常勤のサービス管理責任者では、世話人と生活支援員と兼務することで、世話人・生活支援員に関する配置基準も満たすようにする必要があります。

勤務時間に関する計算方法の例

それでは、サビ管が世話人や生活支援員を兼務するとして、どれだけの時間についてサービス管理責任者として働けばいいのでしょうか。明確な基準はありませんが、利用者の人数をもとに勤務時間を算出する方法があります。

配置基準や加算について、前年の利用者数をもとに計算する方法が広く利用されています。そこで、前年の利用者数をもとにしてサビ管の勤務時間をざっくりと把握しましょう。

前述のとおり、1人のサビ管は30人の利用者を見れます。また労働時間が週40時間として、前年の利用者が6人の場合、週8時間はサービス管理責任者として働いている人がいれば十分です。

  • 週40時間 ÷ 30人 × 6人(前年利用者) = 週8時間

あくまでも目安ですが、こうした勤務時間によってサビ管として活動することにより、利用者の個別支援計画の作成を含めて利用者の支援を行える費用になります。

・自治体によって判断が異なる

なお実際のところ、障害福祉サービスは自治体によって判断が異なります。そのためサビ管と他の職種を兼務する場合、あなたが共同生活援助を開設している自治体について、サービス管理責任者の勤務時間をどのように調節すればいいのか確認しましょう。

障害者グループホームで必須となるサビ管

基本的に障害者グループホーム(共同生活援助)で資格者は不要であるものの、サービス管理責任者だけは非常に重要な資格者となります。サビ管がいない場合、障害者グループホームを開業できませんし、継続も難しくなります。

もしサービス管理責任者が不足した場合、減算となります。非常に大きな減算となり、サビ管不足の状態が解消しないと赤字経営になります。

ただ、サビ管は世話人・生活支援員など他の職種と兼務可能です。また常勤である必要はなく、サビ管は非常勤(パート・アルバイト)であっても問題ありません。

障害者グループホーム経営でサビ管の確保は重要です。そこで配置基準や兼務の内容、勤務時間を把握して適切にサービス管理責任者を配置しましょう。