知的障害者や身体障害者、精神障害者であっても、結婚や育児をするのは普通です。このとき、子供を保育園に預けることに多くの人が苦労します。
ただ障害者手帳があれば、認可保育園へ入りやすくなります。障害者手帳があることに加えて、病気であることを証明する医師の診断書を利用することにより、たとえフルタイムで働いていなくても点数の大幅な加点があるのです。
それに加えて、保育料の減免・補助を利用しましょう。障害者手帳があると、シングルマザー(またはシングルファーザー)と同様に保護世帯となります。そのため、保育料の半額や無料などが可能なのです。
自治体によって支援制度の内容は異なります。そこで、どのように障害者手帳を用いて保育園での優遇措置を得ればいいのか解説していきます。
もくじ
保育園に入るには親の点数稼ぎが重要
認可外保育園を利用する場合、空きがあるケースはよくあります。認可保育園に比べて費用は高くなるものの、いますぐ入れることはよくあります。
一方で認可保育園となると、既に知っている通り親による点数稼ぎが必要になります。世界的に見ても意味不明な制度ではありますが、そのように決まっている以上、親は他の人よりも点数を多く稼いで認可保育園へ優先的に入れるように努力しなければいけません。
一般的には、両親ともフルタイムで働いていたり、シングルマザー(またはシングルファーザー)であったりする場合、優先的に認可保育園へ入れます。こうした人たちは加点されやすいからです。
一方で知的障害者や精神障害者、身体障害者、難病患者である親についても、大幅な加点があります。親が障害者手帳を保有する場合、その事実によって子供を認可保育園に入れやすくなるのです。
自治体によって異なるが加点が存在する
このとき、自治体によって加点の程度は異なります。自治体によっては障害者に厳しいケースがありますし、別の自治体では障害者手帳の等級が軽くても大幅加点となるケースもあります。これについては、あなたが住んでいる自治体によって変化します。
例えば以下は新潟県上越市の入園児の選考基準です。
障害者手帳の等級や種類によって異なりますが、このように障害者手帳を保有していることで大幅な加点を期待できるとわかります。親のうち、夫または妻のどちらかが障害者であれば、それだけで子供の保育園への入園は認められやすくなります。
いずれにしても身体障害者手帳や療育手帳、精神障害者保健福祉手帳があれば有利です。
- 身体障害者手帳:体の機能に障害のある人
- 療育手帳:知的障害のある人
- 精神障害者保健福祉手帳:精神障害のある人
なお精神障害者が有利なのか、それとも身体障害者が有利なのかは自治体によって異なります。例えば、精神障害者保健福祉手帳3級というように精神障害者で最も軽い等級であっても最高加点になる自治体があり、この場合は精神障害者で有利です。
ただ基本的には、障害者手帳を保有している時点で多くの加点が存在するため、保育園入園で有利になると考えましょう。
医師の診断書を取得してさらに加点する
また障害者の場合、さらなる点数の加点が可能です。先ほどの表を見てわかる通り、基本的にどの自治体でも「疾病」に関する加点があります。
この自治体の評価表について、「常時入院状態または寝たきり」に該当する人はほとんどいないと思います。一方、「保育が困難な状態」の人は障害者だとすべての人が該当します。
どのように保育が困難であると提示するのかというと、医師の診断書を利用します。保育園用の診断書に対して、医師に記載してもらいましょう。また、具体的にどのように自宅での保育が困難になっているのか診断書に記してもらうと優れます。
障害者手帳と疾病による加点は強力であり、両親がフルタイムで働いている場合よりも加点が大きくなるのが普通です。そのため、障害者手帳があれば他の親よりも子供が保育園に入りやすいのです。
保育料の減額措置を利用する
なお認可保育園は自治体から補助をもらっています。そのため、場合によっては保育料の減額措置を利用できます。障害者手帳を保有している場合、減額措置の対象になります。
例えば以下は、東京都江東区での保育料減額の対象者です。
このように、身体障害者手帳1~2級が対象になり、それなりに重度の身体障害者のみ減額となります。一方で精神障害者は精神障害者保健福祉手帳1~3級とすべての精神障害者が対象になっており、身体障害者よりも精神障害者のほうが有利になっています。また、知的障害者についても多くの人が対象となっています。
いずれにしても、障害者手帳(身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳)があれば認可保育園に入りやすくなるだけでなく、保育料が大幅に少なくなります。
また同一世帯内にこうした手帳をもつ人がいればいいです。そのため「障害のある親」の場合に限らず、子供に障害児がいる場合も通常は保育園の減額・補助が適用されます。
基準や減額の金額(半額・無料)は自治体によって異なる
なお減額となる基準については、自治体によって異なります。そのため、あなたや子供が保有する障害者手帳について、減額の対象になっているかどうか自治体に確認しましょう。
またどれだけ減額になるのかについても自治体によって異なります。多くは半額または無料ですが、無料になるにしても「○人目の子供から無料」など基準が違います。いずれにしても、自治体への確認が必要になります。
なお実際に保育料の減額申請を行う場合、以下のような書類に記載することになります。
申請をしないと減額・補助の対象にはなりません。障害者手帳の保有者が家族にいる場合、保育料の減額が可能であることを理解して、早めに申請しましょう。
保育園の利用で障害者手帳は有利になる
障害者手帳を保有する場合、親が健常者である場合よりも有利になりやすいです。たとえ両方がフルタイムで働いていなくても、障害者であることで大幅な点数の加点があるからです。
また障害者である場合、保育が困難な状態であると訴えることができます。そこで保育園用の診断書を入手し、医師に記載してもらいましょう。これにより、家での育児が困難であると客観的に提示できるようになります。
それに加えて、保育料の減額・補助の申請を行いましょう。障害者手帳の等級や自治体の基準によって異なりますが、保育料が半額や無料などになります。
正しく障害者手帳を利用すれば、有利に保育園へ入園でき、さらには保育料が安くなります。障害者手帳を保有する場合、これらの仕組みを積極的に活用しましょう。
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