障害者の場合、多くの人が利用する外出支援サービスとして同行援護・行動援護・移動支援があります。これらのサービスにより、障害者であっても外へ出て活動できるようになります。
ただ、同行援護・行動援護・移動支援には対象外となる利用項目があります。例えば通勤や通学、通所、飲酒、ギャンブルなどがこれに該当します。「通年かつ長期にわたる外出」「社会通念上、不適当な外出」に該当すると利用不可になります。
しかし、自治体によってはこうした外出目的であっても問題なく利用できるケースもあります。
それでは、同行援護・行動援護・移動支援で利用対象外となる活動には具体的に何があるのでしょうか。対象外となる利用項目やその例外について解説していきます。
もくじ
外出支援での対象外項目
障害福祉サービスを含めて、障害者の外出支援サービスはすべての項目で利用できるわけではありません。利用対象外となる項目も存在します。例えば、以下になります。
- 経済活動に関する外出:通勤や勤務、営業活動など
- 宗教活動や政治的活動
- 社会通念上、不適当:ギャンブル(競馬、パチンコなど)や飲酒を伴う外出
同行援護・行動援護・移動支援では、「営業活動などの経済活動」「通年かつ長期にわたる外出」は利用が不可になっています。そのため、上記の外出支援では利用できません。
通年かつ長期にわたる外出とは何か
それでは、「通年かつ長期にわたる外出」とは何を指すのでしょうか。1週間に一回ほど、同じ目的で3か月以上にわたって定期的に行う外出を「通年かつ長期にわたる外出」といいます。
こうした外出としては、例えば以下が該当します。
- 通勤、営業活動
- 保育園・幼稚園、学校への通学
- デイサービス、就労施設などへの通所
要は、定期的に行う外出については同行援護・行動援護・移動支援の対象外になると考えましょう。
ただ外出支援サービスでは、定期的な外出ではあっても、「社会生活上不可欠な外出」については利用できるようになっています。例えば以下は、定期的な外出ではあるものの外出支援で利用できます。
- 病院への通院
- 役所、銀行での手続き
- 買い物
また、個人参加で完結するプライベートな外出で余暇を過ごすことも外出支援で可能になっています。定期的な外出がすべて禁止されているわけではなく、あくまでも禁止されているのは通勤や通学、通所などとなります。
学校への通学や通所、通勤は親族または事業所が送迎する
実際に学校通学や職場への通勤をする場合、原則として本人が出向く必要があります。また、本人が自らの力で行けないにしても親族が送り迎えをしなければいけません。
またデイサービスや就労施設などへ通所するとき、親が送迎できなくても、原則として事業所側が提供する送迎サービスを利用することになります。そのため親族が通所施設への送迎に対して対応できない場合、送迎サービスのある事業所を選ばなければいけません。
それでは、あらゆるケースで学校通学や施設への通所が対象外かというと、必ずしもそういうわけではありません。特に自治体独自の制度である移動支援については、自治体によっては学校への通学で利用できるケースがあります。
例えば以下は東京都中野区の内容になります。
このように小学生や中学生、高校生の障害児について、親が就労などで送迎が困難な場合、通学・通所で移動支援を利用できるようになっています。
同行援護と行動援護は国の制度であるため、サービス内容はどの地域でも同じです。一方で移動支援は自治体の制度であることから、通常は利用できない通学や通所であっても、特定の地域に住む人は利用できることがあるのです。
違法行為に関わる内容は禁止
それでは通学や通勤、通所以外はどのようになっているのでしょうか。まず、違法行為の可能性がある場合は当然ながら外出支援の対象外になります。例えば、以下が該当します。
- 特定思想の流布
- 布教活動・宗教活動
- 政治活動
同行援護・行動援護・移動支援を利用する場合、費用のほとんどは公費になります。例えば障害福祉サービスの利用では自己負担が原則1割であり、月の負担上限額もあります。
公費を利用して違法行為を推奨することはできません。そのため宗教活動を含めて、違法行為のリスクのある外出は利用できません。
飲酒やギャンブルは基本的に不可
また、「社会通念上、不適当な外出」も同行援護・行動援護・移動支援で利用できません。ただ自治体によっては、「居酒屋などでの飲酒で移動支援を利用するのは問題ない」としているケースがあります。そのため、必ずしも飲酒を伴う外出がダメなわけではありません。
それでは、飲酒を伴う外出支援サービスの利用を禁止している自治体について、飲酒利用ができないかというと、スーパーなどでの買い物であれば利用できます。
同行援護・行動援護・移動支援について、買い物は支援内容に含まれます。そこでスーパーなどで買い物をするとき、ついでにお酒を購入するのであれば特に問題ないです。
または、買い物や余暇などで外出支援を利用するとき、外で食事をとるのは普通です。このとき、飲み物としてビールを一杯ほど注文することがあるかもしれません。この場合、飲酒自体が主な目的ではないので問題ありません。
・パチンコや競輪、競馬、競艇などのギャンブル利用は不可
それに対して、パチンコや競輪、競馬、競艇などのギャンブル利用はあらゆる自治体で不可と考えましょう。
ギャンブル行為とはいっても、これらは合法です。「映画やプール、その他の余暇は利用できるのに、なぜ同じ合法での楽しみが不可なのか?」と考える人は多いです。ただギャンブルという性質上、「社会通念上、不適当な外出」に該当してしまうのです。
以下のように、居酒屋での飲酒は可能としている自治体であっても、ギャンブル関係は利用不可となっています。
飲酒は余暇の範囲として許可されているケースはあっても、ギャンブルについては外出支援サービスの利用を諦めるのが適切です。
同行援護・行動援護・移動支援の対象外を学ぶ
障害者にとって外出支援サービスは便利です。ただ、同行援護・行動援護・移動支援を利用するときに対象外になる項目があります。
通常、通学(学校送迎)や通勤、通所は利用対象外になります。こうした活動は「通年かつ長期にわたる外出」に該当するからです。ただ自治体によっては学校送迎や通所の利用で可能になっているケースがあります。
また飲酒やギャンブルについても、一般的には外出支援サービスを利用できません。ただ自治体によっては、飲酒を伴う外出で移動支援を利用できる場合があります。
同行援護・行動援護・移動支援では、利用できない外出があります。そこで、あなたが住んでいる自治体の内容を確認して外出支援サービスを活用しましょう。
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