生活保護の障害者では、救護施設に入居している人もいます。ただ救護施設に入居中であっても、病院へ長期入院する場合は強制退所になります。退所の理由は障害者によってさまざまですが、入院も強制退所の理由になります。
病院への入院を避けるのは難しいです。ただ救護施設を退所となった場合、住む場所がなくなります。この場合、退院する前に他の障害者施設や保護施設を探さなければいけません。
それでは、救護施設を利用している人はどのように病院への長期入院を考えればいいのでしょうか。救護施設を利用中に入院することになった場合の対処法を解説していきます。
もくじ
救護施設で病院への入院は普通
知的障害者や精神障害者、身体障害者、難病患者を含めて、健常者に比べて障害者は入院する頻度が多くなりがちです。
救護施設を利用しているとき、具合が悪くなって病院へ入院するのは問題ありません。すべての人について、入院する可能性があります。このとき、3か月以内の入院であれば特に問題はなく、退院後は救護施設に戻れます。
ほとんどの場合、入院生活が3か月以上になることはありません。手術が必要であっても、長くても1か月の入院はありません。そのため基本的には、入院したとしても同じ救護施設に帰れます。
3か月以上の病院入院で退所
ただ障害者の場合、人によっては長期入院になってしまうことがあります。持病が悪化してしまったり、精神疾患の状態が悪くなってしまったりするのです。この場合、障害者によっては長期入院になってしまうケースがあります。
すべての保護施設や障害者施設について、長期入院は強制退去の理由になります。これらの施設は国に報酬請求することで経営が成り立っており、長期で部屋を空けていると経営が成り立たなくなります。そこで、3か月以上の長期入院では強制退去の対象になります。
なお部屋に空きのある施設であれば、3か月以上の長期入院であっても、退院によって戻れるかもしれません。
ただ通常、障害をもつ生活保護受給者で入居可能な施設は空きが少ないです。そのため、長期入院によって退去となってしまうケースは多いです。
入院が退所理由になる利用者の割合
それでは実際のところ、長期入院が退所理由になる人の割合はどれくらいなのでしょうか。厚生労働省による資料では、救護施設の退所理由は以下のようになっています。
※厚生労働省:保護施設の支援機能の実態把握と課題分析に関する調査研究事業
このように、長期入院が原因による退所は全体の16.4%です。全体の退所理由としては少数であるものの、それでも3か月以上の入院によって強制退去となった生活保護の障害者はそれなりにいるとわかります。
退所後、入院中に次の入居先を探す
なお病院への長期入院によって強制退去になってしまった場合、ひとまず病院で過ごすことになります。ただ病院は本来、住む場所ではありません。そのため、症状が安定すればどこかの段階で退院となります。
入院期間は人によって異なるものの、すべての人でどこかの段階で退院となります。そこで、退院のめどがついたのであれば、できるだけ早めに入居先を決めるようにしましょう。
生活保護の障害者が長期入院後に退院するとき、入居先として以下の候補があります。
- 実家
- 賃貸マンション・アパート
- 障害者グループホーム
- 保護施設
これらのうち、最適な場所を選ぶといいです。
障害者グループホームや保護施設が候補
救護施設を利用していた人のうち、実家に頼る人はほとんどいません。実家に頼れないからこそ、救護施設などの保護施設を活用している障害者が大半です。
また生活保護の障害者が入院中に「生活保護であっても受け入れてくれる賃貸マンション・アパートを探す」のは現実的ではありません。まず、生活保護では受け入れてくれる賃貸物件が限られます。また、長期入院が必要なほど重度の障害者が介護スタッフによる介助なしに、一人で賃貸マンションにて過ごすのは現実的に難しい側面があります。
そのため一般的には、長期入院している生活保護の障害者は以下の施設を探します。
- 障害者グループホーム
- 保護施設(救護施設など)
どちらの施設も障害者に対する公的サービスであり、介護スタッフが常にいます。そのため長期入院後であっても問題なく受け入れ可能であり、入院中でも体験利用を含めて障害者グループホームを利用可能です。そうして入居先が決まれば、受け入れ先の施設へ病院から直接、退院と同時に出向けば問題ありません。
入院が長引くと救護施設を強制退所になる
救護施設に入居している生活保護の障害者が病院へ入院するのは普通です。健常者であっても、病気やケガをすれば病院へ入院します。ただ一般的に入院期間は短く、長くても1か月以内に退院となります。
ただ障害者の場合、長期入院になってしまうことがあります。3か月以上の長期入院では、救護施設を強制退所となります。そのため内臓疾患や精神疾患を含めて、入院生活が長引く場合は帰る場所がなくなります。
その場合、仕方ないので退院前に受け入れてくれる障害者グループホームや保護施設(救護施設など)を探しましょう。
障害者がどれだけ入院するのかについて、期間が長くなってしまうことがあります。その場合は救護施設を強制退所になることを理解して、退所となった場合は入院中に次の入居先を探すといいです。
家賃のほとんどが自治体から助成され、食費や水道光熱費など、必要最低限の出費で住めるシェアハウス形式の施設が障害者グループホームです。介護スタッフが常駐しているため家族の負担はゼロになり、親亡き後問題も解決できる施設となります。
障害者グループホームは一般的に「空きが少ない」といわれています。ただ、それは「担当者が知っている範囲で空きがない」というだけであり、実際には多くの空きがあります。近隣の自治体まで含めれば、すぐに入居可能な障害者グループホームはいくつも存在します。
ただ障害者グループホームによって居住に関するルールは大きく異なり、利用者(障害者)にとって最適な施設を選ばなければいけません。
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