障害者グループホーム(共同生活援助)の運営では、必ず利用者の個別支援計画を作成しなければいけません。法律で作成が義務付けられており、さらには罰則もあるため、すべての障害者グループホームで作成が必須です。

それでは、どのように個別支援計画書を作成すればいいのでしょうか。個別支援計画には様式があり、行政が公開しているため、それを使わせてもらいましょう。

そこで個別支援計画の様式・ひな形や記入例、書き方について解説していきます。

障害者グループホームで必要な個別支援計画

すべての障害者グループホーム(共同生活援助)で必須になる書類が個別支援計画です。障害者施設は国から報酬を受け取ることで経営が成り立ちます。また個別支援計画の作成が義務付けられているため、法律に従わなければいけません。

個別支援計画書というのは、実際に利用者(障害者)に対して面談を行うことで作成します。また、利用者や保護者に対して説明・同意・交付をしなければいけません。実際の様式・ひな形は国が公開しており、ファイルは以下になります。

なお個別支援計画というのは、どのようなサービス提供が行われるのかを明確にするための契約書となります。

個別支援計画に不備があると減算

また、個別支援計画が障害者グループホームにとって重要になるのは、この書類に不備があると減算の対象になるからです。例えば、個別支援計画が以下の状態の場合は減算となります。

  • サービス管理責任者が作成していない
  • アセスメント(面談)をしていない
  • 作成時に担当者会議をしていない
  • モニタリング(経過観察)や見直しをしていない
  • 開始日までに個別支援計画が作られていない
  • 利用者からの同意がない

不備がある場合、対象の利用者は30%の減算です。また不備の状態が3か月以上続く場合、50%の減算です。共同生活援助は利益率が高くなく、減算によってすぐ赤字になります。そこで、適切に個別支援計画を作成しなければいけません。

個別支援計画を作成する流れ

それでは、実際に個別支援計画を作成する流れはどのようになっているのでしょうか。以下のようになります。

  1. アセスメント(面談)を行う
  2. 原案を作成し、個別支援会議の実施や本案を作成
  3. 利用者へ同意・交付し、モニタリングや更新を行う

それぞれについて確認しましょう。

アセスメント(面談)を行う

まず、利用者・保護者に対してアセスメント(面談)を行います。このときの面談は見学・体験入居のときに実施してもいいです。アセスメントにより、本人や保護者が障害者グループホームの利用で何を望んでいるのか把握できます。例えば、以下のような状態や要望がわかります。

  • 自閉症があり、人付き合いは苦手
  • 金銭管理ができない
  • 引きこもりの状態から立ち直りたい
  • 強度行動障害あり
  • 自分で買い物できるように支援が欲しい

障害者によって必要な支援内容は大きく異なります。なお保護者がいる場合、利用者ではなく保護者の要望が強くなってしまうケースがあります。そこで保護者がいる場合であっても、本人がどのような要望を持っているのか確認しなければいけません(重度障害者を除く)。

原案を作成し、個別支援会議の実施や本案を作成

利用者・保護者へのアセスメントが完了したら、原案を作成することになります。利用者・保護者へのヒアリングの内容を元にして、サービス管理責任者が原案作成に取り掛かります。

ただ、サービス管理責任者が最初に作成した原案が完ぺきなわけではありません。サービス提供の内容が偏っていたり、他に良いアイディアがあったりします。そこで、客観的な意見を取り入れることでより優れたサービス計画になるよう、2名以上の職員が参加して担当者会議を実施します。

なお、担当者会議では議事録を作成しましょう。どのような内容が話されたのかメモを残しておくのです。

そうして、担当者会議の元にサービス管理責任者が個別支援計画の本案を作成します。長期計画や短期計画、具体的な支援内容がこうして決定されます。

なお、実際の記入例は国が公開しているため、それを参考にさせてもらいましょう。障害児に関する例ではありますが、「障害者グループホームで過ごす大人用」に変えれば個別支援計画が完成されます。

こうした記入例を参考にして、共同生活援助の利用者に対する個別支援計画を完成させましょう。

利用者へ同意・交付し、モニタリングや更新を行う

そうして作成された本案について、説明をしなければいけません。契約書と同じであるため、どのような内容になっているのか説明を行い、利用者・保護者(家族)へ説明・同意・交付をします。そうして、実際にサービス提供されます。

なお、個別支援計画は定期的に見直す必要があります。そこで、モニタリングを実施しましょう。個別支援計画の有効期間は6か月であり、この期間内に少なくとも1回以上は面談にて計画がどれだけ進んでいるのか確認します。また、内容変更の有無を検討します。これがモニタリングです。

サービス管理責任者がモニタリングを行うとき、モニタリング面談の記録を残しましょう。これにより、減算を防げます。

モニタリングによって個別支援計画が修正される場合、再び原案の作成や担当者会議の実施、本案の作成、利用者への説明・同意・交付を経てサービス提供が行われます。

正しく個別支援計画書を作成し、事業を行う

障害者グループホーム(共同生活援助)を運営する以上、すべての利用者に対して個別支援計画を記さなければいけません。個別支援計画を適切に行えていない場合、減算になるので赤字経営となってしまいます。

そこで、サービス管理責任者は個別支援計画書を作成しましょう。様式は国が提供しているため、それを利用するといいです。また、記入例も国が提供しています。

実際に個別支援計画書を作成するとき、サービス管理責任者が原案を作ります。その後、担当者会議を経て本案が作られます。そうして利用者や家族に説明・同意・交付をすることでサービス提供となります。ただ、定期的にモニタリングすることで内容変更の有無を確認し、内容を更新しましょう。

すべての障害者グループホームで個別支援計画の作成が義務となります。そこで、正しく個別支援計画を運用することで利用者(障害者)にサービスを提供しましょう。

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