交通事故を含め、さまざまな事故によって車いす生活になったり、ほぼ寝たきりの状態になったりしてしまいます。
そうしたとき、家族の介護負担が大きかったり、一人での居宅生活が無理だったりします。そのため、事故による身体機能や脳機能の損傷が大きい場合、通常は障害者施設を活用します。こうした施設に障害者グループホームがあります。
それでは、交通事故で大きなケガを負ってしまった場合、身体障害者はどのように施設を活用すればいいのでしょうか。体を動かすのが不自由な身体障害者が車いす・寝たきりで障害者施設を活用する方法を解説していきます。
もくじ
事故によって車いす生活や寝たきりになる
交通事故(車事故・バイク事故)やその他の事故により、身体障害者になってしまう人がいます。軽いけがであれば問題ないものの、大きな事故であれば以下の状況によってその後の生活が大きく変化してしまうのです。
- 脊髄損傷
- 脳損傷
- 気管切開
こうして車いす・ほぼ寝たきりになったり、脳損傷によって高次脳機能障害を生じてしまったりする場合、一人での居宅生活はほぼ不可能になります。
家族で介護できない場合、施設を利用
そのため家族による介護負担が非常に大きくなります。ただ家族が常に介護できなかったり、いま一人暮らしだったりする場合、障害者施設の利用を考えるのが一般的です。
複数の障害者が共同生活を送る施設が障害者グループホーム(共同生活援助)です。身体障害者だけでなく、精神障害者や知的障害者も利用することになりますが、介護スタッフのもとで生活できるようになります。
障害者はほとんどが低収入であり、低所得者はサービス料が無料です。また家賃は国や自治体から補助があります。さらに、シェアハウス形式なので食費や水道光熱費は最安値になります。そのため、たとえ車事故やバイク事故、その他の事故によって十分に働けない状態であっても障害者施設を利用できます。
・老人ホームは60歳以上で利用可能
ちなみに、交通事故などで車いすや寝たきりになった人について、「老人ホームを利用できないのか?」と考える人がいます。これについて、60歳以上であれば利用できます。
そのため、若い人は老人ホームを利用できず、必ず障害者グループホームでなければいけません。例外として、40代・50代で老人ホームを利用できるケースはあるものの、「難病による老人ホームへの入居」が対象になります。交通事故が原因で車いすや寝たきりの場合、60歳未満は老人ホームを利用できません。
またサービス料が無料になったり、家賃補助があったりする障害者グループホームに対して、老人ホームは非常に利用料が高額になります。そのため、特別なケースを除いで障害者グループホームを利用するのが一般的です。
バリアフリーのグループホームを利用する
そこで、バリアフリーの障害者グループホームを利用しましょう。多くの場合、障害者グループホームにはバリアがあります。以下のように、一般的な民家を借りて障害者グループホームとして運用するからです。
車いすでなく、対象の体の麻痺であれば、こうした段差があっても問題ありません。また、ほぼ寝たきりで外出が基本的にない場合、こうした障害者グループホームでも問題ありません。事実、身体障害者でバリアフリーではない障害者グループホームに住んでいる人はたくさんいます。
また車いすであったとしても、スロープを利用するなどによって問題なく障害者グループホームの段差をクリアしている人もいます。
ただ歩くのが不自由である場合、多くのケースでバリアフリーが必要になります。そこで、バリアフリーに対応している施設を探すというわけです。
シェアハウスまたは日中支援型のグループホームを利用
なお実際のところ、バリアフリーに対応している障害者グループホーム(共同生活援助)は非常に少ないです。自ら歩けるならいいですが、そうでない場合は対応が厳しいというわけです。
また車いすについて、段差のないシェアハウスであれば問題ないかというと、必ずしもそうではありません。一般的な民家を借りて障害者グループホームとして運営するため、普通の浴槽となります。こうなると、入浴が困難になります。
人によって身体障害の程度は異なりますが、まったく立てなかったり、完全に寝たきりだったりする場合、専用の入浴施設を備えている障害者グループホームである必要があります。
重度障害者用の入浴設備をもつ障害者グループホームとしては、日中支援型グループホームがあります。日中支援型は重度特化の障害者グループホームであり、こうした設備を整えているというわけです。
ただ日中支援型グループホームは全体の1%ほどであり、さらには利用したい人がいくらでもいるため、入居の難易度は高いです。そのため、交通事故で大きな障害を有する人について、日中支援型グループホームを希望する場合は場所を選ばずに遠くの都道府県まで含めて施設を探しましょう。
医療機関のへの付き添いは問題ない
なお身体障害者では、ひんぱんな医療機関への通院が必要ない人が多いです。ただ車事故やバイク事故、その他の事故で症状が大きい場合、脳損傷や気管切開などの状態となっており、ひんぱんな医療機関への通院が必要になります。
この場合、ほとんどの障害者グループホームで医療機関への付き添いを実施しています。
そのため、障害者グループホームから医療機関へ出向くのは問題ありません。障害者グループホームには、精神障害者や知的障害者を含めて他にも医療機関への定期的な通院が必要となる人が複数在籍しています。そのため、医療機関の利用は問題ないというわけです。
・ホームヘルプの通院等介助も利用できる
なお重大な事故を負った人について、非常に高度な医療が必要となるため、特定の病院でなければ対応できないケースがあります。さらには、複数の医療機関を利用している人もいます。
この場合、障害者グループホーム側へ月に何度も通院同行を依頼するのは現実的ではありません。グループホームにとって通院同行はほぼボランティアと同じであり、まったく利益に貢献しないからです。
そこで、月の通院回数が多くなりがちな身体障害者は通院等介助を利用しましょう。障害福祉サービスにホームヘルプがあり、通院等介助によって病院・クリニックへの通院を支援してくれます。
障害者グループホームを利用している人について、通院等介助の利用回数は月2回までです。こうした回数制限はありますが、障害者グループホーム側による通院同行支援とホームヘルプ(通院等介助)を利用すれば、十分すぎるほどの通院が可能になります。
医療的ケアが必要な場合、受け入れ施設は圧倒的に少ない
このとき、ひんぱんな医療的ケアが必要ない場合、バリアフリー対応の障害者グループホームが少ないとはいっても、探すエリアを広げることで見つけることは可能です。
例えば喀痰吸引が必要とはいっても、2週間に1回程度であれば、そのつど医療機関へ出向けば問題ありません。気管切開で寝たきりに近い生活であっても、常に医療が必要なわけではありません。
ただ交通事故やその他の事故による影響が大きく、場合によっては常に医療的ケアが必要となる人がいます。例えば毎日のたん吸引が必要であったり、常に人工呼吸器が必要な寝たきり状態だったりする場合、日々の医療的ケアが必要です。
この場合、受け入れ可能な施設は全体の0.1%未満になります。そのためエリアを選んでいる場合ではなく、全国どこでも可の状態で障害者グループホームを探さなければいけません。
重症度が大きくなるほど、受け入れ可能な施設は少なくなります。身体障害者で自由に歩けない場合、それだけで受け入れ可能な障害者グループホームは非常に少なくなります。さらに利用的ケアが必要となると、より利用可能な障害者施設は限られると考えましょう。
事故での車いす・寝たきりで障害者施設を利用する
障害者であれば、若い人であっても誰でも障害者グループホームを利用できます。そのため脊髄損傷や脳損傷などによって身体を自由に動かすことができず、家族によるこれ以上の介護を見込めない場合、障害者グループホームを利用しましょう。
このとき、杖を使ってもいいので不自由ながら自ら歩ける場合、多くの障碍者グループホームが利用対象です。ただ車いすを含め、バリアフリーが必要な場合、利用施設は限られます。特に入浴介助が必要な場合、通常の一軒家では対応できず、日中支援型グループホームが必要です。
それに加えて日々の医療的ケアが必要になると、より利用可能な施設は限られます。そのため重度の身体障害者の場合、入居エリアを広げるなど、柔軟な対応によって障害者グループホームを探しましょう。
身体障害者の場合、どうしても利用できる障害者施設が限られます。そこで、対象エリアを拡大させるなどにより、素早く障害者グループホームを利用しましょう。
家賃のほとんどが自治体から助成され、食費や水道光熱費など、必要最低限の出費で住めるシェアハウス形式の施設が障害者グループホームです。介護スタッフが常駐しているため家族の負担はゼロになり、親亡き後問題も解決できる施設となります。
障害者グループホームは一般的に「空きが少ない」といわれています。ただ、それは「担当者が知っている範囲で空きがない」というだけであり、実際には多くの空きがあります。近隣の自治体まで含めれば、すぐに入居可能な障害者グループホームはいくつも存在します。
ただ障害者グループホームによって居住に関するルールは大きく異なり、利用者(障害者)にとって最適な施設を選ばなければいけません。
そこで、当サイトでは完全無料で障害者グループホームを紹介するサービスを日本全国にて実施しています。「いますぐ入居したい」「いまの障害者グループホームから他の施設へ移りたい」「強制退去となり、新たな施設を探している」など、軽度から重度の障害者を含めてあらゆる方に対応しています。