精神障害者が一人(または親と一緒)で住んでいる場合、住んでいる家をゴミ屋敷・汚部屋にしてしまうケースがよくあります。精神疾患は脳の病気でもあるため、通常であれば汚い環境を嫌うものの、汚い環境にしてしまうのです。
ただゴミ屋敷で過ごしている場合、環境が非常に悪く、精神疾患の改善はありません。そこで、住む場所を変えることで環境を大きく変化させ、適切な状況で生活する必要があります。
それでは、ゴミ屋敷・汚部屋にしてしまっている大人の精神障害者について、どのように考えて状況を抜け出せばいいのでしょうか。正しい対処法を解説していきます。
もくじ
うつ病や統合失調症、発達障害が汚部屋の原因
健常者の場合、汚部屋にしてしまうことはありません。部屋が散らかっていることはあっても、食べ残しが放置されていたり、ゴミが長く放置されていたりすることはありません。
そのためゴミ屋敷・汚部屋にしてしまう人というのは、脳の病気が原因となっています。要は、以下のような精神疾患を抱えています。
- うつ病・双極性障害
- 統合失調症
- 発達障害:ADHD、アスペルガー、自閉症
- 認知症
精神疾患は他にも種類はありますが、いずれにしてもこれら脳の病気を抱えている精神障害者が汚部屋にしてしまいます。
環境を変えないと精神疾患の改善はない
ゴミ屋敷にしてしまう根本的な原因は精神疾患であるため、精神障害者の状態を改善させなければ汚部屋も解消しません。つまり、適切な通院による症状改善が不可欠です。
ただ病院・クリニックへ定期的に出向いても、ゴミ屋敷に住んでいる人は症状の改善をほぼ見込めません。精神疾患というのは、薬を服用すれば症状が良くなるわけではなく、日々の環境も非常に重要だからです。
事実、ゴミ屋敷にする精神障害者では多くの人で以下の生活パターンをしています。
- 昼夜逆転
- 栄養バランスが偏る(常にインスタント食品など)
- 害虫・悪臭の発生
- お風呂を使えない
脳の病気(心の病気)であるため、こうした状況がダメと頭では分かっていても、なかなか改善することができません。そうして、精神疾患の改善もありません。そこで、状況をよくするには住む環境を大きく変えるしか方法はありません。
通常、障害者グループホームを利用する
具体的に何をするかというと、方法は一つだけであり、障害者グループホーム(共同生活援助)の利用です。複数の障害者が共同生活を送る施設が障害者グループホームです。
ゴミ屋敷に住んでいる人について、一般企業で働いている人がいれば、症状が重くて働けない人もいます。ただどの人であっても、シェアハウス形式になるので最安値での生活費になります。
障害者グループホームには、常に介護スタッフがいます。介護スタッフが常に利用者(精神障害者)を見ることになりますし、部屋が汚ければそのつど一緒にそうじをすることになります。そのため、汚部屋になることはありません。
規則正しい生活と清潔な環境で精神障害を回復させる
なお障害者グループホームを利用することにより、規則正しい生活になります。食事や入浴、門限などの時間が決まっており、さらには施設内にスタッフがいるため、強制的に規則正しい生活になるのです。
また介護スタッフと一緒に定期的に自分の部屋をそうじすることになるため、前述の通り汚部屋になることもありません。
さらに、日中は活動することになります。一般企業で働いている人であれば、障害者グループホームから出社します。また十分に働けないほど症状が重い場合であっても、障害者向けの就労サービス(就労A・就労B)を利用することで問題なく施設の外へ出て仕事をすることになります。
こうして規則正しい生活や清潔な部屋、日中での活動、定期的な通院を通して、ようやく精神疾患の症状が改善していきます。実家や現状での一人暮らしだと汚部屋が改善することは確実にないもおの、障害者グループホームの利用であれば可能です。
・必ずシェアハウス形式で生活する
なお障害者グループホームには、シェアハウスとワンルームの2種類があります。このとき、ワンルームだと一人暮らしとほぼ同じ状態になり、介護スタッフによる目が行き届きにくくなり、再び汚部屋にしてしまうリスクが高いです。
そのため、いま家をゴミ屋敷にしてしまっている場合、必ずシェアハウス形式の障害者グループホームを選びましょう。シェアハウス形式だからこそ、介護スタッフの目が行き届きやすくなり、スタッフと一緒に部屋をそうじするなど清潔な環境が保たれます。
賃貸の場合、業者を含めて片付けが必須
なお障害者グループホームへ引越しをするとき、いまの汚部屋の状況を改善させなければいけません。このとき、いま一人暮らしで賃貸に住んでいるのであれば、ゴミ屋敷専門の業者へ依頼することを含めて片付けが必要になります。
賃貸を出るとき、必ず原状回復が必要になります。つまり、入居時と同じ状態にして部屋を出る必要があるのです。
部屋のゴミは当然として、あらゆる物を捨てなければいけません。また障害者グループホームに住むにしても、利用できるのは一部屋であるため、可能な限り荷物を少なくする必要があります。
いずれにしても、「自分で物を可能な限り捨てる」または「汚部屋専門の業者に依頼する」ことにより、部屋の荷物を可能な限り少なくしましょう。
実家は売却を含めて検討する
一方で実家に住んでいる人もいます。この場合、実家を放置して障害者グループホームへ引越しが可能です。
このとき実家に親などが住んでいるのであれば、特に問題ありません。ただ障害者の中には、既に親がおらず、一人で家で住んでいるケースがあります。この場合、実家はゴミ屋敷のままであるものの、早めに家を売ることを検討しましょう。
人がいない家であり、さらには汚部屋が放置された状態であると、非常に速いスピードで家が朽ちていきます。そうして数年のうちに住めない家(廃墟)になり、水道管や電気類も機能しなくなり、家の価値はゼロになります。
そのため障害者グループホームへ移るタイミングで実家を売却する障害者は非常に多いです。放置しても家の価値はゼロになるため、その前に不動産を売るというわけです。
低所得者であっても障害者であれば、グループホームを含めて格安で住むための方法がたくさんあります。そのため、たとえ実家を売却しても困ることはありません。そうして不動産売却のお金をもとにして、障害者グループホームで金銭管理してもらいながら規則正しい生活を送るのです。
ゴミ屋敷からの脱却で障害者施設を利用する
いま住んでいる場所をゴミ屋敷・汚部屋にしてしまう理由は精神疾患を有しているからです。うつ病や統合失調症、発達障害(ADHD、アスペルガー、自閉症)、認知症と精神疾患の種類は異なるものの、脳の病気によってゴミ屋敷が作られます。
この状態を改善する方法は精神疾患の改善です。ただゴミ屋敷で過ごしている現状で症状の改善はほぼ不可能であるため、障害者グループホームへの引越しをしましょう。
障害者グループホームであれば、規則正しい生活や清潔な部屋、日中の仕事、定期的な通院を通して症状の改善を図れます。汚部屋に住んでいる現状維持で状態が改善することはほぼ確実にないため、環境を大きく変化させましょう。
ゴミ屋敷に住んでいる大人の精神障害者について、汚い状態から脱するには正しい方法があります。そこで生活環境を改善させ、精神疾患とも向き合いたい場合、公的サービスを積極的に活用しましょう。
家賃のほとんどが自治体から助成され、食費や水道光熱費など、必要最低限の出費で住めるシェアハウス形式の施設が障害者グループホームです。介護スタッフが常駐しているため家族の負担はゼロになり、親亡き後問題も解決できる施設となります。
障害者グループホームは一般的に「空きが少ない」といわれています。ただ、それは「担当者が知っている範囲で空きがない」というだけであり、実際には多くの空きがあります。近隣の自治体まで含めれば、すぐに入居可能な障害者グループホームはいくつも存在します。
ただ障害者グループホームによって居住に関するルールは大きく異なり、利用者(障害者)にとって最適な施設を選ばなければいけません。
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