障害者を預けるために日中一時支援を利用する人は多いです。こうした日中一時支援の事業所へ出向くとき、最もわかりやすい移動方法は家族による送迎です。

このとき、日中一時支援では事業所による送迎が認められています。そのため事業所によっては送迎サービスを利用できます。日中一時支援を利用するために移動支援(障害者に対する外出支援サービス)を利用するのは認めていない自治体が多いため、日中一時支援側の送迎があると優れます。

それでは、どのように考えて日中一時支援による送迎サービスを活用すればいいのでしょうか。日中一時支援での送迎サービスの活用法を解説していきます。

日中一時支援の事業所による送迎

すべての日中一時支援ではないものの、事業所によっては送迎サービスを実施していることがあります。事業所が車を保有している場合、送迎をしてくれることがあるのです。

実際に送迎サービスが可能かどうかについては、事業所側に確認しなければいけません。ただ送迎してくれる場合、家族が障害者を日中一時支援の事業所まで送り届ける手間がなくなります。

なお、送迎費用は格安です。日中一時支援については、送迎加算が設けられています。つまり障害者を送迎することにより、事業所は自治体へ報酬の請求をします。

障害福祉サービスや自治体の障害者向けサービスを含めて、これらは1割負担など格安にて利用できます。また、住民税の非課税世帯や生活保護の場合は利用料が基本的に無料です。そのため送迎サービスを利用するにしても、費用が高額になることはありません。

希望の送迎時間を選べる

なおデイサービスとは異なり、日中一時支援では長時間にわたって障害者の預かりサービスを実施してくれます。一般的には、以下の時間帯で利用可能です。

  • 8:00~19:00

事業所によっては16:00や17:00に帰宅となる場合はあるものの、19:00や20:00など遅くまで預かってくれる事業所もあります。

このとき、日帰りで障害者施設に預けるとはいっても、希望の送迎時間は異なります。そこで、どの時間に日中一時支援の事業所へ出向き、どの時間に帰宅したいのかは相談できます。もちろん他の利用者と送迎時間が重なることはあるため、これについては予約するたびに確認しましょう。

通所施設や学校からの送迎も通常は可能

なお一般的には、自宅から日中一時支援の事業所への送迎になります。ただ日中一時支援を利用するとき、通所施設や学校から通いたい人も多いです。

多くの場合、日中一時支援とデイサービス(生活介護、放課後等デイサービス)を併用できます。そのためデイサービスが終わった後、遅くまで障害者を預かってくれる日中一時支援へ預けるのは何も問題ありません。

また障害児であれば、学校から直接、日中一時支援へ行きたいと考えることもあります。このとき、送迎サービスがあれば学校から日中一時支援へ送ってくれます。

日中一時支援は自治体の制度であるため、自治体によって判断は異なります。ただ多くの場合、デイサービスなどの通所施設や学校からであっても、日中一時支援への送迎を認めています。

移動支援との併用は難しい

それでは日中一時支援を利用するとき、事業所側が送迎サービスに対応しておらず、家族による送迎もできない場合、どのように対応すればいいのでしょうか。

このとき「移動支援を利用できないか?」と考える人は多いです。障害者に対する外出支援サービスが移動支援であり、障害者であればほとんどの人で移動支援を利用できます。

ただ、移動支援は通所施設へ出向くために利用することができません。つまり、ほとんどの自治体で「自宅から日中一時支援へ行くための移動支援の利用」を許可していないと考えましょう。

それでは、家族送迎がどうしても難しい場合にどうすればいいかというと、送迎サービスを実施している日中一時支援に必ず依頼しなければいけません。障害者施設への送迎で基本的に移動支援を利用できない以上、これについては仕方ありません。

デイサービスと日中一時支援の移動は簡単

一方で「デイサービスから日中一時支援への移動」については、そこまで心配する必要がありません。理由としては、ほとんどのデイサービスで送迎サービスを実施しているからです。

成人向けのデイサービスが生活介護であり、中等度や重度の障害者のみデイサービスを利用できます。また障害児向けのデイサービスが放課後等デイサービスであり、多くの子供が利用しています。

当然ながら、重度の障害者や子供が一人で障害者施設へ通うことはできません。そのためデイサービスではほとんどの施設で送迎サービスを実施しており、このときの送り先が自宅ではなく日中一時支援の事業所であっても問題ありません。

たとえ日中一時支援の事業所が送迎に対応していなくても、デイサービス側が送迎可能です。ただ前述の通り、日中一時支援で送迎対応が不可の場合、「日中一時支援と自宅の送迎」では家族による対応が必要になります。

日中一時支援で送迎可能な事業所を利用する

日帰りにて障害者を預かってくれる日中一時支援では送迎サービスを利用できます。すべての日中一時支援ではないものの、対応している事業所であれば自宅から日中一時支援まで送り迎えが可能です。送迎費用は格安なので、お金の心配は不要です。

このとき、送迎場所は必ずしも自宅である必要はありません。通所施設(デイサービスなど)や学校から日中一時支援の事業所へ送迎してもらうことも可能です。

なお、日中一時支援への送迎では基本的に移動支援を利用できません。そのため家族による送迎が難しい場合、送迎サービスに対応している日中一時支援の事業所と契約する必要があります。

日中一時支援を利用するとき、送迎サービスの確認をしましょう。これにより、家族による送迎が必要かどうかがわかります。

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