障害者であれば障害年金を受け取ることができ、たとえ無職や生活保護であっても問題なく生活できます。このとき、中には一般的な賃貸住宅に住むことによって生活したいと考える人もいます。

ただ、障害年金を受け取っている事実が賃貸契約の審査にプラスになることは基本的にありません。賃貸の審査で重要なのは、あなたが働いているかどうかです。無職や生活保護の人について、障害年金や作業所での賃金だけが収入の場合、審査は厳しくなります。

そのため、通常は公営住宅(市営住宅・都営住宅など)や障害者グループホームを活用して一人暮らしをします。この場合は家賃減額や家賃補助があるため、障害年金だけが収入源であり、無職であっても日々の支出が少なく、問題なく生活できます。

障害年金で生活している人では、正しい賃貸住宅の見つけ方があります。特に労働収入が乏しい場合、どのように考えればいいのか確認しましょう。

会社員の場合、障害を隠して賃貸契約が可能

障害者の中には、障害年金を受け取りながら働いている人がいます。身体障害者であれば、障害年金1級・2級を利用しながら働いているのは普通です。精神障害者についても、障害年金3級を受け取りながら一般企業で勤務している人はたくさんいます。

こうした会社員の場合、借り上げ社宅制度によって、会社名義で家を借りられるケースがよくあります。この場合、何も問題なく一人暮らしを開始できます。

また借り上げ社宅制度ではなかったとしても、会社勤めなのであれば、障害者であることを隠して申請すればいいです。盲目の人や肢体不自由の人などを除き、外見的に障害者とわからない人であれば、障害者であることを隠せます。また、障害者であると明らかにする理由は特にありません。

こうして会社員であれば、障害を隠して賃貸契約の審査を依頼することにより、問題なく審査に通過します。

無職・生活保護の場合は審査が厳しくなる

ただ身体障害者や知的障害者、精神障害者、難病患者で症状が重い場合、ほぼ無職の人が多いです。生活保護であったり、働いていても就労継続支援などの作業所となったりします。

こうした無職・生活保護の場合、障害者や健常者に関係なく賃貸契約の審査は厳しくなります。大家にとってみると、低収入の人を住ませたいと考えないからです。

日本では、家賃滞納したとしてもすぐに追い出されることがありません。そのため、大家や保証会社としては、定期的な労働収入のある人を審査に通し、無職や生活保護の人を住ませたくないと考えるのです。

もちろん、障害年金を受け取っていても審査にプラスになることはありません。貯金があったとしても関係なく、家を借りるには「一般企業での継続的な収入があるかどうか」が最も重要になるのです。

家賃補助はなく、一般賃貸の一人暮らしは厳しい

なお実際のところ、たとえある程度の貯金があったとしても、一般企業で働いていない障害者であれば、一人暮らしで一般賃貸住宅を考えるのはやめたほうがいいです。圧倒的にお金が足りないからです。

まず、賃貸住宅に住むためには家賃の5倍の初期費用がかかります。内訳は以下になります。

  • 敷金:家賃の1~2か月分
  • 礼金:家賃の1~2か月分
  • 前家賃:家賃の1か月分
  • 仲介業者への謝礼:家賃の1か月分

それに加えて、引越し業者へ支払うお金も含めると高額になります。

また一般的には、家賃は給料の3分の1に抑えるのが適切といわれています。仮に障害年金と就労継続支援で年200万円を得られている場合、家賃に月5万円を支払うとなると、使えるお金は年140万円(月11.6万円)です。

この中から水道光熱費や食費、通信費などを出していくと、お金が残らない状態(または収支はマイナス)になります。障害者に対して一般賃貸への家賃補助はないため、たとえ障害年金を得ていたとしても、賃貸に住むことによって家賃負担が大きく、その後の生活が成り立ちにくくなるのです。

・一人暮らしで更新時に審査落ちとなるデメリット

さらに、障害者が一人暮らしを開始することで不都合な点として、「障害年金の更新時に打ち切りになるリスクが高くなる」ことがあります。身体障害者であれば更新時の認定基準が違うので問題ないですが、知的障害者や精神障害者の場合、一人暮らしは特に不利になりやすいです。

一人暮らしを開始したという事実から、「症状が改善した」と障害年金の審査員は判断します。こうして、支給停止となるのです。

一人暮らしをするにしても、「親のDVから逃れるため」など特別な理由があったり、週3回のホームヘルプを利用していたりなど、一人暮らしが必要な明確な理由があって、さらには他の人の援助も受けているのであれば再審査であっても障害年金を継続して受給できます。ただ、単に一人暮らしを開始したい場合であれば審査において不利に働くのです。

通常は公営住宅または障害者施設を利用する

これらの理由があるため、一般企業に勤めている人を除いて、障害者が一般賃貸に住むのは微妙です。親から高額な資産を相続しており、お金が余っているなら問題ないですが、低収入で保有資産も少ない場合、他の居住方法を考える必要があります。

そこで低収入の障害者の場合、特別な理由がない限り、以下のうちどちらかを選択しましょう。

  • 公営住宅(市営住宅・都営住宅など)
  • 障害者グループホーム

この場合は障害年金だけの無職や生活保護の状態であっても、ぜいたくな生活をしなければ問題なく暮らせるようになります。

障害者は公営住宅(市営住宅・都営住宅)の審査で有利

低賃金の人の中でも、障害者は市営住宅・県営住宅・都営住宅などの公営住宅に対して優先的に入居できます。また、こうした公営住宅は田舎だと月1万円以下となるのも普通です。

例えば以下は、岡山市に存在する県営住宅の月額家賃です。

一般的な賃貸住宅に比べると圧倒的に格安であるため、この金額であれば障害年金がメインの収入源である無職の障害者や生活保護であっても生活できます。

なお知的障害者や精神障害者であれば特に問題ないですが、身体障害者が公営住宅に住む場合、バリアフリーではない可能性があるのは理解しましょう。そのためバリアフリーを望む場合、家賃の安さとバリアフリーを両立できる公営住宅を探すといいです。

障害者は公営住宅の審査に通りやすいため、障害者手帳を保有していることによって健常者よりも有利です。そのため、健常者よりも住める公営住宅を選びやすいです。

障害者グループホームにて家賃ほぼなしで住む

また、ほぼ家賃無しで住める他の方法に障害者グループホームがあります。障害者が一人で住む場合、公営住宅よりもメインになりやすいのが障害者グループホームです。シャアハウス形式になりますが、一人につき以下のような個室を与えられます。

また障害者グループホームには種類があり、アパート・マンション型でワンルームタイプもあります。この場合、障害者グループホームとはいっても一人暮らしと基本的に変わりません。ワンルームの場合、アパートのワンルーム形式だと例えば以下の配置になります。

通常はシェアハウス形式になりますが、完全なる一人暮らしに近い状態を好む場合、ワンルーム形式の障害者グループホームを探しても問題ありません。

前述の通り、一般的な賃貸住宅では家賃補助がありません。一方で障害者グループホームは国と自治体から補助があり、無料または月1万円台で住めます。実質的な出費は食費や水道光熱費、その他の雑費のみなので、障害年金だけでも問題なく生活できるというわけです。

無職で障害年金を得ているときの賃貸・家賃の問題

障害者で無職や生活保護の人は多いです。働いていたとしても、就労継続支援のみのケースがほとんどです。一般企業でフルタイム勤務している場合、障害者であることを隠して賃貸契約の審査を受ければいいため特に問題ありません。ただそうでない場合、いまの資産額に関係なく審査は厳しくなります。

障害年金を受け取っている事実が賃貸契約の審査にプラスに働くことはありません。大家や保証会社にとって重要なのは、障害者や健常者に関係なく、ある程度の定期的な労働収入があるかどうかです。これが、低収入の人や生活保護で審査が厳しくなる理由です。

また実際のところ、一般的な賃貸住宅は高額です。そのため障害者は特別な理由がない限り、公営住宅または障害者グループホームを活用しましょう。この場合、家賃がほとんどなく日々の支出を大幅に抑えられます。

一般的な賃貸住宅とは違い、公営住宅や障害者グループホームであれば家賃補助(または家賃割引)があります。そのため無職や生活保護の障害者は公的サービスを活用することによる一人暮らしを考えましょう。

【全国対応】完全無料にて優良な障害者グループホームを紹介!

家賃のほとんどが自治体から助成され、食費や水道光熱費など、必要最低限の出費で住めるシェアハウス形式の施設が障害者グループホームです。介護スタッフが常駐しているため家族の負担はゼロになり、親亡き後問題も解決できる施設となります。

障害者グループホームは一般的に「空きが少ない」といわれています。ただ、それは「担当者が知っている範囲で空きがない」というだけであり、実際には多くの空きがあります。近隣の自治体まで含めれば、すぐに入居可能な障害者グループホームはいくつも存在します。

ただ障害者グループホームによって居住に関するルールは大きく異なり、利用者(障害者)にとって最適な施設を選ばなければいけません。

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