身体障害者であっても自動車を運転するのは普通ですし、障害をもつ親族を乗せて運転することもよくあります。このとき、外出先で駐車場を利用しなければいけません。
駐車場について、身体障害者用のスペースを利用できるのは誰でも知っていると思います。また、公営駐車場であれば障害者手帳によって無料での駐車が可能です。
ただ障害者(または親族)が車を運転するとき、「本来は目的地の近くに車を止めたいものの、近くに駐車場がない」というケースがあります。この場合、事前に申請することで駐車禁止除外指定車標章を得ることができます。これにより、駐車禁止の場所であっても問題なく駐車できます。
それでは、身体障害者や障害者を扶養する親族はどのように車の駐車を考えればいいのでしょうか。駐車スペースや駐車代、駐車禁止除外指定車標章について解説していきます。
もくじ
商業施設や公的機関のほとんどで障害者用の駐車スペースがある
いまでは、ほとんどの商業施設や公的機関で障害者用の駐車スペースがあります。街中にある小さな駐車場では少ないものの、以下のようなスペースがあるのは普通です。
身体障害者の中でも、車いすが不要な場合、こうしたスペースを利用する意味はありません。一方で車いすが必要な人が障害者用のスペースを利用するのは大きな意味があります。こうした障害者用スペースは入り口から近い場所に設置されているため、利便性も優れています。
中にはマナー違反の人がいて、健常者にも関わらず障害者スペースを利用しているケースがあるかもしれません。ただ一般的には、こうした駐車スペースは常に空いているし利用しやすいです。
公営駐車場なら障害者手帳で無料・割引が可能
このとき、商業施設は当然として公営駐車場であれば無料または割引になりやすいです。例えば以下は神戸市の内容です。
市営駐車場や公園などで駐車するとき、神戸市在住の障害者は一般料金ではなく、3時間まで駐車料金が無料になります。事前の申請は必要になりますが、駐車料金が無料になるので障害者やその扶養者は利用しやすくなります。
自治体によって内容は異なりますが、いずれにしても駐車場代の無料化・減額が可能になります。
障害者で利用できる駐車禁止除外指定車標章
ただ駐車するとき、必ずしも駐車場に止めるのが最適とは限りません。駐車場を利用すると目的の場所から非常に遠く、障害者が目的地へ出向くのが困難なケースはよくあります。その場合、路上駐車を含めて目的地に近い場所へ駐車するのが最適です。
健常者は路上駐車をしてはいけません。ただ障害者には特別な理由があるため、本人または介護者(親、配偶者など)が運転をする場合、事前に申請をすることで駐車規則から除外されます。
この許可を表すのが駐車禁止除外指定車標章です。駐車禁止除外指定車標章を事前に入手することにより、本来であれば駐車してはいけない場所であっても問題なく駐車して乗り降りできるようになります。以下のような書類になります。
出典:山口県警察
駐車時に駐車禁止除外指定車標章を車内のわかりやすい場所へ提示しておくことにより、駐車違反の対象外になります。
駐車禁止除外指定車標章の交付と取得条件
それでは障害者の中でも、どのような人であれば駐車禁止除外指定車標章の対象になるのでしょうか。身体障害者について、取得条件は以下のようになっています。
身体障害の種類 | 等級 |
視覚障害 | 1級~3級、4級の1 |
聴覚障害 | 2~3級 |
平衡機能障害 | 3級 |
上肢不自由 | 1級、2級の1・2 |
下肢不自由 | 1~4級 |
体幹不自由 | 1~3級 |
脳原性運動障害:上肢機能 | 1~2級 |
脳原性運動障害:移動機能 | 1~4級 |
心臓、腎臓、呼吸器、小腸、ぼうこう、直腸、肝臓 | 1~3級 |
HIV | 1~3級 |
また知的障害者(療育手帳または愛の手帳)と精神障害者(精神障害者保健福祉手帳)の取得条件は以下です。
- 療育手帳A:IQ35以下
- 精神障害者保健福祉手帳1級
他に色素性乾皮症の人も対象になりますが、こうした障害者手帳をもつ本人または介護者が車を運転する場合、駐車禁止除外指定車標章を利用できます。
駐車禁止除外指定車標章を取得したい場合、警察署へ出向きましょう。警察署で必要書類を提出することにより、駐車禁止除外指定車標章を得られます。
対象外により、取り締まりとなるケース
それでは、駐車禁止除外指定車標章を取得すればどのようなケースであっても駐車違反にならないかというと、そういうわけではありません。対象外により、取り締まりとなる場合があります。
例えば、以下のケースでは取り締まりの対象です。
- 車庫代わり・長時間の駐車
- 駐車禁止除外指定車標章を提示していない・確認できない
- 障害者が乗車していない
また駐車禁止除外指定車標章を提示していても、交差点や横断歩道、踏切、バス停から数メートル以内に車を止めてはいけません。
駐車禁止除外指定車標章を利用すれば、どこでも駐車できるわけではありません。また駐車場のように、何時間も停車が可能というわけではなく、あくまでも常識の範囲内での駐車時間になります。
障害者が駐車禁止除外指定車標章を利用して路上駐車するにしても、取り締まりの対象にならないように注意しましょう。
障害者手帳を利用するときの駐車ルールを学ぶ
すべての人が駐車ルールを守らなければいけません。このとき身体障害者であれば、身体障害者用の駐車スペースを利用できますし、公営駐車場であれば利用料が無料になります。
ただ駐車場の利用が最適ではないケースがあります。障害者は移動が大変であるため、目的地に対して遠くにしか駐車場がない場合、目的の場所へ出向くのが困難です。こういうとき、駐車禁止除外指定車標章を利用すれば駐車禁止の対象外になります。
しかし、駐車禁止除外指定車標章を利用しての路上駐車が常に許されるわけではありません。取り締まりの対象になるケースがあるため、この状態は避けましょう。
障害者本人や介護者が車を運転することはよくあります。こうしたとき、障害者手帳をうまく利用することで駐車しましょう。
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