障害者であれば、多くの人が障害者手帳をもっています。障害者手帳はグループホームを利用するときについても重要です。
また、障害者グループホームを利用するうえで必要となる書類に障害福祉サービス受給者証があります。障害福祉サービス受給者証がなければ、障害者グループホームに入居することはできません。
それでは、グループホームにおいて障害者手帳と障害福祉サービス受給者証の違いには何があるのでしょうか。障害者手帳なしでは、グループホームを利用できないのでしょうか。実は、手帳なしでも障害者施設への入居は可能です。
そこで、障害者グループホームへ入居するための条件を学びましょう。グループホームでの障害者手帳と障害福祉サービス受給者証の役割を解説していきます。
もくじ
原則、入居に障害者手帳が必要
障害者グループホームへ入居するとき、原則として障害者手帳が必要になります。以下が障害者手帳の種類と対象者です。
- 身体障害者手帳:体の機能に障害のある人
- 療育手帳:知的障害のある人
- 精神障害者保健福祉手帳:精神障害のある人
どの障害者手帳であっても、保有していれば障害者総合支援法の対象になります。手帳を持つことにより、以下の優遇があります。
- 電車・飛行機・バス・タクシーなどの割引
- テーマパーク・動物園・水族館・映画館・観光施設の割引
- 医療費の助成
- 税金の控除・減免
- 障害者雇用の活用
こうした特典を得られるのが障害者手帳であり、メリットばかりでデメリットは特に存在しません。そのため大人になって統合失調症を発症したり、事故や難病によって体が動きにくくなったりした場合、早めに障害者手帳を申請するといいです。
身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳を申請する
障害者グループホームでは、レクリエーションの一環として外出することがよくあります。このとき例えば美術館へ行く場合、障害者手帳を利用することで割引になります。
また障害の程度が軽度でも重度でも、昼間に一般企業や作業所などで仕事をするのが一般的です。このとき公共交通機関を利用して出かける障害者の場合、障害者手帳があれば交通費が割引となります。ほかには、薬をもらうために通院するのは普通であり、このときは医療機関の利用で助成があります。
このように、障害者グループホームを利用するうえで障害者手帳は多くの場面で利用されます。そのため、障害者グループホームを利用するときに障害者手帳の提示を求められるのです。
なお、障害者手帳の申請は役所で行います。役所で相談後、指定医に診断書を作成してもらい、この書類を役所の窓口に提出します。その後、1~2か月ほどで障害者手帳が発行されます。
障害者手帳なしでも入居できる?
ただ人によっては、障害者手帳なしのケースもあります。つまり自治体によって障害の審査基準は異なりますし、事情があって障害者手帳をもてない人がいるかもしれません。
前述の通り、障害者グループホームへ入居するときに障害者手帳の提示を求められるのは普通です。ただ正確にいうと、障害者グループホーム(共同生活援助)を利用するにあたり、障害者手帳は不要です。つまり、障害者手帳なしであっても問題なくグループホームへ入居できます。
ただ障害者手帳なしで入居可能であっても、障害福祉サービス受給者証は必須です。以下のような書類が障害福祉サービス受給者証です。
障害福祉サービス受給者証が必須であるため、これがないと障害者グループホームを利用するのは無理です。メリットばかりであるため、特別な理由がない限り障害者手帳を申請すればいいです。ただ、障害者手帳なしでグループホームを利用できることは理解しましょう。
障害者手帳と障害福祉サービス受給者証はまったくの別物
理解しないといけないのは、障害者手帳と障害福祉サービス受給者証はまったくの別物という事実です。そのため利用できるサービス内容は異なり、障害福祉サービス受給者証がなければ障害者グループホームを利用できないというわけです。
実際に知的障害者や精神障害者、身体障害者、難病患者がグループホームを利用するとき、障害福祉サービス受給者証に対して、以下のように共同生活援助(グループホームのこと)が記されます。
なお、障害福祉サービス受給者証を利用することによって可能な支援サービス内容には以下があります。
- グループホーム(共同生活援助)
- 就労移行支援
- 就労継続支援(A型・B型)
- 短期入所(ショートステイ)
- 移動支援
- 居宅介護
他にもたくさんありますが、いずれにしても障害福祉サービス受給者証によって可能になる支援内容は多いです。
なお障害者手帳については、更新が必要になるケースがあります。このとき障害者手帳は期日が一つであるため、更新日が近づいたら申請すればいいです。
一方、障害福祉サービス受給者証は項目ごとに期限があります。例えば「グループホームの利用期限と就労継続支援の利用期限が異なる」というケースはよくあります。以下のように、項目ごとに適用期間が定められているのです。
基本的には障害者グループホーム側が期日を管理することになりますが、障害福祉サービス受給者証に存在するそれぞれの項目について、期限が近づいたら更新または廃止を考えなければいけません。
障害支援区分の指定が必要になる
なお障害者グループホームを利用するにあたり、事前に障害支援区分の指定を受ける必要があります。つまり、障害者施設へ入居するためには以下の条件を満たさなければいけません。
- 区分の指定を受ける
- 障害福祉サービス受給者証を受け取る
そのため役所で障害区分の指定を受けていない場合、障害福祉サービス受給者証の申請をする前に、事前に区分の指定を受けておきましょう。区分は1~6まで存在し、数字が大きくなるほど障害の程度が大きくなります。
なお厳密には、区分なしでもグループホームを利用することは可能です。障害者の認定を受けているものの、区分の決定がないパターンが該当します。ただ区分がない場合、月の利用料金が数十万円と莫大になるため、区分なしに障害者グループホームを利用する人は基本的にいません。
そのため、やはり障害者グループホームの利用を考えているのであれば、障害支援区分の指定を事前に受けるようにしましょう。
役所へ相談後、グループホームを探す
このように障害者グループホームを利用するにしても、役所で認定を受けなければいけません。そこで、事前に流れを理解しましょう。
障害者グループホームを利用するときの大まかな流れとしては、「最初に役所で手続きや申請を行い、障害支援区分やサービス利用の決定後に入居するグループホームを探す」ことになります。
役所で手続きをすることで障害者手帳の交付や支援区分の決定、障害福祉サービス受給者証の受け取りをすることができます。
これらの準備が整えば、自ら障害者グループホームを探し、見学や体験入所を行い、契約の後に正式な入所となります。グループホーム探しを担当者に投げてもいいですが、それだと入所まで数年の時間がかかるのは普通なので、自分で希望するグループホームを探すのです。
こうした流れにより、障害者グループホームを利用できるようになります。役所で手続きしなければいけない作業が複数あるため、グループホームを探す前に障害福祉サービス受給者証の発行や区分の決定を受けましょう。
障害福祉サービス受給者証を利用して障害者施設へ入居する
知的障害者や精神障害者、身体障害者、難病患者が障害者グループホームへ入居するとき、必要になる書類があります。
特別な理由がない限り、すべての障害者が障害者手帳を申請します。そこで、グループホームへ入居する前に障害者手帳を保有しておきましょう。
ただ障害者手帳なしでもグループホームは利用できます。障害福祉サービス受給者証があれば、障害者施設を利用できるのです。それに加えて、区分の指定を受けることによって格安にてグループホームへ入居できます。
障害者グループホームを利用するとき、障害者手帳や障害福祉サービス受給者証の違いを学びましょう。これにより、どのように障害者施設を利用すればいいのかわかります。
家賃のほとんどが自治体から助成され、食費や水道光熱費など、必要最低限の出費で住めるシェアハウス形式の施設が障害者グループホームです。介護スタッフが常駐しているため家族の負担はゼロになり、親亡き後問題も解決できる施設となります。
障害者グループホームは一般的に「空きが少ない」といわれています。ただ、それは「担当者が知っている範囲で空きがない」というだけであり、実際には多くの空きがあります。近隣の自治体まで含めれば、すぐに入居可能な障害者グループホームはいくつも存在します。
ただ障害者グループホームによって居住に関するルールは大きく異なり、利用者(障害者)にとって最適な施設を選ばなければいけません。
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