知的障害者や精神障害者、身体障害者、難病患者にとって、グループホームは家と同じです。そのため、利用者は施設内で自由に過ごすことができます。
ただ、障害者グループホームは共同生活をする場でもあります。そのため身勝手な行動は禁止されており、食事時間や門限などは決められています。
障害者グループホームを利用する場合、こうしたルール・規則を守らなければいけません。規則を守って生活するからこそ、ほかの人との共同生活を送れるようになるのです。またルールを守らない場合、グループホームでは容易に事件・事故へと発展します。
それでは、障害者グループホームにはどのような規則が存在するのでしょうか。またルールを破ると、どのような事態に陥るのでしょうか。障害者施設に存在するルールを解説していきます。
もくじ
共同生活の場である障害者施設にはルール・規則がある
すべての障害者施設についてルールが存在します。施設利用者が好き勝手に行動する場合、集団生活を維持することはできません。これはつまり、障害者が規則正しい生活を送れないことを意味しています。そのため、どのグループホームにも規則があるのです。
それでは、具体的にどのような規則があるのでしょうか。このとき重要な「ルールに関する内容」は以下になります。
- 食事や門限などの時間
- 外出時の連絡
- 家族や友人との旅行・外泊
- お風呂の順番や洗濯の時間
- 異性問題:同性の訪問や恋愛
- その他、細かい規則
それぞれについて確認していきます。
食事や門限など、時間が決められている
どの障害者グループホームでも食事の時間が決められており、門限が存在します。障害者施設によって多少、時間は異なりますが、例えば以下のようになります。
- 7:00:朝食
- 12:00:昼食
- 18:00:夕食
- 22:00:消灯(門限)
事前に「食事不要」と伝えている利用者を除き、ほとんどのケースで利用者は食事の時間になるとリビング(交流スペース)に集まります。また外出していた人であっても、食事時間や門限までにはグループホームに戻ります。
無断で食事時間や門限を守らないと、職員は「利用者に何か事件・事故が起こっているのでは?」と考えます。そうしてスタッフは近隣を捜索し、見つからなければ家族や警察へ連絡します。
過去には、「障害者グループホームから脱走し、結果として全国ニュースになり、その数日後に海で遺体が見つかった」などの事故が実際に起こっています。また、障害者が外出中に不安症状が強く表れ、動けなくなった結果、熱中症で倒れるなどの事故はよくあります。
食事や門限を守るというルールは、障害者グループホームを利用するうえで非常に重要です。これは、守らなければ警察を巻き込む事件・事故へと発展するからです。
外出は自由だが事前の連絡が必要
そのため外出をするとき、事前の連絡が必須です。法令を守っている障害者グループホームでは、すべての障害者施設で利用者は自由に外出できます。ただ、介護職員は施設利用者が「どこへ出かけ、何時ごろに戻ってくるのか」を把握する必要があります。
仮に食事の時間や門限を過ぎた場合、前述の通り介護スタッフは捜索しなければいけません。このとき、ヒントなしでは捜すのは難しいため、事前に行き先を把握しておく必要があるのです。障害者施設によって具体的なルールは異なりますが、例えば以下のようにホワイトボードを利用することはよくあります。
もちろん外出前にスタッフへ直接、行き先や帰宅時間を伝えても問題ありません。いずれにしてもどこへ行き、いつ帰るのかを知らせる必要があります。
施設利用者は外出が自由であるものの、外出時のルールは守らなければいけません。そうでないと、行方不明になったと思われて大変な事態に陥ります。
旅行・外泊は家族や友人と一緒なら可能
なお場合によっては、旅行・外泊をしたいと考えることもあります。障害者が利用する施設であるため、基本的にグループホームでは一人での外泊は認められません。近場への外出であってもトラブルが発生するケースがあり、外泊となると本格的に行方不明になったときに大変です。
ただ家族と一緒に一時的に実家で過ごすのは何も問題ありません。また、家族や友人と一緒に旅行へ行くのも自由です。
家族や友人と一緒であれば、気分の落ち込みなど何かトラブルがあっても対処してくれる人が近くにいることになります。そのため、通常は許可してくれるのです。
なお外泊時、「薬を正しく服用できる」ようにするのは重要であるため、薬の飲み方を家族や友人と共有するのは重要です。また友人と一緒に旅行へ出かけるのであれば、いつでも連絡できるように、友人の連絡先を伝えるのも重要です。
障害者グループホームという性質上、どうしてもトラブル時のことまで含めて考えなければいけません。
お風呂の順番や洗濯の時間が存在する
他のルールとして、お風呂の順番があります。多くの場合、障害者グループホームでは浴槽やトイレが共同利用となります。このとき、お風呂の順番が事前に決められていることが多いです。スタッフが声がけをするため、順番に入るのです。
共同利用であるため、浴槽を利用しているときは以下のように「入浴中」であることを示すことになります。
なお、お風呂セットを自分の部屋に置いておき、入浴するときに持っていくのが一般的です。そのため、自分用のお風呂セットを用意しましょう。
また夕方から消灯までの間に洗濯をして、洗濯物を干さなければいけません。障害者グループホームには複数の人が住んでいるため、洗濯物を洗濯機の中に放置するのではなく、洗ったのであれば素早く洗濯物を回収して干す必要があります。
このとき、洗濯物を干す場所は自室の中(または、部屋に付属してあるベランダ)です。
浴室とトイレがすべての部屋に備え付けられているワンルームタイプであれば、順番を気にする必要はありません。ただこれらの施設が共同利用の場合、障害者施設のルールを守って利用しましょう。
同性の友人のみ訪問可能:異性の訪問や同じ施設での恋愛は禁止
障害者グループホームを利用するにあたり、ほかに重要なルールとして異性の問題があります。ほとんどの場合、障害者グループホームは男性専用または女性専用となっています。以下のように、男女別に分かれているのです。
男性利用者によっては、女性が苦手な方がいます。女性利用者についても、同じ施設内に男性がいるのは適切ではありません。
また同じ施設で生活するため、男女混合だと性の問題も起こります。グループホームでは若い利用者も多いため、同じ施設内で恋愛があるとスタッフにとって面倒な問題ばかり発生します。例えば、スタッフに内緒で体を重ね合わせるのは普通です。
そのためグループホームは男性専用または女性専用ということもあり、異性の友人は基本的に入れません。またグループホームでは近くに複数の施設が点在していることが多いものの、同じグループホームの利用者同士での恋愛は通常、禁止されています。
もちろん家族や子供であれば、異性を含めて何も問題なく訪問できます。例えば以下は、障害者グループホームでスタッフの子供と利用者が遊んでいるときの様子です。
障害者グループホームは特定の性別に分かれています。そのため、家族や子供を除いて異性の訪問は基本的にできません。
その他、細かい規則はある
知的障害者や精神障害者、身体障害者、難病患者がグループホームを利用するとき、ほかにも細かいルールは存在します。グループホームによってルール・規則は異なりますが、例えば以下になります。
- 食べ残しを翌日に食べるのは禁止(食中毒の恐れがあるため)
- 自分で調理したい場合、事前の許可が必要
- お金の貸し借りは禁止
- 居室でのたばこは禁止
細かいルールについては、障害者グループホームに確認しましょう。入居前に確認することで、どのような規則が存在するのか把握できます。
ダメなルールを採用しているグループホームは避ける
なおすべての障害者グループホームが優れた施設とは限りません。場合によっては、意味不明なルール・規則を設けていることもあります。
例えば「浴槽を利用できるのは一日おき」「洗濯物は二日ごとに可能」などです。こうしたルールがあれば、介護職員としては仕事が楽です。浴槽利用のとき、お風呂が空くとスタッが順番に呼ぶ必要があるものの、その手間を省けます。また、洗濯の空き状況を把握する必要性も少なくなります。
しかし、利用者にとっては非常に利便性が悪いです。大量の汗をかいてもお風呂に入ることができず、その日のうちに洗濯もできません。
こうしたルールを設けている障害者グループホームは悪い施設であり、避けなければいけません。施設利用者に対して不利なルールを採用しているグループホームが優れるわけがありません。これらの点も含めて、グループホームに存在するルール・規則の確認が重要になるのです。
障害者施設に存在するルールを把握する
すべての障害者グループホームでルールが存在します。例えば食事や門限の時間は決められており、この時間までに帰るのが一般的です。食事が不要の場合は事前に伝える必要があるものの、それ以外の人はリビングに集まって全員で食事をするのです。
なお外出は自由ですが、事前に行き先や帰宅時間を伝えなければいけません。グループホームで脱走や行方不明者が出るのは普通なので、こうした行き先を伝えるのは必須です。
また、ほかにもお風呂の順番や洗濯の時間、異性の問題など、細かいルールは存在します。こうした規則を守ることにより、ほかの障害者との共同生活が可能になります。
ただ場合によっては、ダメなルールを設けている障害者施設も存在します。そこでグループホームに存在するルールを事前に確認し、優れた障害者施設へ入居しましょう。
家賃のほとんどが自治体から助成され、食費や水道光熱費など、必要最低限の出費で住めるシェアハウス形式の施設が障害者グループホームです。介護スタッフが常駐しているため家族の負担はゼロになり、親亡き後問題も解決できる施設となります。
障害者グループホームは一般的に「空きが少ない」といわれています。ただ、それは「担当者が知っている範囲で空きがない」というだけであり、実際には多くの空きがあります。近隣の自治体まで含めれば、すぐに入居可能な障害者グループホームはいくつも存在します。
ただ障害者グループホームによって居住に関するルールは大きく異なり、利用者(障害者)にとって最適な施設を選ばなければいけません。
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