障害者グループホームを利用する知的障害者や精神障害者、身体障害者、難病患者について、旅行・外泊をしたいと考えるのは普通です。

どのグループホームについても、利用者の外出は自由です。ただ外泊については、一人で勝手に旅行へ行くのは基本的に認められません。ただ家族や友人と一緒に旅行・外泊をするのであれば、特に何も問題ありません。または、外出支援サービスを利用することもできます。

ただ医療的ケアが常に必要な場合、外泊が認められないケースがあります。また数日や1週間ほどならいいものの、長期の外泊を認めていない障害者施設はよくあります。

それでは、どのように考えて障害者グループホームの利用者は旅行・外泊をすればいいのでしょうか。障害者グループホームでの外泊について解説していきます。

グループホームで一人での外泊は基本的にできない

知的障害や精神障害、難病など、何かしらの障害をもつ人が共同生活を送る場所がグループホームです。ただ障害者施設では、利用者を拘束したり閉じ込めたりすることはできません。そのため、法令を無視しているダメな障害者施設を除き、どのグループホームも外出は自由です。

このとき以下のように、ホワイトボードを利用することで外出時間や行き先、帰宅時間がわかるように工夫するのはよくあります。

ただ外出は自由であっても、旅行・外泊は自由ではありません。特に一人での旅行は基本的に認めてくれません。

近場への外出であっても、「外出時は精神状態が落ち着いていたが、外出中に不安症状が強くなって動けなくなる」などの状況は珍しくありません。知的障害や精神障害、難病を発症していると、外出先で非常事態を生じるリスクがあるため、一人での旅行は認められないのです。

グループホームで食事や門限の時間が決められているのは理由があります。こうした時間までに戻らない場合、介護職員は「何か悪い事態が起こっているのではないか?」と考えます。そうして捜索が始まりますが、こうした決まりは利用者を守るためでもあるのです。

家族・友人との旅行であれば自由に外泊できる

ただ旅行や外泊が完全にダメなのかというと、当然ながらそういうわけではありません。家族と一時的に家で過ごしたり、友人と一緒に旅行したりする場合であれば、自由に外泊できます。

家族であっても友人であっても、すぐ隣に世話をする人がいることになります。そのため知的障害や精神障害があっても対応でき、少なくとも行方不明の状態にはなりません。そのため信頼できる誰かと一緒の外泊であれば特に問題ありません。

・薬の管理や服用は重要

なお知的障害者や精神障害者、身体障害者、難病患者が旅行・外泊するにあたり、薬の管理は徹底しなければいけません。グループホームであれば、例えばお薬カレンダーを利用することにより、いつどのタイミングで薬を服用すればいいのかわかります。

一方で旅行や外泊となると、家族や友人などの付き添い人が薬の管理をすることになります。症状が軽度であれば自分での服用は可能かもしれませんが、いずれにしても一緒に旅行・外泊する人についても、障害者の薬の服用タイミングを把握しておいたほうがいいです。

そのため旅行をするとき、「どのように薬を服用すればいいのか」に関する内容を家族や友人などの同行者で共有するといいです。

これにより、持参した薬をどのように服用すればいいのか明確にわかります。

・旅行・外泊をしても家賃などの費用は発生する

なお旅行や外泊をしても、グループホームで必要な家賃は発生します。これについては、賃貸物件についても契約していれば自動的に家賃が発生するため、障害者施設へ家賃を支払わなければいけないのは当然です。

事前に連絡をすることにより、食事代を請求されることはありません。一方で家賃や水道光熱費が定額の場合、こうした費用支払いが必要になるのです。

外出支援サービスでの外泊であれば可能

なお人によっては、自分の力での外出・外泊が難しいケースがあります。この場合、行政から「一人での外出が難しい」と認められることにより、外出支援サービスを受けられるようになります。

一人の外泊ではあっても、外出支援サービスを利用すれば外泊が可能です。数時間や1日の外出だけでなく、外泊でも利用できるのが外出支援サービスです。

ただ数時間の外出ではなく、外泊となると利用料金が高くなります。また外出支援サービスを実施してくれるヘルパーの交通費は利用者の完全自費負担です。そのため外出支援サービスを利用しての外泊となると、利用料は何万円にもなります。

そのため外泊時に気軽に利用できるサービスではありませんが、経済的余裕がある場合は利用を検討してもいいです。

事前連絡をしないと大事件に発展する

なお旅行・外泊をするときは必ずグループホームの職員へ事前に連絡しましょう。そうしないと、大事件へと発展するからです。

食事や門限の時間になっても利用者が現れない場合、介護スタッフは「何か事件・事故に巻き込まれたのではないか?」と考えて近隣を探すことになります。

もし見つからなければ、親など家族へ連絡されます。家族旅行ならこの時点で外泊だとわかるものの、友人との旅行であればわかりません。

そうして家族へ連絡しても行方が分からず、さらには何時間捜索しても見つからない場合、警察へ連絡が行きます。このときグループホームの近くの警察であっても見つからない場合、全国規模の捜索になってしまう可能性があります。こうして、捜索の規模が大きくなっていくのです。

こうした事態は必ず避けなければいけません。そのため、グループホームの利用者の外泊では事前の連絡が必須となります。

医療的ケアが必要な場合、外泊不可なケースがある

家族や友人と一緒であれば基本的に自由に旅行・外泊が可能であるものの、場合によっては外泊できないケースがあります。

わかりやすい例としては、重症心身障害者や重い難病などで医療的ケアが必要な方が該当します。人によっては常時、医療的ケアが必要なケースがあります。点滴をしたり、経管栄養を実施していたりする場合、外出での医療ケアが難しいです。

また外泊ができるように思えても、人によっては環境の変化によって興奮状態になったり、反対に抑うつ状態になったりします。睡眠障害が悪化してしまうこともあります。

・人への危害があると微妙

さらにいうと、知的障害者や精神障害者によっては暴れるリスクのある人もいます。実際に暴れる場合、手に負えなくなります。参考までに、以下は障害者グループホームで利用者が暴れた後の様子です。

グループホームは利用者にとって家と同じであるため、被害は大きいものの、第三者に影響があるわけではありません。

ただ旅行先で暴れる場合、他人の物が壊されることになりますし、第三者がケガをするリスクもあります。自分をコントロールできない場合、外泊は適していないですし、外泊不可になることもあります。

長期の旅行・外泊は基本的に認められない

なお家族や友人と一緒での外泊が可能な障害者であっても、数週間にもおよぶ長期の旅行や外泊については、認められないケースが多いです。

グループホームは共同生活を送る場であるため、規則正しい生活を送ったり、自立したりすることを目的としています。障害者施設で別々に食事をとるのではなく、食事の時間を決めて全員で食べるのは理由があるのです。

また多くの場合、障害者は昼に働くことになります。長期の旅行をする場合、仕事をすることはできません。

一般的なサラリーマンが旅行のために長期で何週間も仕事を休むのがないのと同じように、障害者についても規則正しい生活を送るため、長すぎる外泊は基本的に認められないのです。

なお、グループホームによっては長期の旅行・外泊を認めてくれるケースがあります。これについては障害者施設によって判断が異なるため、事前に確認が必要です。ただ長期の外泊拒否は悪い判断ではなく、自立支援という観点でいうと、障害者本人にとって良い判断であることは多いです。

障害者施設は外泊できるが条件は存在する

グループホームの利用者は自由に外出できますが、外泊については条件があります。当然、一人での外泊は認められないケースが多いです。症状が非常に軽かったり、精神障害がほぼ完治に近かったりしている状態なら問題ないものの、そうでない人が単独で旅行・外泊するのはリスクしかありません。

一方、家族や友人と一緒での外泊であれば可能です。付き添いの人がいるからです。ただこの場合であっても、薬の服用など注意点はいくつも存在します。

場合によっては、外泊が微妙な人もいます。常時の医療的ケアが必要だと外泊は無理ですし、暴れるリスクがある人は外泊が適切ではありません。つまり、障害者ごとの状況によって外泊できるかどうかが違ってきます。

ほかの人と一緒であれば基本的には自由に外泊できるものの、障害者が旅行・外泊をするとき、こうしたルールが存在することを理解しましょう。

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