生活保護や住民税の非課税世帯など、低所得者が利用できる施設に無料低額宿泊所があります。無料低額宿泊所を利用することにより、非常に低い値段で寝泊まりできます。
ただ、無料低額宿泊所の利用料は無料ではありません。これは、たとえ生活保護であっても同様です。そのため、「無料じゃないの?」と思っていると費用の請求で驚いてしまいます。管理費や食事代、水道光熱費などは別に発生するのです。
それでは、無料低額宿泊所の家賃やその他の料金としては何があるのでしょうか。無料低額宿泊所を利用するときに発生する金額について解説していきます。
もくじ
生活保護だと無料低額宿泊所の家賃は無料
無料低額宿泊所というのは、何が無料または低額なのでしょうか。これは、家賃を表します。無料低額宿泊所で寝泊まりする人は失業者や障害者、ホームレスなどが多く、こうした人で生活保護を利用するのは普通です。
生活保護の場合、住宅扶助によって家賃分が出されます。住宅扶助により、たとえ一人暮らしであっても問題なく生活場所を確保できます。
ただ住宅扶助を利用する場合、「家賃は一定の基準以上、超えてはいけない」という上限家賃のルールがあります。つまり家賃の低い物件のみ住むことができます。ただ生活保護は審査が厳しく、すぐに住める賃貸マンション・アパートを見つけられるわけではありません。
そこで必ず住宅扶助の範囲内に収まる家賃設定となっており、さらには低所得者がメインで利用できる施設が無料低額宿泊所なのです。
住宅扶助の範囲で住めるため、無料低額宿泊所を利用する場合、生活保護では家賃分が無料というわけです。
それ以外の低所得者は家賃が発生する
一方で生活保護ではなく、住民税の非課税世帯が無料低額宿泊所を利用する場合、住宅扶助は存在しません。そのため、家賃分の負担が必要になります。
ただ無料低額宿泊所の家賃は住宅扶助の範囲内であるため、たとえ住宅扶助がないにしても、他の賃貸物件に比べると家賃は安いです。もちろん無料低額宿泊所の中でも都市部では家賃が高く、地方では家賃が低いです。ただ無料低額宿泊所を利用する以上、家賃は住宅扶助の上限金額以下というわけです。
また無職や低所得者の場合、賃貸マンション・アパートの審査に落ちやすいです。収入がないため、家賃滞納のリスクが非常に高いからです。
一方で無料低額宿泊所は低所得者のための施設であり、たとえ貯金ゼロになっても、そのときに生活保護を申請&受給すればいいです。問題なく住居を確保できるため、住民税の非課税世帯で無料低額宿泊所を利用する人もいます。
費用は無料じゃない?それ以外の利用料
なお無料低額宿泊所の利用で家賃が無料または低額になるとしても、それ以外の費用が発生します。生活保護で無料と思っていても、家賃が住宅扶助によって無料になるだけです。そのため、「すべて無料じゃないのか?」と勘違いしてはいけません。
例えば、無料低額宿泊所では以下の費用が発生します。
- 食事代
- 水道光熱費
- 日用品費
- 管理費(共益費・生活支援費用)
そのため、実際に無料低額宿泊所を利用する場合はこれらの費用を考えなければいけません。
食事代や水道光熱費が発生する
すべての施設について、家賃とは別に食事代や水道光熱費が発生すると考えてください。無料低額宿泊所で食事を提供している施設は全体の85.9%であり、多くの施設で食事を提供しているとわかります。
また水道光熱費についても、すべての施設で発生します。それに加えて、共益費などの名目によって発生する費用もあります。
さらには、多くの無料低額宿泊所で生活支援費用があります。要は、サービス料(人件費)に相当する部分を徴収されるというわけです。
障害福祉サービスの利用であれば、生活保護や住民税の非課税世帯はサービス料が無料です。つまり、人件費に対する費用負担はありません。ただ無料低額宿泊所では、国からそうした人件費に相当する補助金がありません。そのため、生活支援費用がそれなりに高くなってしまいます。
食費やそれ以外の値段は平均いくら?
それでは家賃以外の値段はどれくらいになるのでしょうか。生活保護では家賃が住宅扶助によって無料になるとして、その他の料金について把握しなければいけません。
厚生労働省の資料では、食事を提供している施設について、全体で平均31,960円が月の料金となっています。そのため、こうしたお金を利用者から徴収します。
なお無料低額宿泊所での食事について、「レトルト食品など微妙な内容」「1日2食の提供」などは多いです。要は食事の量が少なく、まずいのは普通です。そのため実際には、足りない食費部分を個人的に出す必要があり、本来よりも多くの費用が必要になるのは普通です。
・食費以外の費用内訳は何か?
それでは、食費以外の費用としては何が発生するのでしょうか。厚生労働省の資料では、以下のようになっています。
内訳 | 月の平均費用 |
水道光熱費 | 9,704円 |
共益費 | 5,529円 |
日用品費 | 2,399円 |
生活支援費用 | 14,551円 |
その他の雑費 | 3,760円 |
合計 | 22,133円 |
※無料低額宿泊事業を行う施設の状況に関する調査結果について
無料低額宿泊所では、こうした利用料が発生します。通常、共益費と生活支援費用を合わせて、管理費として徴収されます。管理費用が高いのは、生活支援費用(サービス料金:人件費に相当)がそれなりに高額になるからです。
住宅扶助によって生活保護受給者の家賃が無料になっても、その他の費用がそれなりにかかります。そのため無料低額宿泊所が安いかというと、必ずしもそういうわけではありません。むしろ、賃貸マンション・アパートで一人暮らしをするほうが安いのは普通です。
また低所得の障害者の場合、障害者グループホームではサービス料が無料であるため、障害者施設に住めば本当の意味での格安となります。このように、無料低額宿泊所とはいっても、格安で利用できるとは限りません。
無料低額宿泊所の利用料金を把握する
低所得者で住む場所がない場合、無料低額宿泊所が候補になります。ただ無料低額宿泊所の利用は「すべて無料」ではありません。生活保護では住宅扶助によって家賃が無料になるものの、住民税の非課税世帯では家賃が発生します。
また生活保護であっても、無料になるのは家賃のみです。その他の費用は無料ではないため、食事代や水道光熱費、管理費などを支払わなければいけません。
食事代や水道光熱費、管理費(共益費・生活支援費用)、その他の雑費を合わせると、それなりに支出が発生します。生活保護であれば、給付される生活保護費の中で収まるものの、それでも残るお金が多いわけではありません。事実、無料低額宿泊所ではなく障害者施設など、その他の施設を利用するほうが格安で済みます。
無料低額宿泊所を利用するとき、家賃以外に利用料金が発生します。こうした事実や値段相場を把握したうえで、一時的に住む場所として無料低額宿泊所を活用しましょう。
家賃のほとんどが自治体から助成され、食費や水道光熱費など、必要最低限の出費で住めるシェアハウス形式の施設が障害者グループホームです。介護スタッフが常駐しているため家族の負担はゼロになり、親亡き後問題も解決できる施設となります。
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