障害者であっても一般企業で働くほうが望ましいです。ただ障害の程度が重い場合は企業就職が難しく、こうした障害者は就労継続支援A型(就労A)や就労継続支援B型(就労B)で働きます。
ただ症状の重い障害者が自らの力で作業所へ出向くのは現実的でないケースが多いです。その場合、就労継続支援A型・就労継続支援B型にて送迎サービスを依頼できます。送迎料金は無料または格安であり、積極的に活用するといいです。
それでは作業所を利用するとき、どのように送迎サービスを活用すればいいのでしょうか。就労継続支援A型・就労継続支援B型での送迎について解説していきます。
もくじ
就労継続支援A型・就労継続支援B型で送迎可能
障害者が就労継続支援A型・就労継続支援B型を利用するとき、通常は通所型になります。つまり、特定の場所(作業所)まで出向かなければいけません。
ただ障害者が居宅から外出し、自力で就労継続支援A型・就労継続支援B型へ出向くのは難しい場合がよくあります。その場合、事業所側による送迎サービスを利用できます。
就労Aでも就労Bでも、送迎サービスを実施している施設は多いです。特に、より重度の人が利用する就労継続支援B型の場合、ほとんどの施設で送迎対応しています。
もちろん、施設によっては送迎なしの場合もあります。これについては事業所によって方針が異なるため、事前に確認しましょう。
交通費支給はなく、自力または送迎で出向く
なお就労継続支援A型・就労継続支援B型へ出向くとき、主に以下の方法があります。
- 自力で行く:徒歩や公共交通機関(電車、バスなど)
- 家族が送迎する
- 施設が送迎する
このように、自力または送迎によって作業所へ出向くようにしましょう。なお自力で出向くとき、交通費の支給はありません。そのため、自ら行く場合は交通費の分だけお金が出ていくと考えましょう。
障害福祉サービスにより、送迎料金は無料または格安
送迎なしであれば仕方ないものの、送迎対応ありの施設を利用する場合、できるだけ送迎サービスを依頼するといいです。実際のところ、送迎を依頼してもほとんどお金が必要ないからです。
親元を離れて暮らしている障害者について、就労継続支援A型・就労継続支援B型の利用者はほとんどが生活保護または住民税の非課税世帯です。障害年金と作業所で得られるお金がメインの収入になり、作業所で働いても低所得者である事実は同じです。
こうした低所得者は就労継続支援A型・就労継続支援B型の利用料が無料です。また送迎サービスを実施している施設については、国に送迎加算を請求できます。つまり、生活保護や住民税の非課税世帯は無料にて送迎サービスを利用できます。
なお親または配偶者と一緒に住んでいるなど、世帯収入がある場合、障害福祉サービスは利用料が無料ではありません。ただ障害福祉サービスは1割負担で済むため、送迎サービスを利用するにしても格安です。さらには、障害福祉サービスには月の負担上限額もあります。
障害福祉サービスでの月の負担上限額は以下のようになっています。
状態 | 負担上限額 |
生活保護 | 0円 |
住民税の非課税世帯 | 0円 |
世帯年収600万円以下 | 9,300円 |
世帯年収600万円超 | 37,200円 |
そのため公共交通機関を利用して出向いてもいいですが、施設による送迎サービスを利用するほうが非常に安く通所できます。たとえ費用負担があっても、公共交通機関の利用による交通費の支払いよりは、施設による送迎金額のほうが低くなります。これも、送迎対応がある場合、積極的に送迎サービスを利用するべき理由です。
送迎対応の事業所の割合は?
それでは、実際のところ送迎対応している就労継続支援A型・就労継続支援B型の割合はどのようになっているのでしょうか。送迎なしの事業所もあるため、事前に知っておく必要があります。
就労継続支援B型は雇用契約なしで働くため、重度の障害者であっても利用している人が多いです。ただ、中等度や重度の障害者が自らの力で作業所へ通うのは現実的ではないため、大多数の就労Bで送迎サービスに対応しています。
厚生労働省による「就労継続支援に係る報酬・基準について」では、就労継続支援B型で送迎サービスを実施している施設の割合は以下のようになっています。
- 送迎加算を請求する就労Bの割合:69.7%
このように、約7割の就労Bの施設で送迎サービスを実施しているとわかります。
それに対して、雇用契約を結ぶことで就労継続支援B型よりも高額な賃金を得られる福祉制度が就労継続支援A型です。就労Bに比べて、より自立している障害者が就労Aを利用します。ただ就労継続支援A型であっても、以下のような送迎サービスの実施割合になっています。
- 送迎加算を請求する就労Aの割合:41.9
このように、就労Aであっても約4割の事業所は送迎サービスに対応しています。そのため必要であれば、就労継続支援A型の利用を考えている障害者についても、事業所まで送迎してもらいましょう。
どのような理由で送迎を利用するのか
それでは就労継続支援A型・就労継続支援B型について、具体的にどのような理由で送迎サービスを利用するのでしょうか。先ほどの厚生労働省による資料では、以下がメインの理由になっています。
- 公共交通機関での通所が難しい
- 重度障害者など、通所が困難
このように車いすの利用や障害が重度など、自力で通えない人が送迎の対象になっています。
・自力での通所が可能な場合、対応しないことがある
なお作業所が送迎サービスを実施しているとはいっても、すべてのケースで送迎を依頼できるわけではありません。事業所によっては、「個別に送迎の必要性を判断しており、通所可能な障害者には原則として送迎サービスを実施しない」としている事業所も存在します。
もちろん、自力で通所可能であっても希望があれば送迎対応している施設もあります。
就労継続支援A型・就労継続支援B型によって送迎サービスに対する方針は大きく異なります。そこで、送迎が可能かどうかについて利用したい施設に確認してみましょう。
就労A・就労Bの利用で送迎してもらう
すべての人にとって、自力で施設へ向かうよりも送迎してもらうほうがいいです。送迎サービスであれば、交通費支給はない一方で、無料または格安で利用できます。また親族に送迎を依頼しなくても、問題なく施設側が送迎に対応してくれます。
就労継続支援A型・就労継続支援B型について、多くの施設で送迎可能です。就労継続支援B型では約7割、就労継続支援A型では約4割の施設が送迎に対応しています。
公共交通機関を利用できないなど、こうした障害者は送迎ありの施設を利用することで問題なく対応できます。一方で自力にて通える障害者については、「送迎ではなく自ら通う」ように指導されるケースもあります。これらの対応は施設によって大きく異なります。
障害者にとって、就労継続支援A型・就労継続支援B型の利用で送迎サービスは重要です。そこで送迎の有無を含めて、利用する作業所を選びましょう。
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