ある程度、障害の症状が重い場合には就労継続支援B型(就労B)を利用する障害者が多いです。こうした障害者について、「就労継続支援B型を掛け持ちにて複数利用できないか?」と考える人がいます。

これについて、別日に就労継続支援B型を併用利用できます。そのため他の作業所へ通い、さまざまな人と交流しながら、複数のスキルを身に付けることができます。

それでは、障害者が就労Bの施設を併用利用するときに何を考えればいいのでしょうか。就労継続支援B型の2か所利用について解説していきます。

別日で就労継続支援B型を複数利用する

障害者が就労継続支援B型を利用するとき、通常は一つの施設に通います。就労Bを利用するほどの障害をもつ場合、環境の変化を嫌う人が多いです。そのため、日によって就労先を変えるのは好ましくありません。

ただ障害者によっては、他の就労先を経験したいと考える人がいます。作業所が違えば、そこで働く人は異なりますし、工賃も変化します。

このとき、別日であれば就労継続支援B型を利用できます。就労Bでは雇用契約がなく、日によってどの事業所を利用するのかは自由です。このときは新たな就労継続支援B型の事業所と契約し、障害福祉サービス受給者証に記してもらえばいいです。

いずれにしても、就労継続支援B型の2か所利用は何も問題ないと考えましょう。

同日での2か所利用は不可

それに対して、同日にて2か所の就労継続支援B型を利用することはできません。就労Bでは午前のみ、午後のみなどのように、短時間の就労方法は可能であるものの、一日で利用できる日中活動先は一つのみです。

また同日利用となると、午前と午後で障害者は作業所を移動する必要があり、その間に昼食を食べなければいけません。そのため非常に慌ただしくなり、障害者にとってもデメリットが大きいです。

就労継続支援B型で複数利用が可能なのは、あくまでも別日での利用です。同日での掛け持ち利用は考えないようにしましょう。

掛け持ちで異なる仕事を行い、スキルを向上させる

なお別日にて障害継続支援B型を併用利用することにより、障害者は異なる事業所でそれぞれのスキルを身に付けることができます。

このとき、一つの事業所で複数の仕事を提供しているのは普通です。ただIT系やカフェ運営など、それぞれの事業所によって行える仕事に特色があります。そこで他の就労Bを利用することにより、仕事を通して異なるスキルを身に付けることができます。

参考までに、就労継続支援B型で行える仕事としては以下があります。

出典:厚生労働省 就労系障害福祉サービスにおける経営実態等調査(複数回答可)

掛け持ちにて就労継続支援B型を併用利用したい場合、こうした業種の中から「追加でどのような仕事をしたいのか」を考えて2か所利用するといいです。

負担上限額により、追加料金なしで併用利用できる

なお多くの障害者について、就労継続支援B型を併用利用しても追加料金が発生することは特にありません。就労Bを含め、障害福祉サービスには月の負担上限額があるからです。具体的な負担上限額は以下のようになっています。

状態負担上限額
生活保護0円
住民税の非課税世帯0円
世帯年収600万円以下9,300円
世帯年収600万円超37,200円

親元から離れて一人暮らしをしている障害者であれば、ほとんどの人で生活保護または住民税の非課税世帯です。そのため、他の就労継続支援B型を掛け持ちにて2か所利用しても無料のままです。

また家族と一緒に住んでいるなど、世帯に「収入を得ている人」がいる場合、就労継続支援B型で利用料が必要です。ただ月の負担上限額があるため、それ以上の費用発生はありません。これが、他の就労Bを複数利用しても負担が無駄に大きくならない理由です。

生活介護以外の日中活動は併用不可

就労継続支援B型を利用している障害者について、他の就労Bを別日で併用利用するのは問題ないとわかりました。それでは、その他の日中活動はどうなのでしょうか。

通常、障害福祉サービスについて、その他の日中活動は就労Bと併用できません。そのため就労継続支援B型を利用している障害者について、以下のサービスを併用できません。

  • 就労継続支援A型
  • 就労移行支援
  • 自立訓練(機能訓練・生活訓練)

ただ生活訓練(デイサービス)については、例外的に就労Bとの併用が認められます。そのため就労継続支援型を利用している人について、他の事業所を利用したい場合は「就労継続支援B型の2か所利用」「就労Bと生活介護との掛け持ち」であれば可能です。

掛け持ちにて就労Bを2か所利用する

就労継続支援B型を利用している人について、通常は一つの作業所へ通います。ただ場合によっては、掛け持ちにて就労継続支援B型を複数利用したい人がいるかもしれません。

これについて、就労継続支援B型の2か所利用は可能です。障害福祉サービス受給者証に複数の事業所が記され、別日にて併用利用できます。そこで、他の事業所を利用したい場合は「やりたい仕事」を確認して、新たな施設と契約しましょう。

なお就労継続支援B型を追加で併用利用するとき、多くの人で追加費用は不要です。低所得者であれば無料で利用できますし、世帯収入がある場合であっても月の負担上限額があります。

他の就労継続支援B型を活用したい場合、問題なく利用可能です。そこで掛け持ちにて複数利用したいとき、他の就労Bを見学することで契約しましょう。

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