知的障害者や精神障害者、身体障害者、難病患者には若い人もいます。うつ病や双極性障害、統合失調症などの精神疾患を発症しているかもしれませんし、身体障害者になっているかもしれません。
こうした障害者は労働困難者であり、十分な収入を得られず、さらには貯金がないです。この場合、たとえ20代・30代であっても生活保護の受給が可能です。
なお障害者であっても、生活保護を受けるには特定の条件を満たす必要があります。そこで、障害のある20代や30代の若者がどのように生活保護を受給すればいいのか解説していきます。
もくじ
うつ病や統合失調症、身体障害で働けない人は多い
若くてもうつ病や統合失調症、パニック障害などの精神疾患を発症する人はいますし、身体障害によって身体を自由に動かせない人もいます。
こうした知的障害者や精神障害者、身体障害者、難病患者で十分に働けない人は多いです。その場合、住民税の非課税世帯などの低所得者となってしまいます。
また若い人で障害者の場合、ほとんどの人で十分な貯蓄もありません。そのため多くの知的障害者や精神障害者、身体障害者、難病患者で日々の生活が困難になります。
うつ病や統合失調症、身体障害を含め、障害年金を得ている人はたくさんいます。ただ障害年金だけでは生活できない人が多いです。
20代・30代でも生活保護の受給は可能
そこで生活保護の受給を考えます。たとえ20代や30代と年齢が若くても、生活困窮者は生活保護の受給が可能です。生活保護を受給する場合、障害基礎年金よりも多くのお金を利用できるようになります。なお、以下の人は生活保護の対象者です。
- 収入が最低生活費以下
- 資産を保有していない
生活保護は低所得者であることに加えて、資産を保有していないことが条件です。そのため、生活保護を受けるときに以下の資産を保有することは基本的にできません。
- 預貯金
- 不動産:家、土地、田畑
- 自動車
- 貴金属
- 高級ブランド品
- 貯蓄性のある生命保険
- 株・債券
貯金がある場合、貯蓄額がほとんどなくなるまで待つ必要があります。また換金性のある資産は事前に売却しなければいけません。そうして資産がなくなれば、若者であっても生活保護の利用が可能です。
引きこもりでも実家暮らしは対象外
なお精神障害者や知的障害者を含めて、障害者で引きこもりになっているケースがあります。この場合、一人暮らしであれば特に問題ないものの、実家暮らしの場合は多くで生活保護の対象外です。生活保護は世帯単位での支給であり、家に住んでいる人全員の世帯年収や保有資産で考えるからです。
このとき、「世帯分離によって障害者だけ生活保護を受給可能か?」と考える人がいるかもしれません。同じ家に住んでいても、例えば「親夫婦と子供家族で世帯分離する」などは普通です。
ただ同じ家に住んでいる以上、たとえ世帯分離しても居住状況の実態を見られます。つまり、世帯分離によって障害者のみ生活保護を受給することはできません。これが、実家で引きこもりの障害者の多くが生活保護の対象外になる理由です。
一方で同じ引きこもりであっても、一人暮らしであれば若い人であっても生活保護の対象者になります。実家暮らしでは無理であるものの、単独で生活しているのであれば生活保護の受給は問題ありません。
親族からの支援を得られない人で生活保護が可能
なお生活保護の受給を開始するとき、必ず親族へ連絡が行きます。親や兄弟に対して、「受給対象の人の支援は可能か?」と連絡されるのです。そのため、親族からの支援を得られない障害者であれば生活保護の受給が可能です。
なお、これは「資産を持つ親や兄弟がいれば生活保護を受給できない」という意味ではありません。たとえ親族に連絡が来ても、親族が「支援できない」となれば生活保護の受給が開始されます。このときは「支援したくない」という理由でも問題ありません。
いずれにしても、親族が支援したくない場合は生活保護の対象になります。
必ずしも親から虐待を受けていたり、家族との関係性が悪かったりする必要はありません。また、生活保護を受給しても家族と会うのは可能です。重要なのは、親族が支援できない(または支援したくない)という意思表明です。
障害者グループホームで支援を受けながら生活する
なお前述の通り、たとえ精神疾患や知的障害、身体障害によって引きこもり状態であったとしても、実家暮らしであれば生活保護の受給が難しいです。元から低所得世帯なら生活保護を受給できるものの、そうでない場合は確実に生活保護の対象外です。
そのため障害者が一人暮らしをすれば、20代・30代の若者であっても生活保護を得られるようになります。
ただ生活保護を考えるほどの低所得者であり、さらには障害者である場合、一人暮らしを開始するときに賃貸マンション・アパートの入居審査に通過しません。そこで知的障害者や精神障害者、身体障害者、難病患者は障害者グループホーム(共同生活援助)の利用を検討しましょう。
複数の障害者が共同生活を送る場所が障害者グループホームです。すべての障害者が無条件で入居でき、初期費用はなく、さらには費用も格安です。
介護スタッフが常駐しているため、たとえうつ病や統合失調症、身体障害の程度が重くても問題なく生活できます。
また障害者グループホームへ入居するタイミングであれば、「高額な資産を保有している」「家族が支援可能と回答してしまった」などのケースを除き、基本的に生活保護の受給が可能と考えましょう。
障害者グループホームには20代や30代の若い人であっても多くが生活しており、さらにはそのほとんどが生活保護です。そこで若い障害者はグループホームにて最安値で生活し、介護スタッフによる支援を得つつ、生活保護によってお金を得るといいです。
落ち着けば社会復帰を考えればいい
なお重度知的障害者や重症心身障害者であれば、ずっと生活保護での生活になります。ただ精神障害者や身体障害者については、たとえいま症状が重くても、将来は社会復帰できるケースがよくあります。
うつ病や統合失調症、パニック障害などの症状が回復するケースはよくありますし、重度の身体障害者であっても一般企業で働いている人はたくさんいます。そこで、将来は社会復帰することで自立して生活することを目指すのです。
もちろん、いまは生活保護や障害者グループホームなどのセーフティーネットに頼るほうがいいです。まずは状況を落ち着かせ、安心して生活し、障害の状態を安定させることに専念するのです。
障害者の場合、企業就職する前段階として就労継続支援A型・B型を利用できますし、就労移行支援によって企業就職の準備も可能です。また、たとえ一般就労した後であっても障害者グループホームにて格安生活を続けることもできます。
一気に社会復帰することはできないため、社会復帰に向けて徐々に状況を整える必要があります。そこで生活保護をうまく活用しつつ、数年の期間を見据えて少しずつ働けるようにするといいです。
若い人でも生活保護を受給できる
たとえ年齢が若くてもうつ病や統合失調症などの精神疾患を発症しますし、身体障害者になってしまうこともあります。こうした低所得の知的障害者や精神障害者、身体障害者、難病患者について、資産がない場合は生活保護の対象者です。
なお引きこもりであっても、実家暮らしではほとんどのケースで生活保護の対象外です。世帯分離は意味がなく、生活保護では居住状況の実態が重視されます。
一方で一人暮らしをしており、家族が支援できない(または支援したくない)という場合、生活保護の対象になります。このときは障害者グループホームを利用すると、賃貸マンション・アパートのように物件探しで苦労することがなくなります。さらには格安にて生活でき、介護スタッフによる支援もあります。
20代・30代の若者であっても生活保護を利用できます。そこで障害者であり、十分に働けないのであれば生活保護を積極的に活用しましょう。
家賃のほとんどが自治体から助成され、食費や水道光熱費など、必要最低限の出費で住めるシェアハウス形式の施設が障害者グループホームです。介護スタッフが常駐しているため家族の負担はゼロになり、親亡き後問題も解決できる施設となります。
障害者グループホームは一般的に「空きが少ない」といわれています。ただ、それは「担当者が知っている範囲で空きがない」というだけであり、実際には多くの空きがあります。近隣の自治体まで含めれば、すぐに入居可能な障害者グループホームはいくつも存在します。
ただ障害者グループホームによって居住に関するルールは大きく異なり、利用者(障害者)にとって最適な施設を選ばなければいけません。
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