自立訓練(機能訓練・生活訓練)を利用することで、障害者は社会生活を送るための準備を行えるようになります。このときは休職中の障害者が復職に向けて利用してもいいし、若い障害者が一人暮らしを目指すために自立訓練を活用してもいいです。

障害者の自立を促すことを目的に自立訓練によるトレーニングが行われます。それでは、自立訓練のカリキュラムでは何をするのでしょうか。

自立訓練のカリキュラムを理解することで、どのようなサービス内容なのか把握できます。そこで自立訓練の目的やサービス内容、1日のスケジュールについて解説していきます。

社会生活を送れるようにする自立訓練の目的・役割

身体障害者や知的障害者、精神障害者、難病患者では社会生活を送るのが困難になります。そこで、障害者が社会生活を送れるようにすることを目的として自立訓練が行われます。自立訓練には機能訓練と生活訓練があり、それぞれ以下のようになっています。

  • 機能訓練:身体障害者が利用
  • 生活訓練:知的障害者・精神障害者が利用

自立訓練を通して、そうじや洗濯、買い物、公共交通機関の利用、社会的マナーなどを学びます。こうした日常生活に必要な事柄を学ぶことで、障害者は一人であっても暮らせるようになります。

休職中の復職や一人暮らしを目指して利用してもいい

なお自立訓練(機能訓練・生活訓練)を利用するのは、一般的に軽度の障害者です。障害の程度が軽い場合、一般企業への就職を目指すのは普通です。ただ就職をするにしても、一人で生活を行えるようにならなければ生きていけません。

そこで企業就職の前段階として、社会生活を送れるように自立訓練(機能訓練・生活訓練)でトレーニングをするのです。

人によって自立訓練を利用する理由はさまざまです。例えば精神疾患の発症によって休職中の場合、復職を目指して自立訓練を利用してもいいです。また将来の一人暮らしを見据えて、自立訓練施設に通ってもいいです。

18歳以上であれば、非常に軽度の障害者であっても自立訓練を利用できます。例えばそうじや片付けの方法を学べば、発達障害の人は汚部屋にしてしまう状況を避けられるかもしれません。いずれにしても、社会生活を送るうえで重要な内容を自立訓練で学びます。

自立訓練のカリキュラムは何があるのか?

それでは、自立訓練(機能訓練・生活訓練)では何をするのでしょうか。リハビリを行う機能訓練に対して、生活訓練では身体機能に異常のない障害者が利用します。そのため自立訓練の種類によっても内容は異なりますが、以下のようなカリキュラムを学ぶと考えましょう。

【日常生活能力を高める】

  • そうじ、洗濯、料理
  • 金銭管理
  • 買い物

【地域生活への移行】

  • バス・電車など公共交通機関の利用
  • 銀行や役所の利用
  • 医療機関の受診

【コミュニケーション】

  • あいさつ、自己紹介
  • 頼み方、断り方
  • トラブルの解決法

【スポーツ・創作活動】

  • ウォーキング
  • ストレッチ
  • 絵画、工芸作品

【就労】

  • ラベル張りや商品の出し入れなどの作業訓練
  • 履歴書作成
  • 職場見学、職場体験

他にもたくさんありますが、こうしたカリキュラムを通して、障害者は社会生活で必要な内容を学びます。

1日の大まかなスケジュールの流れ

それでは、実際に自立訓練施設に通うときはどのようなスケジュールになるのでしょうか。大まかに以下のような流れになります。

  • 10:00~10:15:ホームルーム、健康チェック
  • 10:15~12:00:プログラム1(一般教養、就労、創作活動など)
  • 12:00~13:00:昼食・休憩
  • 13:00~15:00:プログラム2(スポーツ、自主学習、課題研究など)
  • 15:00~16:00:振り返り、そうじ

こうして、10:00~16:00などの時間帯で自立訓練施設にて過ごすことになります。なお必ずしも1日中過ごす必要はなく、朝だけや昼からの利用であっても問題ありません。また毎日である必要はなく、週1回にて自立訓練を利用している障害者もいます。

自立訓練施設でサービス内容・スケジュールは異なる:体験は有効

なお当然ながら、実施されるカリキュラムの内容は自立訓練施設によって異なります。また、1日のスケジュールや全体の流れも違います。

他には、細かい違いとして「昼食が提供されるときの金額」「送迎に対応しているか」も異なります。自立訓練施設によってルールや仕組みが違うのは当然です。

またどのようなカリキュラムが実施されるのかについては、見学・体験してみると理解しやすいです。基本的にどの自立訓練施設でも見学・体験が可能なはずなので、利用するかどうか考えている場合、実際に経験してみるといいです。

なお自立訓練では就労に向けて、実際に作業をします。このとき自立訓練の利用中であれば工賃が出るものの、体験利用では工賃が基本的に出されないことを理解しましょう。

自立訓練で何をするのかメリットを学ぶ

障害者が自立訓練を利用するメリットは大きく、これによって社会生活を送れるようになります。家の中での過ごし方や公共交通機関の利用など、さまざまなプログラムによってトレーニングします。

このとき、自立訓練で行われるカリキュラムは多種多様です。社会的マナーから就労、スポーツ、自主学習を含めて、自立訓練(機能訓練・生活訓練)で実施されると考えましょう。

軽度の障害者が自立訓練によって社会生活を送れるようになった後、一般企業への就職・復職を目指したり、就労継続支援A型によって働いたりします。そこで就労する前段階として自立訓練を利用し、社会生活を送れるようになりましょう。

なお自立訓練のサービス内容は幅広いですし、事業所によってカリキュラムも異なります。そこで、見学・体験を通して利用する自立訓練施設を見極めるといいです。

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