障害者として子供を育てている母子家庭はたくさんあります。こうしたひとり親家庭(シングルマザー、シングルファーザー)について、十分な収入があるなら問題ないですが、そうでない場合は生活が非常に苦しいです。
そうしたとき、障害者グループホームを活用することで生活しても問題ありません。障害者であれば、軽度であっても利用できる制度が障害者グループホームです。また、費用は格安になります。
障害者グループホームの場合、介護スタッフが常駐することになります。そのため育児をするとき、一人で悩む必要はありません。子育てをするとき、スタッフに頼ることができます。シェアハウス形式にはなるものの、少なくとも育児や金銭面での苦労はほぼなくなるのです。
それでは、障害者のシングルマザー(またはシングルファーザー)はどのように考えて育児をすればいいのでしょうか。障害者グループホームを活用する場合の生活について解説していきます。
もくじ
障害者で母子家庭は生活が苦しい
多くの場合、母子家庭は生活が苦しいです。母子家庭の場合、平均年収は一般世帯の半分以下です。そのため、児童扶養手当を加えたとしても生活困窮者になりやすいです。
これが障害者となると、シングルマザー(またはシングルファーザー)の生活は大変です。通常、障害者手帳を保有している人は就職困難者に該当し、健常者に比べてどうしても就労が難しくなります。病気により、まったく働けない人もいます。
そのため知的障害者や精神障害者、身体障害者、難病患者のひとり親世帯については、国のセーフティーネットを活用することを考えましょう。
正しくセーフティーネットを利用すれば、障害者の場合、たとえ無収入であっても問題なく生活できる仕組みが存在します。障害者の場合、子供がいることで特に優遇されるわけではないものの、障害者という事実によって健常者よりも守られやすくなるのです。
障害者グループホーム(共同生活援助)で格安生活が可能
そこで障害者手帳を保有する場合、日々の生活費の支払いが苦しいのであれば、障害者グループホーム(共同生活援助)の利用を検討しましょう。一般的な民間賃貸マンションの場合、非常に狭い部屋でもそれなりに高額な家賃となり、さらには水道光熱費やインターネット代が必要になります。
一方で障害者グループホームの場合、住民税の非課税世帯や生活保護ではサービス料が無料です。また働いている障害者であっても、年収600万円以下であれば月の負担上限額は9,300円です。
状態 | 負担上限額 |
生活保護 | 0円 |
住民税の非課税世帯 | 0円 |
世帯年収600万円以下 | 9,300円 |
世帯年収600万円超 | 37,200円 |
なお家賃支払いはあるものの、低所得者の場合、障害者グループホームの家賃の大半は国・自治体から補助があります。さらに、インターネット代などは既に家賃に含まれています。家具は備え付けであるため、引越しで新たに購入する物品もありません。
そのため必要な支出は食費や水道光熱費、その他の雑費くらいであり、一人分であれば月6~7万円ほどで生活できます。子供がいる場合、子供分の食費が加わるものの、それでも格安で生活できる事実は同じです。
すべての施設で子供を受け入れてくれるわけではありません。ただ障害者グループホームによっては、子供と一緒の入居を許可してくれるケースがあります。この場合、母子家庭であっても障害者として子供と一緒に入居できます。
・賃貸の審査に通らない場合、より優れる
ちなみに、障害者グループホームでは礼金などの無駄な費用がありません。また障害者であれば誰でも利用できるため、民間賃貸住宅の入居審査に通らない人であっても利用できます。もちろん、保証人がいなくても問題ありません。
賃貸の審査に通らないことを心配する必要がなく、引越しでの初期費用も不要なのも障害者グループホームのメリットです。
児童扶養手当により、生活費は問題ない
ただ、障害者グループホームで格安にて生活できるとはいっても、日々の生活費の支払いは発生します。このとき、障害年金を利用することで支払い可能です。またひとり親世帯の場合、児童扶養手当も得られます。
障害年金と児童扶養手当を加えると、障害者グループホームで生活するときの支払いに困ることはありません。大幅に収支がプラスになることはないものの、マイナスになることもないのです。
なお、障害年金と児童扶養手当を併用している場合、「障害年金の子の加算が実質的に無意味になる」というデメリットがあります。児童扶養手当を得ることで、子の加算が相殺されるからです。
ただ、障害年金と児童扶養手当を用いることで、通常よりも多いお金を生活費&子育て費用として得られる事実は変わりません。そこで、こうしたお金を用いて障害者グループホームへの支払いに利用しましょう。
・貯金ゼロでも、生活保護を選べばいい
ちなみに貯金ゼロの場合、母子家庭は生活保護を選択することもできます。生活保護の場合、障害年金による障害者加算があります。つまり、通常の生活保護費よりも大きい金額を得られます。
それに加えて、児童扶養手当が加わります。生活保護と児童扶養手当はまったく別の自立支援プログラムであるため、その分だけ得られるお金は大きくなります。そのため生活保護を選択することにより、シングルマザー(またはシングルファーザー)は障害者グループホームでの生活により困らなくなります。
部屋は子供がいても十分な大きさとなる
このとき、気になるのは部屋の大きさです。人によって育児をしている人数は異なりますが、子供がいる場合、同じ部屋で寝泊まりすることになります。
障害者グループホームによって部屋の大きさは異なります。ただ、たとえ家族であっても問題なく生活できるほどの広さとなっているのが一般的です。例えば以下は、障害者グループホームの一部屋です。
この部屋の広さであれば、障害者本人に加えて子供が2~3人いても問題ありません。また障害者グループホームでは一軒家などを利用するため、ワンルームで生活するよりも昼間は広めに居住スペース(共有スペース)を利用できます。
複数の障害者と共同生活を送る場所が障害者グループホームであるため、ものすごく広々と部屋を利用できるわけではありません。ただ、格安で住むには十分な大きさの部屋を利用できます。
育児・子育ての支援も介護スタッフが助けてくれる
また障害者グループホームで重要なのは、介護スタッフが常駐していることです。これによって障害者に対する援助が常に可能になるだけでなく、介護スタッフは子供の面倒についても対応してくれるようになります。
障害者の場合、子育てに支障がある人は多いです。場合によっては、障害者は育児ノイローゼになってしまいますが、障害者グループホームにいるスタッフが代わりに子育てに対応できるのです。
また、障害者グループホームには他の利用者(障害者)やスタッフを含めて、複数の人がいます。そのため、たとえ親が一人で外出しても障害者グループホームには常に誰か他の人がいるので子供は安全です。
なお障害者グループホームに子供がいるのは、他の障害者にとっても優れます。子供が施設内にいることで、障害者は子供と触れ合うことができ、普段とは違う穏やかな顔になります。以下は実際に障害者グループホームで子供と障害者が遊んでいる様子です。
障害者グループホームで子供と一緒に住めるかどうかについて、前述の通り施設によって判断は異なるものの、施設内に子供がいるのは何も問題ありません。
重度の障害者に限らず、軽度の障害者でシングルマザー(シングルファーザー)であっても障害者グループホームを利用する人は多いです。これは、介護スタッフによる助けによって育児疲れが大幅に軽減されるからです。
シェアハウス形式だが、公営住宅よりも助けを得やすい
なお、あくまでも障害者グループホームはシェアハウス形式になります。他の障害者との共同生活になるため、「トイレが重なることがある」「入浴時間の調整が必要」など、多少の不便があることは認識しましょう。
このとき、同じく低所得の母子家庭で格安にて生活する方法として公営住宅が候補として挙げられます。公営住宅の場合はシェアハウス形式ではありません。ただ介護スタッフがいないため、すべて一人で子供の面倒を見なければいけません。
シェアハウスとなると、家の中で他人と一緒に生活することになるので慣れなければいけません。ただ子供がいる場合、介護スタッフを含めてすぐに他の人の助けを得られるのは母子家庭にとって優れた環境と考えることもできます。
育児をする場合、障害者が一人で抱えるよりも、他の人の助けを借りるほうがいいです。そういう意味では、障害者グループホームは障害者自身だけでなく、介護スタッフによる子供への育児支援もあって一人だけで頑張る必要がなくなり、母子家庭にとって優れます。
日本全国での引越しは当然
それでは、実際のところ子供ありで受け入れてくれる障害者グループホームが存在するかというと、全体の数としては1%未満です。子供がいても運営側は加算を得ることができず、負担増の分だけ単なるボランティアになってしまいます。
また小さい子供がいることで、子供の泣き声を含め、他の利用者に迷惑をかけてしまうリスクが高いです。シェアハウスで個室とはいっても、同じ家の中であるため、子供の声は響きます。そのため、受け入れてくれる施設はほぼないです。
そこで、実際に子持ちの状態で障害者グループホームを利用したい場合、地域を限定するのはやめましょう。その場合、ほぼ100%の確率で受け入れ可能な施設を見つけることができません。
そのため、子持ちシングルマザーで「日本全国どの障害者グループホームでも問題ないので探す」という心構えは絶対条件です。これが無理な場合、費用は高額になるものの、自ら賃貸物件を見つけるしか方法はありません。
・ワンルームの障害者グループホームを狙う
なお場合によっては、ワンルームの障害者グループホームを狙うという方法もあります。この場合、他の利用者との接点はほぼありません。施設側の介護スタッフによる援助も受けにくくなるものの、格安にて独立した生活を送れます。
ただワンルームの障害者グループホームは圧倒的に数が少なく、施設数全体の3%未満です。また、ワンルームであることに加え、子供ありでも受け入れてくれる施設はさらに少ないです。そのため、シェアハウスの場合と同様に「日本全国どこでも引越しOK」という条件は最低でも受け入れる必要があります。
シングルマザーで共同生活援助を視野に入れる
母子家庭は一般的に低収入になりやすいです。特に障害者の場合、就職困難者に該当するのでより生活が苦しくなりやすいです。この場合、一般的な民間賃貸マンションの家賃支払いは厳しいですし、そもそも入居の審査に通らないケースもあります。
そこで、障害者なのであれば障害者グループホーム(共同生活援助)の利用を考えましょう。労働収入がゼロであっても、問題なく生きていける仕組みになっているのが障害者グループホームです。
施設内には常に介護スタッフがいますし、シェアハウス形式で他の障害者も利用しています。そのためスタッフによる育児援助を得られますし、常に家の中に誰か他の人がいるので子供は安全です。または、ワンルームの施設を狙ってもいいです。ただ子持ちで受け入れ可能な施設は圧倒的に少なく、「日本全国どこでも引越し可」を受け入れなければいけません。
軽度から重度まで、障害者であれば障害者グループホームを活用できます。そこで、公営住宅だけでなく障害者グループホームについても視野に入れましょう。
家賃のほとんどが自治体から助成され、食費や水道光熱費など、必要最低限の出費で住めるシェアハウス形式の施設が障害者グループホームです。介護スタッフが常駐しているため家族の負担はゼロになり、親亡き後問題も解決できる施設となります。
障害者グループホームは一般的に「空きが少ない」といわれています。ただ、それは「担当者が知っている範囲で空きがない」というだけであり、実際には多くの空きがあります。近隣の自治体まで含めれば、すぐに入居可能な障害者グループホームはいくつも存在します。
ただ障害者グループホームによって居住に関するルールは大きく異なり、利用者(障害者)にとって最適な施設を選ばなければいけません。
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