脳梗塞や脳出血、くも膜下出血、脳腫瘍を含めて、脳血管障害・高次脳機能障害によって身体を自由に動かせなかったり、記憶障害を生じたりします。
こうした脳血管障害を生じた人について、十分に働くことができます。ただ障害者で低所得者であっても、いくつもの救済制度があります。そのため働けない人であっても、補助金や支援制度を利用することで生活できます。
それでは、脳血管障害・高次脳機能障害によって働けない人について、どのように給付金や支援を利用すればいいのでしょうか。脳梗塞や脳出血、くも膜下出血、脳腫瘍で後遺症を生じた人の支援策を解説していきます。
もくじ
身体障害者は十分に働けず、生活が苦しい
脳梗塞や脳出血、くも膜下出血、脳腫瘍によって後遺症を生じ、車いす生活になったり、高次脳機能障害を負ってしまったりするのは普通です。この場合は十分に働けないため、低所得者となり生活が苦しくなります。
ただその場合であっても、お金の面では救済制度があります。障害者で利用できる給付金としては、例えば以下があります。
- 傷病手当金
- 障害年金
- 心身障害者福祉手当
- 生活保護
それぞれについて確認しましょう。
傷病手当金で1年6か月を過ごす
会社員・公務員の人に限定されますが、社会保険に加入している人は傷病手当金を利用できます。個人事業主などは利用できないものの、脳血管障害によって働けなくなった場合、傷病手当金によって給付金を得られます。
傷病手当金により、ザックリと「それまでもらっていた給料の3分の2を得られる」と考えましょう。なお傷病手当金を利用するとき、「退職前に3日連続で欠勤している」ことが条件になります。
合計して3日の欠勤ではなく、連続して3日の欠勤である必要があります。その後、退職すれば商業手当金を1年6か月、受け取りできます。
ずっと受け取りできる給付金ではないものの、脳血管障害によって働くことができなくても、それなりに大きなお金を受け取ることができます。
障害年金で毎月のお金を得る
それでは、1年半が過ぎた後はどうすればいいのでしょうか。また個人事業主など、傷病手当金を利用できない場合は何を活用すればいいのでしょうか。この場合、障害年金を利用しましょう。
身体障害者や精神障害者を含め、十分に働けない人で障害年金を利用できます。一般企業でフルタイム勤務している場合は利用が難しいものの、そうでないなら障害年金の対象というわけです。
障害年金では、初診日を確定させる必要があります。脳梗塞や脳出血、くも膜下出血、脳腫瘍などの場合、病気の発症によって初めて病院に運ばれた日が初診日に該当します。そこで、対象の病院で障害年金に関する書類をもらい、申請しましょう。
なお傷病手当金と障害年金は両方を併給できません。もし両方を受け取る場合、併給調整があります。
ただ障害年金の審査期間は長いため、併給調整を考えずに、できるだけ早く障害年金を申請するほうがいいです。そこで、社労士などの専門家の力を借りて障害年金へ申請しましょう。
障害者向けの給付金(心身障害者福祉手当)を利用
なお身体障害者の場合、給付金として心身障害者福祉手当を利用できます。自治体によって要件は異なりますが、一般的には以下の障害者手帳を保有している人で心身障害者福祉手当が支給されます。
- 身体障害者手帳1~3級
- 精神障害者保健福祉手帳1~2級
月2.500~5,000円など、障害年金に比べると金額は少ないです。ただ働けない人にとっては非常に重要なお金であるため、対象者の場合は申請しましょう。
最終的には生活保護を利用
なお脳梗塞や脳出血、くも膜下出血、脳腫瘍の後遺症で働けない場合、傷病手当金や障害年金を活用しても支出が多く、貯金がほとんどなくなってしまう場合があります。その場合、最終的には生活保護を利用しても問題ありません。
生活保護を利用する場合、多くのケースで障害年金よりも高額なお金を得ることができます。住む場所は限られるものの、生活保護によって毎月の生活費を得られるのです。
生活保護の申請では、低収入であることに加えて、資産を保有していないことが条件になります。そこで資産がない場合、近くの福祉事務所で相談することで生活保護の受給がスタートします。
障害者手帳を利用し、割引を得る
また脳梗塞や脳出血、くも膜下出血、脳腫瘍による後遺症がある場合、身体障害者手帳を保有できます。等級によって可能な内容は異なるものの、身体障害者手帳によって以下を利用できます。
- 所得税・住民税をの減税
- 自動車税・自動車取得税の減税
- 水道料金の割引
- 公共交通料金の割引
- 高速道路・ETCの料金が半額
- 映画館や水族館、美術館、テーマパークでの割引
- 住宅リフォーム費用の割引
他にもありますが、例えばこれらのメリットを受けることができます。障害者では支出を減らし、補助金を得ることも重要です。そこで、身体障害者手帳を積極的に活用して補助金を利用しましょう。
障害者グループホームにて支援と共に格安で住む
また障害者の場合、一人で生きていくのが現実的に難しいです。実家暮らしで親を頼ることができたり、配偶者がいたりする場合、ひとまずは問題ないです。ただ一人暮らしでは生活できないというわけです。
なおたとえ実家暮らしであっても、親はいつか高齢になって面倒を見れなくなります。そのため、配偶者が面倒を見てくれるケースを除き、できるだけ早めに対策をしなければいけません。
そうしたときに利用される施設が障害者グループホームです。働けない人(低所得者)はサービス料が無料であり、家賃は国や自治体から補助があります。複数の障害者が集団生活をする施設が障害者グループホームです。
シェアハウス形式であるため、食費や水道光熱費など、あらゆる出費が最安値になります。インターネットが最初からあり、ネット料金が無料な障害者グループホームも普通です。
なお障害者グループホームには常に介護スタッフがいます。そのため半身不随などによって動くのが大変であっても、介護スタッフによる協力を得ながら生活できるようになります。
・車いす生活の人はエリアを広げるべき
なお脳血管障害・高次機能障害を有する人について、車いす生活であることはよくあります。ただほとんどの障害者グループホームについて、既に存在する一軒家やアパートを借りることで障害者グループホームとして運営しています。例えば、以下は実際の障害者グループホームの外観です。
車いすの場合、こうした障害者グループホームを利用できません。要は、世の中に存在するほとんどの障害者グループホームへ入居できないと考えましょう。
そのため車いす生活の人は「他の都道府県を含めて障害者グループホームを探す」ことをするのが必須です。車いす対応の障害者グループホームは全体の1%ほどであり、空きもほとんどありません。後遺症の程度が重い場合、特定のエリアに限定するのではなく、範囲を広げて障害者グループホームを探しましょう。
障害者向けの就労サービスで仕事を行う
また障害者グループホームを利用する人というのは、多くのケースで昼間に働いています。一般企業での就職は無理であっても、障害者向けの就労サービスを利用しているのです。
障害者が利用する就労サービスとして就労継続支援A型や就労継続支援B型があります。どちらも短時間労働になりますが、たとえ重度の障害者であっても問題なく働ける仕組みになっています。
車いすであっても車いすでなかったとしても、こうした就労サービスを利用することにより、労働による工賃を得られます。たとえ生活保護受給者であっても、労働賃金によって1万5000円までは控除によって手取りを増やせるため、就労継続支援A型・B型の利用は大きな意味があります。
脳血管障害に対する給付金に加えて、障害者向けの就労サービスを活用すれば、生活費の支払いに困ることはなくなります。
脳血管障害・高次脳機能障害で支援制度を利用する
脳梗塞や脳出血、くも膜下出血、脳腫瘍での後遺症で障害者になってしまった場合、十分に働けないです。そこで身体障害者について、給付金を利用しましょう。
会社員・公務員の場合、傷病手当金を利用できます。また働けないほど障害の程度が重い場合、障害年金の対象です。それに加えて、障害者向けのその他の給付金や生活保護まで視野に入れるといいです。
さらに、支出を減らすのも重要です。身体障害者手帳を利用すれば、日々の支出を抑えることができます。また障害者グループホームを利用すれば、介護スタッフによる援助を受けつつ、支出は格安になります。さらに、障害者向けの就労サービスで工賃を得られます。
たとえ脳血管障害による後遺症で障害者になってしまっても、問題なく生活できる仕組みがあります。そこで、これらの福祉制度を活用して生活できるようにしましょう。
家賃のほとんどが自治体から助成され、食費や水道光熱費など、必要最低限の出費で住めるシェアハウス形式の施設が障害者グループホームです。介護スタッフが常駐しているため家族の負担はゼロになり、親亡き後問題も解決できる施設となります。
障害者グループホームは一般的に「空きが少ない」といわれています。ただ、それは「担当者が知っている範囲で空きがない」というだけであり、実際には多くの空きがあります。近隣の自治体まで含めれば、すぐに入居可能な障害者グループホームはいくつも存在します。
ただ障害者グループホームによって居住に関するルールは大きく異なり、利用者(障害者)にとって最適な施設を選ばなければいけません。
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